コロナウイルス、国立感染症研究所より
学校休校が長期化しています。再開できたとしても、「詰め込み教育」は避けられない見通しです。
そこで、一部の知事や政党等が「9月入学への移行」を主張しています。
宮城 村井知事 9月入学制を他県知事に提言 新型コロナ対応
全国17の県知事で作る政策提言グループのWEB会議が行われ、宮城県の村井知事は新型コロナウイルスの影響で臨時休校が続いている学校について、入学や新学期の開始を9月に延期すべきだとの考えを改めて示しました。会議では「9月入学制の導入を含めた抜本的な対策の検討を政府に要請する」とのメッセージをまとめ、29日の全国知事会の会議に提案することになりました。(中略)
入学時期や新学期の開始時期を9月に変更すべきだという声があがっていることに関連し、東京都の小池知事は28日夕方、動画投稿サイトの「YouTube」で配信した動画の中で、「世界的にも、9月にスタートというのは多くの国々がやっていて、グローバルスタンダードだ」述べました。
そのうえで「混乱もするが、一方で今、混乱しているわけで、だったらこのパラダイムシフト、大きく変えるきっかけになると思う」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012409571000.html
9月入学への制度変更を 国民民主・維新が提言
国民民主党は27日、学校の入学や始業時期の9月への移行を検討するワーキングチームの初会合を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大で学校休校が長期化するのを機に、米欧など主要国で一般的な9月入学への制度変更をめざす。日本維新の会も同日、同様の提言をまとめた。
国民民主は小中学校や高校、大学を主な対象に、新学期の開始を9月にずらす想定で議論を進める。27日の会合で9月入学への制度変更の時期について(1)2020年9月(2)20年度を延長して21年9月――の2案を軸に検討すると確認した。(以下省略)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58530980X20C20A4PP8000/
「9月入学にチェンジを」大阪府知事らが政府に提案へ 文科省も“可能性”に言及
「グローバルスタンダード・グローバル基準に合わせていく。文科省が最終判断することになると思いますが、僕は是非9月入学、9月学校の開始というのに、今この状況でチェンジすべきじゃないかなと。」(大阪府 吉村洋文知事・4月27日)
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20200428/GE00032779.shtml
9月入学導入に「大賛成」大阪・松井市長
https://www.sankei.com/life/news/200428/lif2004280069-n1.html
萩生田文科相も「一つの選択肢」と受け止めています。
“9月入学”「社会全体で共有できるか課題」文科相
これについて萩生田文部科学大臣は記者会見で、「こういう事態が生じたときから、省内では考えていかなければならないテーマとして、さまざまなシミュレーションはしてきている。確かにメリットはいろいろある」と述べました。
一方で、萩生田大臣は「文部科学省だけで完結する問題ではなく、社会全体に影響を及ぼすもので、各方面との調整が極めて必要な案件だ。本当に社会全体でこのスケジュール感を共有できるのかどうかという課題がある」と述べました。
そのうえで、萩生田大臣は「今は、なんとか一日も早い学校の再開に向けて、しっかりと学びの保障ができるように各自治体、各学校と努力をしていくことに注力をしたい」と述べ、休校中の家庭学習の支援に取り組む考えを強調しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012408711000.html
更に安倍首相も「検討していきたい」としています。
安倍首相、9月入学「前広に検討」 補正予算案、午後に衆院通過
2020年04月29日09時28分
安倍晋三首相は29日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、学校の入学・始業時期を9月とする案が出ていることに関し、「大きな変化がある中において、前広にさまざまな選択肢を検討していきたい」と語った。国民民主党の玉木雄一郎代表への答弁。
一方、与党からは慎重な声が多いです。
菅官房長官は、午後の記者会見で「社会全体に大きな影響を及ぼすものであり、まずはICTなども活用した家庭学習などの取り組みをしっかり進め、子どもたちの学習機会の保障を図っていくことが重要だ」と述べました。
