2021年が明けて4日ほどが過ぎました。今年は帰省せず、大阪の一角でのんびりと過ごしています。
初めて気づいたのですが、年末年始に帰省を見送ると本当に楽ですね。交通機関のチケット・荷造・帰省土産・お年玉・ラッシュ時の移動・実家での気遣い・親戚回り等をせずに済みました。来年以降も帰省を見送りたいぐらいです。
さて、今年はどんな1年になるのでしょうか。少し考えてみます。
新型コロナウイルス
昨年から引き続いて最も懸念されるのは、新型コロナウイルスです。学校や保育所等でも感染予防対策に注意する1年になると感じています。
2月下旬から日本国内でワクチン接種が始まる見込みとも報じられています。が、当初は医療従事者・高齢者・基礎疾患を有する方が優先されます。
子育て世帯に順番が回ってくるのは当面先、恐らくは年後半~年末になるのではないでしょうか。
となると、今年早々に学校や保育所等でコロナ禍以前の様な生活に戻るには早過ぎます。少なくとも今後1年、そして恐らくは来年度末(2022年3月)までは子供達もコロナ予防に重きを置いた生活を過ごさざるを得ないでしょう。
学校や保育所等でも昨年と同じ様な制約を受ける可能性が高いです。
密を避ける、換気を徹底する、給食は向かい合わせにならない、マスクを着用する、家族が体調不良/PCR検査を受けたら子供も休む、第三者の出入りを制約する等は継続せざるを得ないでしょう。夏祭り等の地域行事も難しいでしょう。
その反面、この1年の知見を活かして「問題が無い」と判断される活動もあるでしょう。先生方がしっかり指導している限り、遠足や旅行等は問題ないと感じています(宿泊部屋を小分けにする必要はあるでしょうが)。
現在の感染者数から急増しない限り、大阪では卒業式や入学式・入園式等も行えそうです。体育館や講堂でも喚起を徹底し、全ての出席者が検温し、マスクを着用していれば感染拡大を防げるでしょう。残念ながら行事後の懇親会はナシですね。
公園等で感染が広がったという話も聞きません(実際にはあるかもしれませんが)。マスクを着用し、手指消毒や手洗いを徹底する限りは大丈夫なのでしょう。
ただ、子供と一緒に公園へ遊びに行くと、マスクを着用せずに大声で遊んでいる親子や小中学生を頻繁に見かけます。看過できない衛生意識の差です。対人距離で小さくなる公園では、小学生以上はマスクを着用して欲しいです。
難しいのは複数のクラスターが発生した部活動や合唱ですね。特に部活動は子供の進路に直結してしまいます。危険を承知で実施するか、リスク回避を第一に考えて避けるか、難しい判断に迫られるでしょう。
保育所申込数の減少、新設の難航
大阪市の保育事情においては、申込数の減少と保育所等の新設難航が広範な影響を及ぼしそうです。
第14回大阪市待機児童解消特別チーム会議で配布された資料に詳しく掲載されています。
2021年4月の新規入所申込において、1歳児を除いて申込数が減少しました。昨年度以前とは全く異なるトレンドが現れています。
減少した主な理由はコロナ禍による雇用減少・家庭保育の継続に加え、幼児教育・保育の無償化によって申込数が急増した昨年度の反動が考えられます。
コロナ禍の影響は今後も続くと思います。特に大阪経済の少なくない割合を占めていたインバウンドがすぐに回復するとは思えません。
飲食業や観光業の雇用はすぐには回復せず、保育所等を利用してこうした産業で働く方も以前の水準にはなかなか回復しないでしょう。
大阪市は各区毎の入所枠不足数に応じた新規施設の整備を進めています。
ただ、今後数ヶ月に渡って開所する施設は、予定を大幅に下回ります。春先までは不動産市況の高まりによる建設資材の高騰が、そしてその後はコロナ禍によって建設工事が滞り、新規開所を控えようとする動きも顕在化しました。
2021年4月1日までに開所する施設において「1783人分以上の入所枠を確保」とありますが、大半は2021年3月までに開所した施設です。2021年4月に開所する施設は、例年と比べて半分程度に留まっています。
2022年度の新規施設は、北区で保育所5か所、中央区で保育所3か所、鶴見区で保育所2か所・地域型保育3か所が目立ちます。
ただ、各区の入所保留児童数と比べると、港区・西淀川区・淀川区・福島区・東淀川区・住吉区・阿倍野区は不足感が強いままだと考えられます。
また、建設予定があったとしても、公募に応募する事業者がどれだけいるかも分かりません。
これまでの様に右肩上がりで保育所等が増加する時代は徐々に終わっていくのかもしれません。
学力強化、適性配置
大阪市の小学校関係も動きがありそうです。大阪都構想が否決され、大阪市としての教育方針が再び動きだすでしょう。
特に重点が置かれるのは、「学力強化」と「学校の適正配置」でしょう。いずれもここ数年の流れを引き継いだ物です。
コロナ禍によって学力は二極化してしまいました。それぞれに応じた指導を行い、大阪市の子供の学力を引き上げるのでしょうか。
お世話になっている学校では、1月に行われる経年テストに向けた対策を行っている様子です。上級生の保護者の方が「学校でテストや宿題が多くて、子供が大変そうだ」と零していました。
他の家庭の様子等を見ていると、子供の学習内容に興味を持って関わっている家庭とそうでない家庭に二分化されていると感じています。
極端な例ですが、「子供には家業を継がせるので、学校の宿題はやりません」と公言している保護者もいると風の噂で聞きました。
適正配置も動き出しそうですね。学校活性化条例改正案は成立しましたが、事実上野ざらしにされていました。コロナでそれどころではありませんでした。
先日、関西ローカルの深夜番組で「御幸森の子どもたち」が放映されていました。統廃合される大阪市立御幸森小学校を取り上げた番組です。
「今年、最後の御幸森やし、いろんな人に地域のことを知らせたい」、こう語ったのは大阪・生野区にある市立御幸森小学校の6年生。コロナ禍の中、生野を紹介する催しに積極的に参加していました。御幸森小は来春、中川小学校と合併、100年近い歴史に幕を下ろします。戦後2000人以上の子どもがいた大規模校はいま全校児童わずか77人。4年生のクラスは9人です。特色ある国際理解教育を誇り、大阪市初のユネスコスクールでもあるのに…保護者も地域も複雑な思いです。
御幸森では在日の子どもたちが放課後に学ぶ民族学級(国際クラブ)の活動もさかんです。その最後の発表会に向け休み時間も返上して練習に励みます。毎年、保護者や地域の人たちに元気を与えてくれる発表会。「最後なんて想像しただけで涙がこぼれる」、役員を務める母親は話します。
生野区の西部地区は現在、12ある公立小学校を4つにする計画が進んでいます。地域の衰退を加速させる、と「統廃合」に反対する人たちもいます。大阪市内を見渡せば公立学校跡地が商業施設になり、タワーマンションに様変わり。その一方で統廃合後に過密化し増設工事で校庭が狭くなる事態も生じています。少子高齢化の波はさらなる地域格差を広げるのか、公教育が直面する課題にも向き合います。
最も優先度が高い(児童数120名未満)とされるのは、西中島・敷津・生江・森ノ宮・北津守小学校です。
まずはこれらの小学校を中心とした適正配置(事実上の統廃合)が行われていくのでしょう。