平成30年7月西日本豪雨では、大阪市内でも著しい大雨が降り続けました。

小学校は通常通りに登下校しましたが、保育所からは「早めに迎えに来て欲しい」という電話がありました。学校・幼稚園・保育所等

保育所、避難勧告でも開所 神戸市、休所の統一基準なく

西日本豪雨で避難勧告・指示などが各地で相次いだ7月6日当日、約10万人に避難勧告が出ていた神戸市で、市立の全小中学校と幼稚園を休校・休園としながら保育所はすべて開所していたことが、市への取材で分かった。同市には避難勧告に絡む保育所の休所基準がなく、市や施設が個別に判断している。専門家は「子供の安全を考え、休所の基準を定めるべきだ」と指摘している。

6日朝の時点で約10万人に避難勧告が出ていた神戸市では、市立の小中学校と幼稚園全288校園が休校・休園。しかし、市立保育所は土砂災害警戒区域や浸水想定区域にある4所を含む全58所が開所した。

一方、約50万人に避難指示・勧告が出た京都市は全247校園が休校・休園し、保育所も全17所のうち避難勧告が出ていた山科、右京区などの9所が休所。大阪市は全473校園のうち休校・休園は15校園にとどまったため、休所した保育所はなかった。

神戸市子育て支援部によると、警戒・想定区域内にある4所の保護者に対し、5日夜に可能な限り自宅で保育してほしいと電話連絡したが、仕事を休めないなどの理由から各所とも1~2人程度を預かった。市の担当者は「幼稚園などの教育施設と違い、保育所は家庭で世話できない乳幼児を預かる福祉施設のため、休所の判断はできなかった。今後どう安全を確保するか検討したい」と釈明する。これに対し、京都市の担当者は「子供の安全が第一。避難勧告が出ていれば保育はできない」と話す。

全国の保育所の約90%が加盟する全国保育協議会(東京)によると、災害の危険性は地域によっても差があるため、休所の全国的な統一基準を作ることは難しいという。現状では休所の判断は各自治体や保育所に委ねられている。

徳島大環境防災研究センター長の中野晋教授(地域防災学)は「自治体は保育所を閉めれば保護者からクレームが来ると懸念しているのではないか」と指摘。「避難勧告が出た場合など休所の基準をそれぞれの保育所で作り、保護者にも事前に説明して理解を得ることが必要だ」としている。

https://www.sankei.com/west/news/180811/wst1808110018-n1.html

気象災害・警報発表時等における学校・幼稚園・保育所等(「学校等」とします)の休校園基準については、以前に記事でまとめました。警報等が発表される度に、多くの方にご覧頂いています。

気象災害時における、幼稚園・保育所等への登園・お迎え

災害発生時における公立小中学校の臨時休業・休校基準について(情報集約)

避難勧告・大雨警報・鉄道見合わせ・河川水位上昇、登校園しますか?

一般論として、ほぼ全ての学校等は特別警報・暴風警報・暴風雪警報が発表されると休校園となります。

その一方、避難勧告や避難指示、大雨警報や洪水警報、鉄道路線の運転見合わせ、河川水位の上昇等が発生した場合の扱いについては、自治体・運営者(私立保育所・幼稚園等)・学校等で判断が分かれています。

大阪市内では大和川や寝屋川の水位上昇や付近の冠水によって休校した学校、鉄道路線が運転を見合わせて職員が出勤できずに休園した保育所があったと聞きました。

危険性が高まった場合や職員が出勤できない場合に休校園するのは仕方ありません。こうした場合も休校園の基準に盛り込んでおくべきでしょう。

また、一部の大阪市立学校はこれまでの基準に加え、避難勧告や避難指示が発表された場合も休校にするという基準も追加したそうです。当然でしょう。

更に、休校園を決定したらウェブサイトやツイッター等への掲載等、定めておいた手段を利用して迅速に伝えて欲しいです。「NHKを見ろ」は暴論です。登校・登園してから初めて知る事になったら、それは施設側の周知不足です。

また、仕事の有無、学校や幼稚園・保育所によって、できる限り登校させるか休ませるかという保護者の判断も異なってきます。

欠席すると学習や評定等で不利益を被る可能性がある学校については、たとえ大雨が降っていても自主的に休ませるのは難しいのが実情でしょう。

一方、幼稚園や保育所であれば「大雨の中を外出して登園するのは危ない、登園しても保育室で活動するだけ、休んでも不利益はない」と考えると、自主的に休ませやすいでしょう。

保護者が仕事を休めないと詰みます

いずれのケースでも保護者が仕事を休めない場合、普段通りに学校等へ登校園できないと非常に困ってしまいます。

仕事が休めない保護者からの申し出に対し、神戸市立保育所はやむを得ず保育を実施したそうです。苦渋の決断と言えそうです。

学校等が休みになっても保護者が仕事を休めなければ、子どもはむしろ危険に晒されます。こうした日は多くの経済活動も鈍るでしょうから、子育て中の従業員が休める制度が必要かもしれません。

気象状況、警報や避難勧告/指示、学校等の判断、勤務先の状況等、災害の恐れが生じる大雨等が降る度に子育て世帯は複雑な調整に追われてます。

8月16日~17日にかけて、災害発生の恐れがあるとも報じられています。子どもの安全を第一に考えていきたいです。