また、学校の再開については「状況の推移を見つつ、専門家の意見を聞きながら文科省が検討していく」と述べました。
自民党の森山国会対策委員長は、記者会見で「入学も卒業も時期が違ってくることになり大きな変化なので、よく議論しなければいけない」と述べました。
自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「9月入学にすると半年間留年させるのと同じことになる。いろいろなコスト負担も出てくるので、本当に社会的に耐えられるかだ。それよりも、オンライン授業で当面の対応をしっかりと行い、緊急事態宣言が解除されれば、遅れた分は夏休みを使いながら授業回数を確保していくべきだ」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012408711000.html
一部の首長も否定的です。
(千葉市の熊谷市長)
「9月からにすれば国際的な教育期間と合わせられるじゃん!」みたいな安易な思い付きを外に向けて発信することには慎重であるべきです。https://www.facebook.com/toshihito.kumagai/posts/2990532827682872
兵庫県の井戸敏三知事は二十八日の記者会見で「コロナ対策と絡めるには飛躍しすぎだ。実現には総合的な検討が必要で、そのような主張は短絡的だと思う」と否定的な考えを示した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020042902000133.html
新型コロナウイルスの感染拡大による学校の休校長期化を受け、全国知事会で議論されている9月入学について、愛媛県の中村知事は29日、意見書を提出し、性急な導入に反対の立場を表明しました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200429-00001535-itv-l38
福田富一(ふくだとみかず)知事は29日、全国知事会がオンラインで開いた緊急対策本部会議で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い複数の知事から導入の議論が出ている入学や新学期の9月への変更について、「拙速な導入は反対する」と慎重な姿勢を示した。現在は学習機会の確保や格差解消などが最優先とし、全国放送のテレビ局を活用した授業の放映を提案した。
始めにこれだけは言わせて下さい。
唐突かつ長期化する学校休校において、政府・自治体・学校は子供の学習や過ごし方、そして子育て家庭への十分な支援を検討し、実施してきたでしょうか。
残念ながら著しく不十分です。
唐突に「9月入学」を主張されても、「そんな事を言う前に、今すぐすべき事を大至急やって欲しい」という感想しかありません。
火事場泥棒的に導入すべきで無い
9月入学のメリットは大きく2点です。「学校での学習時間の確保」と「グローバルスタンダード」ですね。
一方、デメリットも多いです。「休校期間が見通せない、地域差がある」「保育所、就職、会計年度等に影響する」「どこかの学年の人数が一時的に膨れあがる」「夏休みに大会等を行いにくい」「季節感や伝統等に反する」というのが代表的な指摘でしょうか。
私自身は9月入学は一つの考えだと思います。ただ、それには各方面の意見を吸い上げ、十分に時間を掛けて議論を行う必要があります。
コロナウイルス対応という有事に、火事場泥棒的に見切り発車で導入すべき物ではありません。
同時に強く危惧しているのは、「9月入学だから、それまで子供達に学校が関与しなくても良い」という傾向が強くなる点です。
様々な事情があるとは言え、2カ月の休校期間中における学校側からのアプローチは非常に手薄い物でした。連絡が全く無い他校と比べ、週1度程度の電話連絡があるだけが救いかもしれません。
仮に新年度の始まりが9月となると、学校と子供・家庭との関わりが更に弱くなりかねません。共に「9月から授業をしっかり行えば良い」と考えてしまいませんか。
長期に渡る休校で最も大きな犠牲を強いられた1人が子供達です。
学校・幼稚園・保育所等に登校・登園し、多くの同年代と共に遊んで学び、社会経験を培う機会が消滅してしまいました。現在は「家庭への丸投げ」です。
ここで「9月入学制」を導入し、これまでの不作為を消し去ってしまう意図でもあるのでしょうか。
今必要なのは、「休校中の学びの機会の確保」と「学校再開へ向けた準備」です。9月入学でご破算にするのは安易安直です。
2020年度は「2021年4月末まで」、2021年度は「2021年5月~2022年3月末」という考えは?
