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(追記)
第31回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議の会議資料・動画等を掲載しています。
【コロナ・重要】12/3大阪府感染者は386人、大阪モデル「赤信号」で外出自粛・営業時短延長要請へ
https://yodokikaku.net/?p=38697
具体的に行うのは「外出自粛・営業時短延長要請」のみです。緊急事態宣言等には程遠いです。
大山鳴動して鼠一匹という感想です。拍子抜けしています。これで収まれば良いのですが。
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「起こる筈がない」と楽観視していた事態が起ころうとしています。
新型コロナウイルス感染症による重症者の急増を受け、大阪モデル「赤信号」(レッドステージ)が今日12月3日にも灯ります。
【独自】大阪モデルの「赤信号」初めて点灯へ 重症病床使用率63.6%と深刻な状態
大阪府は自粛要請などの独自の判断基準となる大阪モデルの「赤信号」を12月3日にも初めて点灯させる方針を固めたことが、MBSの取材で明らかになりました。第一波の襲来以来、大阪はもっとも深刻な医療危機を迎えています。
大阪府では、12月2日に427人の感染が確認され、重症病床の使用率は63.6%と深刻な状態となっています。
大阪府は自粛要請など独自の判断基準となる「大阪モデル」を緑・黄・赤の3段階で作成していて、赤信号の基準となる重症病床使用率70%以上に接近しています。さらに重症者用の病床を担当している看護師が不足していることから、大阪府は大阪モデルについて医療崩壊の危険を示す赤信号を、12月3日にも初めて点灯させる方針を固めました。
赤信号が点灯すると、府県をまたぐ人の移動の自粛要請やクラスターの可能性のある施設の休止要請などをすることになっていますが、具体的な対応については、12月3日午後にも緊急の対策会議を開き、話し合われる予定です。
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20201203/GE00036042.shtml
大阪府の吉村洋文知事は3日、新型コロナウイルスの感染状況などを判断する府の独自基準「大阪モデル」について、非常事態を示す「赤信号」を点灯させる考えを明らかにした。赤信号の場合、府民への外出自粛要請や一部施設への休業要請などを検討することになっており、府は3日夜に対策本部会議を開き、具体的な要請内容などを決める。
吉村氏は「陽性者が右肩上がりに急拡大している状況ではない」としつつ「重症者は後から増えてくる。赤信号の基準に達する状況だと思っている」と述べた。一方、大阪市の松井一郎市長は記者団に「医療崩壊を何とか防ぐ必要がある。(大阪府外との)不要不急の往来は我慢してほしいということになる」と述べた。
「赤信号」は緊急事態宣言に相当するものです。経済活動等に大幅な制限を加え、病床の逼迫度を和らげるのが目的です。
昨日までに大阪府内の重症病床使用率は約64%に達しています。実運用ベースだと約81%です。本来ならば入院するのが望ましくてもすぐに入院できず、自宅療養者や入院調整中の患者が急増しています。
http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/corona_model.html
医療崩壊の足音が
通常の医療にも支障が生じ始めています。
【特集】新型コロナ 医療体制逼迫の大阪府…重症患者を受け入れている「大学病院の今」を緊急取材
https://news.yahoo.co.jp/articles/84205b5d9a8be8d1188087697dc05c77dc0e8230
大阪市コロナ専門病院「もたない」 看護師14人が退職
https://digital.asahi.com/articles/ASND233XJND1PPTB004.html
「医療の砦」崩壊寸前 コロナ専門病院の苦闘
https://digital.asahi.com/articles/ASND23449ND1PPTB009.html
外出・府県間の移動・イベント自粛へ
赤信号が点灯すると何が起こるのでしょうか。大阪府の資料に対応方針が掲載されています。
具体的に想定されるのは「クラスター発生施設等への外出自粛・休止」「府県間移動の自粛」「高齢者や基礎疾患を有する者の外出自粛(既に実施中)」「自治体主催イベントの自粛」です。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00367104/shiryo2.pdf
外出自粛の方向で検討が進められています。これでGoToトラベル継続だったらおかしな話です。
大阪府赤信号なら外出自粛要請へ
