あわや大惨事となりかねない事故が発生していました。
駅員がベビーカー移動中、乳児が落下し頭部骨折 JR志賀駅、社内規定反し乗せたまま運ぶ
JR西日本は27日、大津市木戸のJR湖西線志賀駅で利用客の依頼で男性駅員が運んでいたベビーカーから乳児が階段に落下し、頭部を骨折するなどのけがを負ったと発表した。
同社によると、25日午前9時半ごろ、男性駅員が幼児と乳児を連れた母親の要請でベビーカーを高架上のホームから地上の改札階まで下ろす際に起きた。外傷がなかったため親子は帰宅したが、26日に病院で精密検査をしたところ骨折が分かった、という。
JR西日本はベビーカーの運搬に関して子どもを降ろしてから運ぶ社内ルールを定めていたが、守られていなかった。志賀駅にはエレベーターがなく、駅員は1人体制だった。
25日、大津市にあるJR湖西線の志賀駅で、駅の係員が母親に代わって乳児を乗せたベビーカーを階段から下ろそうとした際、誤ってベビーカーから乳児が転落し、頭の骨を折るなどの大けがをしました。
25日午前9時半ころ、大津市木戸にあるJR湖西線の志賀駅で、駅の男性係員が母親に代わって乳児を乗せたベビーカーを、2階のホームから階段を使って下ろそうとした際、誤ってベビーカーから乳児が転落しました。
JR西日本によりますと26日、母親が乳児を病院に連れて行ったところ、頭の骨が折れていたほか、脳内出血も見つかったということです。
JR西日本では、乗客のベビーカーの移動を手伝う際は、マニュアルで、安全確保のために子どもを下ろした状態で移動させることになっていますが、担当した係員はマニュアルを忘れていたということです。
JR西日本は「けがをしたお客様に誠実に対応するとともに、事故を繰り返さないため、社内でベビーカーの取り扱いを徹底します」としています。
JR西によると、駅員は25日午前9時半ごろ、子供2人を連れた女性客の依頼で、2階にあるホームから改札に向かう階段を下りるのをサポート。女性が子供1人を抱きかかえ、駅員は乳児が乗ったままのベビーカーを持って階段を下りる途中、下から2、3段の辺りでベルトを装着していなかった乳児がシートから床に落ちた。女性は「大丈夫です」と言って子供と帰宅したが、26日に受診して負傷が分かった。JR西は同日、様子を確認するため女性に電話して把握。乳児は27日に退院したという。
同駅はエレベーターもエスカレーターも無く、当時は駅員が1人だった。JR西の社内規定では、ベビーカーの階段移動を手伝う際には子供が乗っていない状態で運ぶことになっている。JR西は女性らに謝罪したといい、「今後は取り扱いを徹底したい」としている。
現場はJR湖西線志賀駅です。湖西線はJR山科駅から琵琶湖西岸を通過して北陸方面と結ぶ路線です。志賀駅は大津市内にありますが、市中心部からは北に離れた場所にあります。
報道等によると、同駅にはエレベーターはありませんでした。
事故が発生したのは25日(木)の午前9時半頃でした。朝早い時間帯なので、何らかの所用で訪れたのでしょう。
行き慣れた駅でしたらエレベーターの有無を知っているでしょうが、慣れない駅だと駅で下車してからエレベーターが無い事に気づく事も多いです。
JR西日本の主要駅や新しい駅では概ねエレベーターが整備されていますが、古い駅や乗降客数が少ない駅等ではまだまだエレベーターが整備されていない場所もあります。
ベビーカーに乳児を乗せていると、階段でしか移動できない通路に遭遇すると本当に困ってしまいます。周囲にエレベーターを探すか、子供とベビーカーを抱きかかえて階段を降りるか、誰かに助けを求めるか、悩ましい選択肢ばかりです。
経験上、小さな子供2人とベビーカーを抱きかかえて階段を降りるのは極めて難しいです。上の子が手を放しても大丈夫な年齢(4歳以上?)なら何とかなりますが、3歳以下だと積んでしまいます。
そうした場所があると分かっているのであれば、ベビーカーではなく抱っこ紐を使って外出したでしょう。
被害に遭った親子連れは駅員にサポートを求めました。子供2人とベビーカーという状況であれば、当然の判断です。
ここで何故か駅員は乳児をベビーカーに乗せたまま運び降ろそうとしてしまいました。駅員は社内規定違反に気づかず、そして母親も見落としてしまったのでしょう。
危険な行為であっても、乳児がベビーカーと紐で固定されていたら簡単には落ちません。頭が下になってしまうと抜けてしまいますが、足が下にある限りは大丈夫です。
しかしながら、紐で固定されていなければ、足が下にあっても運ぶ際の振動で滑り落ちてしまいます。
特に冬場は毛布やコート等といった滑りやすい素材で来るんでいる事が多いでしょう。紐で固定していなければ、歩道を押して歩いていてもずるずると滑ってしまいます(経験があります)。
落ちた乳児は大声で泣き叫んだでしょう。だが、駅員にサポートを頼んだ立場からは責任を追及して非難するのは難しいです。外傷さえなければ、「大丈夫です」と言って立ち去る気持ちは分かります。特に急ぎの用事があれば尚更です。
「恐らくは大丈夫だろう」と思って現場を離れても、恐らくはその後も泣き続けたのでしょう。所用を済ませて帰宅してからも様子がおかしく、家族から「明日、病院で診てもらった方が良い」との声もあったと思います。
翌26日に受診したら頭部の骨折が判明し、入院して精密検査等が行われました。
この事故からの教訓は「ベビーカーに乳児を乗せたまま運ぶのは御法度」です。社内規定云々以前の話です。紐で結んであっても危険です。
JRや鉄道事業者にお願いしたいのは「エレベーターの整備」です。大阪市内でもエレベーターがない駅が少なくありません。ベビーカーや車椅子で移動できず、困っている方は本当に多いでしょう。
エレベーターの整備は徐々に進んでいますが、まだまだ不十分です。駅員にベビーカーの運搬を依頼せずに済むのが一番です。