2.保育士の配置基準及び処遇の改善
京都市の場合、国の配置基準よりも手厚い配置基準を設定しています。
【保育士配置基準】
京都市の配置基準 国の配置基準 0歳児 3人につき保育士1人 同左 1歳児 5人につき保育士1人 6人につき保育士1人 2歳児 6人につき保育士1人 同左 3歳児 15人につき保育士1人 20人につき保育士1人 4歳児 20人につき保育士1人 30人につき保育士1人 5歳児 25人につき保育士1人 30人につき保育士1人 (京都市資料より引用)
保育所の生命線は保育士です。
十分な数の保育士がいるのは児童の安全や保護者の安心感へ直結します。
京都市の配置基準は国基準より極めて手厚くなっています(太線で表示しています)。
きめ細かい保育や事故の発生予防に効果を上げるでしょう。
一方、保育士の不足が叫ばれる中、既存の保育所が保育士を吸収しきってしまい、新設保育所等で十分な保育士が集まらない心配も感じられます。
十分な保育士を確保する対策として効果を上げているのが、恐らくは平均年収の高さでしょう。
京都市の資料によると、全国の保育士の平均年収が302万8000円であるのに対し、京都市は422万8000円となっています。
全国平均の1.4倍です。
京都市における保育士の年収は全世帯の平均年収にも匹敵しています。
保育士の求人・定着率の向上に大きな影響を与えているのではないでしょうか。
3.待機児童から漏れている保留児童は発生しています
区分 25年4月1日 26年4月1日 保育所入所申込児童数 29,398 29,799 保育の実施基準に該当しない児童数 442 451 保育所入所児童数 28,378 28,868 保育所に入所していない児童数 578 480 昼間里親 74 81 小規模保育事業等 18 24 幼稚園預かり保育 - 16 特定の保育所のみ希望 392 359 待機児童数 94 0 (京都市資料より引用)
特定保育所等を希望したり他の預かり事業(昼間里親や小規模保育事業等)を利用している児童は、「待機児童ゼロ」には含まれていません。
しかし、保護者の感覚は「希望した保育所へ全く入所できず、他の施設等を利用しているのは待機児童」です。
こうした児童は一般的に「入所保留児童」と呼ばれています。
上記の表では昼間里親・小規模保育事業等・特定保育所のみ希望が該当するでしょう。
保留児童は約460人となります。
市中心部で保育所へ入所できず、訴訟を提起している方もいます。
資料を見て「大人気の御所南小学校・御池中学校かあ・・・・」と呟いてしまいました。
どの都市でも子育て世帯に人気の中心部で保育所へ入所するのは大変な様子です。