ラジオで非常に興味深く、そして聞き入ってしまった特集があったのでご紹介します。
つい先日、放送時間が夜22時から昼15時半へ移ったTBSラジオ「荻上チキ・Session」にて、「コロナ以後、社会をどう設計していくか?~コロナ禍で急激に変化した働き方をきっかけに、女性の働き方、少子化対策を考える」という特集番組がありました。
コロナ禍による休校中の体験や子育て世帯の声を軽視する社会構造に共感する部分が多く、ついつい心の中で「そうだそうだ、大変だったんだ!」と呟いてしまいました。
ぜひ知って頂きたい思い、特集の要旨を書き起こしました(太字部は特に共感した部分です)。
なお、過去の放送を含むは番組ホームページから聞けます。より詳しい内容を知りたい方は、ぜひ番組アーカイブから過去の放送を聞いてみて下さい。
・今日は改めて女性の働き方そして少子化対策について専門家の方と考えます。
・危機になるとTwitterとかで風刺画像が出回る、偉いさんが考えるステイホームと実態の2コマ漫画、優雅にお茶を飲んで犬を撫でながら家で働く姿が偉いさんの考えるリモート、実際は子供のお昼ご飯、学校の問題に対応、パジャマ姿で顔だけ整えてリモート、
・ゲストは社会学者の國學院大學・経済学部教授の水無田気流さん、日本総研調査部上席主任研究員の池本美香さんです。
・コロナでワークとライフのバランスが壊れてしまった。
・保育育児をめぐってこの半年間は激動だった、一斉休校で学童がどうなるのか、4月からの保育所探し、混乱も大きかった。
・子供預からなきゃいけないと思ってた先生が保育って何なんだろうって立ち止まって考えてる機会にもなった。
・保育する人数が絞られ、少人数で短い保育だと先生も子供もハッピーではないか。国際比較では日本の保育一人当たりの先生が見れる人数多く、保育時間も長い。
・日本は3~5歳児は保育士1人で30人保育(※3歳児は20人まで)、海外視察先は8人だった、実際には保育園が保育士を追加している。
・スウェーデンでは5時が最後のお迎え、日本の保育所にビデオで見せるとはーって溜池、誰も5時に迎えに来ない
・企業の働かせ方に問題がある。長時間労働の親の子供をがっちり預かるのが前提だからこんなことになってる。
・狭い空間で、窓も開けられず、それを海外の方が見ると人権侵害じゃないですかって言う感想を聞いてる
・預ける親についていってるなくてその社会の方がしわ寄せを親に与えてしまっているので結果として保育のニーズが存在する
・結局今の無茶な働かせ方にケアワークを無理くりつけている
・親も保育園がなくなっているので働けません、と言えなくなっちゃう。いま11時間が標準。子供大変、親も大変、保育士も大変。
・長時間労働と長時間保育が相互にインフレしている。
・産後の再就職に不安があるというメール。子供がいて雇ってくれるか、育児休業等は一定期間働いてからでないと取得できない、非正規だと所得が減り、出産育児を控える、悪循環。
・多くの女性が再就職等を諦めてしまっている。
・妊娠出産や育児等のコントロールできない物を優遇する社会制度とすべきだが、社会制度に合わせるのが実情、ジェンダーバランス企業にとって使いにくい人材となってしまう。
・女性の人の良さに社会がフリーライドしているが、当の女性はあまり考えない
・この問題を構造的に解決せず、個人の問題として抱え込んでしまう人があまりに多い、メールを聞いてて切なくなる、謙遜は現状維持に繋がってしまう
・日本の女性は大人しい、物を言う女性ははしたないという考え。
・保育の問題も横に繋がれない、どうしたらいいのかなってあの私も悩んでる
・育児負担等が全て女性にセットで付いてくる、誰でも働き続けられる制度設計を。
・個人の能力よりケアワークを必要としている家族の有無が重視されてしまっている。
・普通のおじさんでいるのが難しい社会、名刺を置いて立ち去る
・バリバリのビジネスマンが妻の長期入院で一線から外されたり、子供2人見ながら働くの難しいから閑職に回された
・家族介護の3人に1人は男性、ケアワークの担い手が椅子取りゲームになっている、普通のおじさんを標準労働者としてやっていくのが難しい。
・経団連調査、企業の男性育児休業の義務化に対してはほとんどの企業を反対をしている
