天王寺動物園(大阪市)で異常事態が発生しています。

僅か1週間の間に子供達が大好きなシマウマが事故死、アムールトラが急死、そしてコアラがイギリスへ旅立つ事が明らかになりました。

また、9月27日にはアシカが行方不明になりました(文末に追記)。

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(11/5追記)
今度は花博公園での展示を準備していたワライカワセミが行方不明となりました。翌日、元気な姿が見つかりました。

 天王寺動物園で飼育しているワライカワセミのアキーゴ(2歳・性別不明)が行方不明になっています。

 令和元年11月3日(日曜日・祝日)午前10時過ぎ、花博記念公園鶴見緑地において、「ECO縁日2019」(本市環境局主催)の本園ブースの出展準備中に、展示を予定していましたワライカワセミのアキーゴが行方不明になり、同緑地内を中心に捜索を行いましたが、未だ見つかっていません。

 本事案の発生は、アキーゴを止まり木に係留させた際に、担当職員が係留用ロープの金具の劣化に気付かず使用したため、金具が破損して外れたことが原因と思われます。

 この度、動物にかかる事故が相次いで発生していることを受け、再発防止の取り組みを行っている中で、本事案を発生させてしまったことについて、深くお詫び申し上げますとともに、今後このようなことがないよう、引き続き再発防止策に取り組んでまいります。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kensetsu/0000484701.html

 大阪市天王寺区の天王寺動物園は4日、同市鶴見区の花博記念公園鶴見緑地のイベント会場で3日に行方が分からなくなっていたワライカワセミ「アキーゴ」(2歳、性別不明)が見つかり、無事に捕獲したと発表した。

 天王寺動物園によると、4日午前7時45分ごろ、鶴見緑地公園付近のマンションのベランダにいるアキーゴを職員が発見。エサで呼び寄せるなどして、約1時半後、公園内に飛んできたところを捕獲した。アキーゴに外傷はなく、同園の動物病院で健康状態を確認する。

 イベント展示のため鶴見緑地に運ばれた後、3日午前10時過ぎ、職員がアキーゴがいなくなっているのに気付いたという。現場には脚に取り付けた係留用のロープが落ちており、金属の劣化が原因で逃げたとみられる。

 ワライカワセミはオーストラリアに生息。人間の笑い声のような鳴き声が特徴で、この名前がついている。

 同園では、今年9月にもカリフォルニアアシカの赤ちゃん「キュッキュ」が一時行方不明になる騒ぎがあった。

 同園は、「無事に見つかり、ほっとしている。動物の管理態勢について再発防止策を講じるなかでこうした事態が起き、申し訳ない」としている。

https://www.sankei.com/west/news/191104/wst1911040011-n1.html

「またか」という気持ちばかりです。

天王寺動物園の動物管理・保護体制に何らかの問題があるのは明白です。

予算不足・職員不足・士気の低下・人材育成の失敗等、考えられる原因は多数あります。

早急に原因を究明し、抜本的な対策を打ち出すべきでしょう。でなければ、同種の事故等が再発するのは明白です。

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(10/1追記)
アシカの赤ちゃんが見つかりました。元気だそうです。本当に良かったです!

天王寺動物園で飼育していましたカリフォルニアアシカのキュッキュ(0歳3か月・メス)が行方不明になっていましたが、本日10時12分動物園内アシカ池周辺の下水施設において、生存した状態で発見し保護に至りましたのでお知らせします。

キュッキュの健康状態については追ってお知らせします。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kensetsu/0000481911.html

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天王寺動物園の「ヒデヨシ」死ぬ けんかで腹刺される


https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000480759.html

大阪市天王寺区の天王寺動物園は12日、グラントシマウマのヒデヨシ(オス、27歳)が死んだ、と発表した。11日にウシ科のエランド(オス)とけんかになり、角で腹を刺されたという。これで、同園にシマウマはいなくなった。

園によると、ヒデヨシはエランドやキリンなどと屋外のアフリカサバンナゾーンで展示されていた。屋内の獣舎に移動させる際、いつもはエランドを先に獣舎の部屋に入れていたが、11日夕は雨脚が強く、ヒデヨシが先に獣舎に入りたがり、順番が逆になった。ヒデヨシが部屋の前にいるのを見たエランドが興奮して襲いかかったとみられる。

ヒデヨシは1996年に広島市の安佐動物公園から引っ越してきた。天王寺動物園の4頭のメスと計9頭の子をもうけた。今年5月にメスのナデシコが死に、最後の1頭になっていた。飼育されたグラントシマウマの寿命は約30年とされ、園の広報担当者は「長生きしてほしかった。またシマウマを見てもらえるようにしたい」と話した。

https://www.asahi.com/articles/ASM9D5V5VM9DPTIL02C.html

天王寺動物園のアムールトラが急死 7歳の「虎二郎」


https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kensetsu/0000480957.html