学校再開後は土曜日や夏休み等を利用して授業が進められる予定です。
が、それでも授業時間が足りない恐れがあります。授業スピードを上げると付いてこられない児童が生じます。
いろいろ考えてみたのですが、「今年度に限って、年度末を4月末とする」という考えは如何でしょうか。入試日程・授業スケジューリングの緩和が主目的です。
小中学校・高等学校・大学等における2020年度を、2020年4月頭~2021年4月末までとするものです。2021年度は2021年5月頭~2022年3月末までとし、以後は従来通りに戻します。
2020年度の終わりが1カ月延びるので、休校中の授業時間を確保する為のスケジュールにはやや余裕が出来ます(それでも大変ですが)。
年度末を1カ月先送りする事によって、最も重要な入試日程等も組みやすくなります。
センター試験(共通テスト)が1月から2月へ、国公立大学二次試験が2月末から3月末(ないし4月頭)へ移せます。学校での学習時間も確保しやすくなります。
1カ月分が短縮される2021年度(2021年5月~2022年3月)も駆け足となります。中学校以上へは5月入学となります。
ただ、授業時間数は夏休み等の短縮によって取り返せる範疇に留まります(コロナウイルスの再拡大等が無ければ)。
入社時期も5月となります。この年に限って1カ月ズレますが、許容できる範囲に留まります。
保育所等や幼稚園の卒園月は3月末のままで変えません。小学校へ2021年4月に入学します。
この1カ月に限っては小学校に7学年が在籍しますが、教室数・教職員数に余裕があるので受け入れられるでしょう。小学校をバッファーとします。
あくまで思いつきレベルの話です。が、学習すべき内容を1年度内に詰め込むより、児童生徒にとって優しいスケジューリングではないかと感じています。各方面への影響も最小限で済みます。
毎日の体調管理&感染予防を
様々な報道等を見る限り、不特定ないし多数と共に過ごす(有症者が入り込むリスク)、一定の空間長時間密閉される、他人と同じ物を触れる(接触感染)、会話や食事等を行う(飛沫感染)と感染するリスクが高いと感じています。
マスクは依然として品薄ですが、楽天市場では徐々に入荷しています。Amazonでも時折入荷しています。
咳や微熱がある方は外出せず、自宅で療養するのが大切ですね。我が家は毎朝検温しています。学校や保育所等では朝の検温を義務化した方がよいかもしれません。
定期的に換気を行いたいですね。まだ寒い季節が続きますが、着込んで耐えます。
他人とは同じ物を共用せず、触れざるを得ない部分は消毒するのが効果的でしょう。手洗いを徹底し、手袋を常用するのも良いかもしれません。
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休校・休園は更に延長されそうです。多くのコンテンツがインストールされている、子供向けタブレットや電子書籍は遊びながら学べるアイテムです。
興味深い意見でした。
ただ、子供や保護者の現状への認識が甘い感がありましたので、ご意見申し上げます。
まず、9月入学希望ですが、今年度は4月~来年8月、来年度から9月入学というのが、大方の意見です。
入学からやり直すのではなく、9月から新学期としてカリキュラムの組直しをお願いしています。
>休校期間が見通せない、地域差がある
その通りです。
今はズルズルと休校期間が延ばされ、場当たり的対応を強いられているので、まずは9月までを移行期間とし、コロナ対策とリスケジューリングに集中していただきたいのです。
>保育所、就職、会計年度等に影響する
保育所、企業とも中途の出入りはいくらでもあります。
企業も半期ごとの決算を出しているところも多いでしょうし、どちらにしろ企業・行政とも今回の件で予算見直しは免れないかと思います。
>「どこかの学年の人数が一時的に膨れあがる」「季節感や伝統等に反する」
季節感、この非常時にどれだけ暢気な理由だと思うのですが。
まあ、どうしてもというなら、市井には全学年1年原級留置という意見もでております。
一時的に膨れ上がるのはおそらく来年度の小学一年生が最有力かと思われますが、9月新学期で学年1.5倍になるか、原級留置で2倍になるか、義務教育期間の見直しか、就学年齢の引き上げか、こればかりは特に長期的展望が必要な問題かと思われます。
>「夏休みに大会等を行いにくい」
今までも春休み中にも大会等行われております。
9月新学期で長期休みが消滅するならともかく、このあたりは年間スケジュールを見直すだけです。
夏の大会より春の大会の方が、選手にも応援団にも身体の負担は少ないでしょう。
>センター試験(共通テスト)が1月から2月へ、国公立大学二次試験が2月末から3月末(ないし4月頭)へ移せます。学校での学習時間も確保しやすくなります。
試験日程だけで考えるならばそうでしょうが、実際には春休みからオープンキャンパス等志望校の最終選定を行う予定でいたところが、現時点で6月まで延期、中止となっています。