・男性労働者が在宅仕事が楽なところもたくさんあるが、大変なところはもう1人のケアパートナーである女性に押し付けていた
・ミドルクラス以上の男性たちが実害を被らないと社会は変わらない
・影響が大きかったのは休校、子供が小学校卒業する時、卒業式も全部一切なくなった、4月から中学校入学してもずっと休校
・オンライン授業が上手くいっている実例もあるが、中学生の子供が自主的に勉強する筈がない。偉いさんにはそれがわからない。尻を叩く親がビシバシやらせて何とか、ヘトヘト。
・落合恵美子先生の調査、リモートでどこに大変だったのか、子供がいる女性たちは4割以上がやっぱり家事育児なんか大変に、男性は15%位、オンライン生活でむしろ幸せに。
・そもそも日本の女性は男性より5倍の時間を家事に費やし、家事育児介護分の無償労働まで母親が実質的にはやんなきゃいけないってすごい大変
・学校から貰ってきたプリントや教材をやらせる手間まで母親が実質的にはやっている。凄い大変。学校から丸投げ。
・プリントの有無、訪問の有無、先生の応援の有無、学校による違いもあった
・ニュージーランドの学校はしっかり支援してくれた、日本は親が全て。
・図書館が閉められた、開けて欲しいとでんわも。公園も閉められた。給食もなし。
・日本女性に対する家事育児の要求水準は高い、支援は最低。
・子供が宿題をやらないと親に罪悪感、やらない子供が悪いが、やり方も教えられていない、やる気にさせるのも大変。
・日本の教育が通学中心主義、不登校に対する準備があれば、オンライン教育の準備もスピーディーだったのでは。
・休校で不登校の大変さが共有された、オンラインでのコミュニケーション、教育成果を考える切っ掛けに、
・日本はチェンジコストが過大に見積もられている、リスクを負って変える人に報酬やリワードがない。
・メール、ママになったら謝ってばっかり、妊娠中体調が悪くてごめんなさい。産休でごめんなさい、産休明けに体調崩して帰るときにごめんなさい、ベビーカーで電車乗る時通る時ごめんなさい、子供が泣いてごめんなさい、謝るためにお母さんになったわけじゃない。
・負担を分かち合い、働いていて納税しているお母さんにもう少し優しくして欲しい。
・メール、専業主婦でも巣ごもり時期は大変、昼食や課題で大変だった。学校が始まって安心、でも主人がテレワークで昼食作りは変わらない。
・性役割分業でコロナ禍で明らかに、むしろ加速した
・少子化対策ですべきなのは、若い人が子供を産み育てやすい社会を考えるべき、規範的家族像へ押し込める、婚活支援しても子供を産むわけでは無い、柔軟な家族を認めるべき
・日本は出産と同居開始と法律婚が同時、ガラパゴス。
・出生率が回復している国は出産、同居開始、法律婚のタイミングがバラバラ、スウェーデンの女性の平均初婚年齢が31歳ですけど平均第1子出産年齢29歳
・産む人たちが生活しやすいライフコースを立てやすい社会制度、出産育児と言う自然に関することを最優先、その後に社会制度ができていくべき
・社会から規範的母親像を求められすぎている、ハードルを下げていかないと少子化に歯止めがかからない
・科学的な効果と当事者が何を求めているかっていうことが軽視されてきた
・少子化対策で当事者の声を全然聞いてない、声を上げる場が無い
・保育園や学校で「何かご意見ありますかって」て絶対聞かれない。
・もっとこうしたらどうかとか思ってても、親として要求する場がない
・地域子育て支援会議で親や子供の意向を反映すると言ったが、全然。
・子供の権利や人権が軽視されている、子供の意見を聞くとか差別してはいけない、体罰禁止されたのが去年
・日本は子供が声を上げられないの、虐待が見えない、どんな状況でも産んでも幸せになれる姿を
・自粛警察と言う言葉が流行りましたけど、それ以前からお母さんたちは取り締まられてきた、ママポリの圧力が半端ない
・ポテサラ論争(スーパーで買っていたら通りすがりのおじさんに母親ならポテトサラダぐらい自分で作れと言われたって言うケース)
・化粧して子連れだとチッ、子供が五月蠅いと怒鳴られるのは普通、子育てフォーラムで子供がぐずったら高齢者に怒鳴られた、地方の条例作る場でもおじさまが主役