大阪市の天王寺動物園は16日、14年に中国・上海動物園からやってきた雄のアムールトラ「虎二郎(こじろう)」が死んだと発表した。飼育下の平均寿命は約20~25歳だが、7歳だった。解剖して死因を調べている。

園によると、16日午前9時20分ごろ、飼育員が運動場に出そうと寝室を訪れたところ、虎二郎がぐったりして動かず、獣医師が死亡を確認した。15日夕には牛肉や鶏肉など計約6キロを食べ、嫌いな生レバーを残すところも含めていつも通りだった。隣の寝室で過ごす「センイチ」(16歳・雄)との仲も良好で、飼育環境の変化や持病、体調不良の兆候もなかったという。

今西隆和・飼育担当課長は「突然のことでびっくりしている。ネコ科にしては珍しく人なつっこい性格で、子どものころから甘えん坊。みんなから愛されていた」と話した。

https://www.asahi.com/articles/ASM9J4J9YM9JPTIL00D.html

大阪唯一のコアラ、10月に英国へ エサ代の負担重く


https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000480975.html

10月中旬から大阪府の動物園からコアラが消える。府内で唯一飼育する大阪市天王寺区の天王寺動物園が20日、最後の1頭だった12歳のオス「アーク」を英国の動物園に移し、繁殖に協力すると発表した。コアラの平均寿命は飼育下で15~20歳。今回の契約は10年間のため、再び戻る可能性は低く、28日にお別れ会が開かれる。

園は1989年にコアラの飼育を始め、ピーク時の90年代には9頭いた。しかし、繁殖が難しいうえ、エサとなるユーカリの栽培費用が高く、園を管理する大阪市建設局は15年8月、コアラの飼育から撤退することを決めた。2016年からはアークだけだったが、昨年度のエサ代は年約3600万円。園の動物全体のエサ代の3割を占めていた。

園によると、今春に英国の動物園「ロングリートサファリパーク」からアークを引き取りたいとの打診があったという。オスが繁殖できる年齢に達していないため、過去に複数回の繁殖に成功しているアークを希望したという。

天王寺動物園はコアラを自然に近い環境で展示していることで知られ、根強いファンも多い。「コアラの飼育をやめないで」という声もあったが、獣医師の一人は「死ぬまで1頭でいるより、他のコアラと関わりながら生きる方が、アークにとってもコアラの繁殖にとっても良いと判断した」と話した。

https://www.asahi.com/articles/ASM9N66RGM9NPTIL01Y.html

動物好きな子供達の為、我が家ではしばしば動物園や水族館へ遊びに行きます。天王寺動物園は元より、京都市動物園・王子動物園・六甲山牧場等にも出掛けています。

アドベンチャーワールド(白浜)や自虐的なPRで有名になった姫路セントラルパークにも遊びに行きたいのですが、どちらも遠いのがネックです。

動物園の役割とは

動物園には、「種の保存」、「教育・環境教育」、「調査・研究」、「レクリエーション」という4つの役割があるとされています。

日本動物園水族館協会の4つの役割
https://www.jaza.jp/about-jaza/four-objectives

命ある動物が亡くなる事や、繁殖等の事情で他動物園へ譲渡される事はあるでしょう。しかし、この短期間で主だった動物達が次々と姿を消すのは異常です。

改革が進む天王寺動物園、方向性は正しいか?

ここ数年間、大阪市は天王寺動物園の改革に注力しています。

主だったところでは地方独立行政法人への移行(検討中)、動物園改革担当部長の公募(実施済)、そしてコアラを初めとする展示動物の削減です。

また、大阪都構想が実現した折りには、大阪府へ移管する可能性も感じられます。

天王寺動物園の「独法化」提言を報告 大阪市議会
https://www.sankei.com/west/news/180922/wst1809220021-n1.html

2013年、大阪市は天王寺動物園の改善、改革を推し進めるために動物園改革担当部長を公募すると発表。それを知った牧さんは、運命的なものを感じたという。大阪大学で研究した生物工学、官僚として培ってきた行政経験、さらに幼い頃からの動物好きが原点となった「動物園マニア」。そのどれもが後押しをして応募したところ選任され、2014年7月に動物園改革担当部長に就任、昨年4月より園長を兼務した。

http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/storyz/ou_ogob/201606_maki

【ニュース】天王寺動物園…コアラ等を補充せず&1/9夜7時半のNHK関西で特集番組

リニューアルした京都市動物園、大型動物を間近に見られる王子動物園、様々な工夫を行っている民営動物園や水族館と比較して、天王寺動物園の魅力が劣っているのは否めません。

何らかの対策を打ち出すのは賛成です。しかし、今回の様な事態が発生してしまうと、方向性の正しさを疑ってしまいます。

経営面の効率化を進めるあまり、動物の安全性や健康を疎かにしていなかったでしょうか。

また、コアラの譲渡によって年間の餌代約7400万円が削減できる一方、高い人気を誇るコアラがいなくなる事によって来訪者数が落ち込む懸念もあります。

天王寺動物園で何が起きているのでしょうか。

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(9/23追記)
コメント欄で教えて頂きました。9月11日にヤギのバターとニホンリスも亡くなったそうです。