実習・実験のない分野、特定の教授に師事したい等の理由で進学する場合はギリギリ間に合うかもしれませんが、実験設備等ハード面の確認には紙やオンラインの資料ではまったく足りません。
中高と異なり、遠隔地を希望する場合ちょっと一泊やそこらで見学に行ってくるような距離ではありません。
先方の都合もあります。
また、一日の授業が延び、夏休みがなくなれば、授業と志望校を天秤にかけることになります。
私自身は中3生の親ですが、自分に関わりのあることばかり主張してもいけないと思っています。9月始業・入学への賛否どちらの意見も、その方々にとっては切実なことと思います。
今年度を1ヶ月増やし、来年度を1ヶ月減らす。いままでに見かけないご提案でしたので、SNSで発信されてはいかがでしょうか。学校再開がさらに遅れると、ひと月程度では足りないかもしれませんが、社会への影響を極力減らすという意味でとてもよい案だと思いました。
1ヶ月では到底足りない。教育現場での問題点はそこだと思う。例え9月入学が決定してくれても、それまでにコロナが落ち着かなければ問題外。医療現場と教育現場は同等に大変な危機にあると思う。今できる事の論点を絞り、策を編み出すべきだが、何せ兎に角着手が遅い。
1ヶ月で2ヶ月分(またはそれ以上)の指導をするのははっきり言って無謀でしかなく生徒にとっては負担と焦りの時間を強いる事は目に見えている。
9月入学への制度改革に反対意見を出す方々の多くは、柔軟性に乏しいのでは?と感じます。
デメリットを沢山挙げておられましたが、
「休校期間が見通せない、地域差がある」
・その為に「差」を出さない為の「今」があるはずです。
「保育所、就職、会計年度等に影響する」
・勿論です。変化は影響なしでは起こりません。
かつて大正10年頃までは日本も9月入学で、明治には4月入学制度となりました。その時も、その時代なりの影響があったはずです。
「どこかの学年の人数が一時的に膨れあがる」
・謎です。よくわかりません。
「夏休みに大会等を行いにくい」
・夏休みの大会がなければ万々歳です。
熱中症の心配もなくなります。
「季節感や伝統等に反する」
・そこが全てだと感じます。柔軟性ゼロ、固執、変化を嫌う。伝統は日本人として誇れる物を、日本社会として守り、尊べばいいと思います。
オンライン授業を推す方々、そしてそれで十分だと勘違いされる方、それこそ危険なその場凌ぎに思えます。
そもそも対人ですら得手不得手の指導者も多い中、オンラインで何が進むかといえば、受ける側(生徒側のある程度の基礎力と地頭)です。
全ての国民環境がオンライン対応だと考えてもいけません。
授業は授業であって、学校できちんと不自由なく意見を交わしながらすべきで、そうしてようやく沢山の要素と人間関係を学ぶのだと思います。
言いたいのは、夏休み返上でも何でも、到底間に合わない事です。3月に休校したその日から、既に日本がオンライン授業対応だったなら話しは別です。
今後の危機的状況の為に、今こそオンラインも全国的に容易にすると検討すべきではあると思います。
9月入学制度改革を逃せば、詰め込みどころか「お伝え」授業でしかありません。単に教科書を終えるだけの無駄な時間にすら思えます。
「教える」には限度があるのだと思います。
9月入学制度改革ー実現しなければカチコチの思考と日本独特のナンセンスによって、長きに渡って日本という国に大きな影響を与える事と感じます。
今回のコロナで一番困ってるのは、受験(特に大学受験)や国家試験受験が控えている層だと思います。
熊本で震災が起こった時、その年度の熊本の受験生の大学受験の結果が良くなったのですが、これは3年生の授業が中断して、受験の準備が十分に出来なかったからと言われています。私は理系だったので良く分かりますが、中高一貫でないと、3年生でもまだ理系教科は必修範囲が終わらず、とても1ヶ月では取り戻せません。
このままだと、先取りしている中高一貫に、そうでない高校の3年生は惨敗してしまうでしょう。
また、スポーツ推薦を狙っていた子達は、インターハイが中止になり、売り込む材料が無くなって、ほとほと困っているという話も聞きます。インターハイ出来るくらいの余裕を持たせて欲しいというのが、彼らの願いではと思います。
一方、医療系など国家試験を受験するには、一定時間の実習や実技授業をこなさないと、受験資格が得られません。特に今は病院は立ち入り禁止です。これは、実際に資格取得後の仕事にも関わるので、一概に特例的に受験資格を満たす実習時間を減らす訳にもいかないです。
国家試験などがなくても、実験しないといけない理系は授業になりません。半期分の実験を1ヶ月では取り戻せません。こちらも、研究室配属までの実験実習で、その後必要となる手技を学び、研究室の内容も学べるので、無くすわけにはいきません。
このように、どちらかというと、上の学年の事情からの圧が強いと感じます。
これらは就職採用に直結してくるので、教育だけではなく、そのうち産業全体の問題として、更に議論されるのではないでしょうか。