・地域のソーシャルキャピタルの担い手は小学校中学校に通わせて子供を通わせているお母さんたちが1番
・お母さんたちが負担してるのに意思決定の場にいない
・メール、25歳の娘はリモートが快適、駅や電車内で女性が不愉快な目に会うことが無くなった、リモートが続いて欲しい。
・社会のリスクを下げ、生きやすい状況をつけ、オプションを増やして選択肢を拡充して欲しい。
・時間の使い方をもっと柔軟にして欲しい、もっと当事者の意向を反映して欲しい、枠にはめることに疲れきっている
・審議会の半分は女性にする等、制度作りのメンバーを考えて欲しい。
・時間空間マネジメントは重要、実質的に働く自由がない、ケアワークを妻に丸投げして働くおじさんが標準型、それ以外はイレギュラー。
・夫婦共同課税を止めてスウェーデンは変わった、日本は家事代行等の控除制度が無い。
休校中の学校からは、最低限の支援があったと感じています。
休校直後の学校は何をすれば良いのか分からなかったのか、一種のパニック状態に陥っていました。何も動きがありません。
学校が動き出したのは休校期間が延長される頃でした。多くの家庭から「何とかして欲しい」という声が殺到したのでしょう。
少しずつですが卒業式や終業式の実施、学校施設の部分開放、学習プリントの配布、家庭訪問、一時預かり等が行われました。
でも、家庭で子供の相手をするのは親でした。宿題をやらせるのは一苦労、3食作るのに疲れ果てました。
学校再開後には、休校中に親がしっかり勉強させた家庭や子供が自粛的に勉強した家庭に対し、あまり勉強しなかった子供の差が顕著に現れていると聞きました。
学校からの丸投げに対応出来た家庭とそうでない家庭との違いでしょうか。学力差が取り戻すのが難しいほどに大きくなっている様子です。禍根を残しそうです。
社会制度やルール等を定める場に女性は本当に少ないですね。同時に子育て世帯も少ないです。
お世話になっている学校のPTA役員は母親が大半ですが、不思議な事に会長は男性、地元で生まれ育った地主や自営業者が望ましいとする不文律があります。
区役所が主催している子育てや地域活動系の会議の出席者も大半が男性ですね。特に地域活動系は地域活動協議会長の充て職となっていて、高齢男性のサロンになっています。
となれば、子育て等に関する当事者の声はなかなか行政に届きません。会議の場に少数の当事者がいても、思い切った意見を述べられる空気では無いでしょう。
子育てしにくい社会、子育て世帯や若年層の意見が通りにくい社会であれば、少子化が進むのは当然です。
大阪市内で真っ先に問題だと感じるのは、公園の少なさや狭さ、そして路上喫煙ですね。
子供を遊ばせられる公園は本当に少なく、そして狭いです。小学生がボール遊びをする事すら難しい環境です。遊具もありません。電車に乗って郊外の公園へ遊びに行く事も多いです。
この問題がクローズアップされたのは休校期間中でした。校区内の数少ない公園に子供が密集し、密で遊べなくなってしまいました。
学校の運動場を開放して欲しかったのですが、校内でのコロナ感染拡大を恐れて閉まったままでした。何の為の休校なのか、大阪市へ強い不信感を抱きました。
路上喫煙も酷いですね。ベビーカーを押している真横でも平気で喫煙しています。飲食店内での禁煙により、路上喫煙が却って増えてしまいました。
中心部に限らず、大阪市内全域を路上喫煙禁止に指定して欲しいぐらいです。路上喫煙は子育ての大敵です。
乳幼児や子供の入店を拒否する飲食店の存在は諦めています。拒否するのは店毎の自由ですが、その旨は店頭に掲示して欲しいです。入ってから「子供はちょっと」と言われると辛いです。
なお、乳幼児や子供の入店を拒否する店は、子供が大きくなっても恐らくは行かないでしょう。子育てしている間に足が遠のいてしまいます。
通い続けるのは、小さな子供でも拒否せずに気を遣ってくれたお店です。子供も徐々に大きくなり、1人前のメニューを食べる様になりました。
他にも言い出したらキリがありません。もっと広い家に住みたいとか、5,000兆円欲しいとか。
楽しく子育てが出来る社会が早く到来して欲しいですね。現状は私的な負担が重すぎます。
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