9/11にヤギのバターとニホンリスがなくなりました。
http://blog.livedoor.jp/tennojizoo/archives/38522370.html

また、亡くなった動物たちに感謝する動物感謝祭が本日9月23日に行われるそうです。月曜日は休園日ですが、祝日なので開園しています。

動物感謝祭のお知らせ
http://blog.livedoor.jp/tennojizoo/archives/38601057.html

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(9/27追記)
「またか」という印象しかありません。今度はアシカの赤ちゃんが行方不明になりました。

天王寺動物園のアシカの赤ちゃん 行方不明

大阪市天王寺区の天王寺動物園は27日、飼育していたカリフォルニアアシカのキュッキュ(雌、3カ月)が行方不明になったと発表した。アシカ池の排水溝から下水管へ入り込んでしまった可能性があるという。

同園によると、26日夕方にアシカ池の水を入れ替えるため排水し、その後に水を補充した際、排水溝のカバーが外れていることに気づいた。

翌27日午前11時ごろ、飼育員がトレーニングのためにアシカ池に行ったところ、キュッキュの姿が見当たらなかった。前日の排水前におやつをあげたときには、池にいたことが確認されている。

排水溝は直径30センチ。キュッキュは体長約80センチ、体重8・5キロで、排水溝を通り抜けることができたとみられる。

飼育員らで下水管を含めて探したが、見つからなかったといい、同園は28日も捜索を続ける。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190927-00000612-san-soci

流されたと思われる排水溝です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190927/k10012102761000.html

大阪市ウェブサイトに詳しい経過が掲載されています。

報道発表資料 天王寺動物園のカリフォルニアアシカ(キュッキュ)が行方不明です【第1報】

令和元年9月26日(木曜日)

16時 アシカおやつタイム(キュッキュがいることを確認済)
16時15分頃 水の入れ替えのため排水バルブを開錠(排水開始)
17時40分頃 排水バルブを施錠。(水の補充を開始)排水溝カバーが外れていることに気づき排水溝カバーを付けなおした。(頭数未確認)

令和元年9月27日(金曜日)

9時10分 職員がアシカ池に到着(頭数未確認)
11時頃 キュッキュの姿が見当たらないことに気づき、動物園による園内捜査開始
11時半頃 捜索のため池の水を抜いたところ、排水溝カバーが再度外れていることに気づく
15時頃 園外下水施設の調査開始
17時頃 27日(金曜日)の調査終了。引き続き28日(土曜日)も調査を行う。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kensetsu/0000481754.html

牧慎一郎園長は「大人のアシカがいたずらで蓋を外した可能性が高い」と話しています。

同園の牧慎一郎園長は、「大人のアシカがいたずらで外した可能性が高い。園外からの下水施設は木津の下水処理施設につながっているから、どこかにいるはず。衛生環境もよくないので一刻も早く見つかってほしい」と神妙な面持ちで応えた。

同園では約30年ほど前にも、赤ちゃんのアシカが排水溝に吸い込まれたことがあり、そのときは同日中に園内のマンホールで泣いているところを発見された。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190928-00077441-lmaga-life

アシカの赤ちゃんがいなくなっているのに気づいたのは、最後に確認してから半日以上が過ぎてからでした。

既に相当な距離を流されている恐れがあります。無事に生きて見つかって欲しい、それだけです。

天王寺動物園では動物管理が適正に行われていると考えがたい事案が続いています。

コアラの譲渡は賛否両論がありますが、事故死や行方不明は論外です。

一部では「東の円山、西の天王寺がダメ動物園の双璧」とまで言われています。

(9/30追記)
9月29日になっても見つかっていません。

報道発表資料 天王寺動物園のカリフォルニアアシカ(キュッキュ)が行方不明です【第3報】
令和元年9月29日 18時34分発表

天王寺動物園で飼育していましたカリフォルニアアシカのキュッキュ(0歳3か月・メス)が行方不明になっています。(令和元年9月27日報道発表済)(令和元年9月28日報道発表済)

本日はこれまでの捜索範囲のうち、特にマンホール等の下水の流れが澱んでいる部分で、アシカが滞留可能な箇所を再度、重点的に捜索しましたが、残念ながらキュッキュを発見することはできませんでした。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kensetsu/0000481803.html

一体どこにいるのでしょうか。

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(10/1追記)
とくダネ(フジテレビ・関西テレビ系)で特集されました。牧園長へのインタビューを中心に構成されました。

牧園長の就任後に入園者数が1.5倍に伸びた一方、予算不足に喘ぐ実情を園長が吐露していました。

また、とある大阪市議は「大阪市はお金を出さない、人手不足、疲れ切っている。」と指摘していました(←予算付けするのは大阪市会の権限ですが)。