平成27年度保育所一斉入所申込状況分析、第3回はリクエストにお応えして天王寺区を取り上げます。
既に多くのリクエストを頂いていて恐縮です。
順番に分析していくので、もうしばらくお待ち下さい。


※10月28日に発表された数字に基づています。募集数等は今後の変更が想定されています。
※今年は認定こども園も同時に発表されており、分析対象に含めています。

h27_moushikomi_bunseki_tennouji
昨年(平成26年度)と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

【区全体】
H26入所倍率はH25より低下したのですが、H27では上昇してしまいました。
1.83倍は市内2位の高さです(1位は西区)。
申込数が408→469人と増加し、同時に募集数が293→256人へ減少したのが理由です。

1.83倍は極めて高い数字です。
各年齢別の申込数・募集数を個別に計算して積み上げると、入所出来るのは2人に1人となる見込みです。

募集数が減少した主な原因は天王寺駅前おおぞら保育園です。
同保育所はH26に新設されました。
同年度の一斉入所においては全年齢の全定員を同時に募集した為、募集数は60人となりました。
一方、開所2年目の今年は空き枠分のみの募集となり、募集数は22人に留まりました。
その差の38人は、そのまま天王寺区全体の募集数減少分に相当します。

年齢別に見ると、1歳児・3歳児の申込数が増加しています。
1歳児は35人も増加し、入所倍率は1.57→2.02倍へと上昇しました。
また、3歳児は申込数が16人増加、募集数が1/4になり、入所倍率は6.56倍という著しい高さになりました(市内2位)。
ここまで入所倍率が高くなってしまうと、フルタイム共働き+何らかの加算点がなければなかなか入所できないのではないでしょうか。

一方、0歳児の入所倍率は昨年より低下し、市内1位から3位となりました(高いのは北・東成)。
1歳児ほどの激戦ではありませんが、それでも1.28倍は高く感じられます。

【保育所別】
入所倍率が極めて高い保育所が目立ちます。

最も高いのは蓮美幼児学園うえしおナーサリーの6.06倍です。
同保育所は昨年(3.56倍)・一昨年(3.83倍)と区内で最も高く、これで3年連続となりました。
申込数が97人と区内で最も多い保育所です。
今年は2歳児の申込みが19人と激増している一方、募集数は現時点では無しとなっています。
系列の蓮美幼児学園たにまちナーサリーも高い人気です。

昨年は味原保育所やすくすく保育園の入所倍率が高かったのですが、今年は若干ですが低下しています。
一方、今年は四天王寺夕陽丘保育園や日の出さなだやま保育園の入所倍率が3倍を超しています。

四天王寺夕陽丘保育園は0歳児・3歳児の申込数が激増しています。
特に3歳児の申込数は区内で最も多く、17人となっています。
これには同保育所の東にある市立五条幼稚園の民営化案が関係していると推測されます。
同幼稚園等の民営化案は今春の市会で否決されました(詳細はこちら)。
しかし、来年以降も同様の条例改正案が提出される可能性もあります(はっきり分かりません)。
今後の運営主体がどうなるかはっきりしない事態を敬遠する方が同保育所の3歳児入所に申し込んだ、という推測です。

【まとめ】
0-3歳児はいずれも入所しにくいのが天王寺区です。
特に3倍を超える2-3歳児は極めて難しい状況です。
多くの保育所は大阪環状線・地下鉄谷町線沿線にあって交通利便性が良いのですが、それが逆に入所倍率を引き上げている要因かもしれません。
点数に自信がない場合、谷町線沿いなら浪速区内、環状線方面は少し離れた生野区内もご検討下さい。

【参考:H26一斉入所の分析記事】
【H26保育所入所申込状況分析】(8)天王寺区
【H26保育所一斉入所結果分析】(12)天王寺区

【次回の予定】
リクエストにお応えして住之江区を取り上げます。
全体的な傾向は昨年通りですが、保育所毎の状況は大きく変わってそうです。