大阪府の吉村知事は、新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制のひっ迫の度合いが強まっているとして、3日夕方に緊急の対策本部会議を開いて、「大阪モデル」で「非常事態」を示す赤信号を点灯させるかどうか、検討する考えを示しました。
これを受けて大阪府は、赤信号を点灯させる場合は、府民に対し、今月15日まで不要不急の外出の自粛を要請する方向で最終調整に入りました。
この間に行われる様々なイベントを予定通り決行するか中止にするかの選択を迫られそうです。特に各種興業は深刻ですね。
学校活動も一部制限へ
学校活動も制約される恐れがあります。具体的には「分散登校・短縮授業・オンライン授業の実施」です。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00367104/shiryo3.pdf
校内での感染拡大が概ね抑制されている小中学校とは異なり、高校ではクラスターやそれには至らない校内感染が散発しています。まずは高校での分散登校等が行われるかもしれません。
また、小中学校でも学校活動を更に留意するように呼びかけられるでしょう。レッドステージでは感染リスクが高い活動(近距離での活動、合唱や管楽器演奏等)を実施しないとされています。合唱コンクールは無条件で中止ですね。
実は学校でのクラスターも続出しています。先日に「【コロナ】大阪府内の学校・児童施設でクラスター相次ぐ、運動部・サークル・会食・旅行にリスクが」でお伝えした以外にも、昨日は東大阪市・八尾市の学校でクラスターが発生したと発表されています。
第1波の時のような一斉臨時休校は行われないでしょう。効果は限定的でしたし、吉村知事は「学校教育の継続」を重視しています。松井市長も「学校で大規模な感染は起きていない」「一斉休校は考えていない」と発言しています。
保育所等や幼稚園は変わらずに開所されるでしょう。ただ、保護者も参観するタイプでの学芸会は難しいかもしれません。取りやめ、園児のみで開催といったケースも生じるでしょう。
GoTo関係はより広範な地域で中止となるかもしれません。トラベルで感染が拡大する事例は決して多くありませんが、これで外出を奨励されて間接的に感染を拡大させる効果があったのは否定できません。
「平日はテレワークや分散授業、でも週末や年末年始はGoToトラベルで遊んで欲しい」というのは支離滅裂な方針です。緩んで遊び回る人と引き締めて自粛する人で二極化してしまいます。
居酒屋等への深夜営業自粛要請も強化されるのではないでしょうか。現在は大阪市北区・中央区のみが対象とされていますが、市内他区やクラスターが頻発している大阪市隣接自治体(堺市・東大阪市・吹田市・豊中市等)にも広がる恐れがあります。
ただ、松井市長は「要請エリアを広げる考えはない」と発言しています。それで済むのでしょうか。
期間も延長する方針です。12月11日で収まるはずがありません。仮に今日の発表で期間延期が無かったとしても、来週には延期が発表されるでしょう。
大阪・北区と中央区の酒類を提供する飲食店などを対象に、今月11日までとしている営業時間短縮の要請についても、さらに数日間、期間を延長する方向で検討を進めています。
数日間の延長で済むとは思えません。再延長が繰り返され、居酒屋等での忘年会・新年会商戦は絶望的です。
GoTo・ハロウィン・住民投票による雰囲気の変化、東京都の違い
大阪で感染が爆発的に広がったのは、GoToイート・トラベルに加えてハロウィンや大阪都構想住民投票による「雰囲気の変化」が最大の理由だと感じています。
様々な外出促進策やイベント等を通じて「以前と同じ生活を送って差し支えない」「自粛は面白くない」といった機運を醸成し、その結果が今に至っているのでしょう。
同じ様に感染者が増加している東京都の違いは「感染者に占める高齢者の割合」です。東京の感染者は20代が突出していますが、大阪は20代から80代に掛けてなだらかに減少しています。
12月2日における感染者に占める高齢者(70代以上)の割合は東京が14%に対し、大阪は22%にも上っています。同日の感染者数は大阪の方が少ないにも関わらず、50代以上の感染者は大阪が上回っています。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/corona1119.html
その最たる理由は医療機関や介護施設等でのクラスターの多発です。大阪で多発している理由は不明です。感染経路は医療・介護従事者、入院患者、見舞客に限られるのですが。
本日18時の本部会議で正式決定
赤信号の点灯、及び要請等を決定する第31回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議は18時から行われます。
第31回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議の開催について
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=40024