亡くなった池田詩梨(ことり)ちゃん(母親のツイッターより)
当初は母親とその交際相手による虐待で衰弱死したと報じられた池田ことりちゃんにつき、次々と新たな事実が判明しています。
それは単なる衰弱死ではなく、2人による激しい虐待や育児放棄を物語る内容です。
札幌で2歳の女の子が衰弱死した事件で、女の子の上半身の広い範囲にやけどの痕があったことがわかりました。
札幌の池田詩梨ちゃん2歳は、今月5日、栄養不足により衰弱死し、藤原一弥容疑者24歳と交際相手で詩梨ちゃんの母親の池田莉菜容疑者21歳が傷害容疑で逮捕されました。
詩梨ちゃんの体にはあざなどが見つかっていますが、捜査関係者への取材で、これらとは別に上半身の広い範囲にやけどの痕があったことがわかりました。熱湯などをかけられた可能性があるということです。
2人は容疑を否認し「詩梨ちゃんが誤ってやけどしたり転んだりした」という趣旨の供述をしているということです。
警察が先月15日に詩梨ちゃんと面会した時は目立ったけがはなく、警察はそれ以降2人が繰り返し暴力を振るったとみて調べています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190614-00000007-hbcv-hok
子供を虐待した親は、しばしば「子供が誤ってやけどをした」という趣旨の供述をします。確かに子供が電気ポットのコードを引っかけ、誤って熱湯を被る事案は皆無ではありません。
しかし、万が一そうした事態が起きたら、普通の親は即座に病院へ連れて行きます。夜間でも深夜でも。やけどは迅速に処置しなければなりません。
こどもの救急ページには、詳しい方法が記載されています。
患部をしっかり冷やしましょう!
冷やすことのメリット冷やすことで皮膚深部への熱の伝達を防ぎます。
冷やすと痛みも和らぎやすくなります。冷やす方法
流水や氷などを利用して冷やします。
熱いお風呂に落ちたなど、服を着たままの熱傷の場合には、服の上から冷やします。
最低20?30分間以上、痛みがなくなるのを目途に冷やしましょう。
*市販されている冷えるシートは、熱傷の冷却用には使えません。
私なら、やけどを負った部位を流し水等で冷やしつつ、119番へ電話するでしょう。
しかし、池田詩梨ちゃんが通院していた形跡はありません。池田容疑者や藤原容疑者が意図的に熱湯を掛けた可能性が高いと感じています。
猫の多頭飼育が崩壊した劣悪な部屋
池田容疑者と詩梨ちゃんが暮らしていた部屋からは、何と13匹の猫が見つかりました。2歳児が多数の猫と同居しているだけでも驚きです。
更に猫は飼育放棄されていました。詩梨ちゃんと同じ様に痩せ細り、全身は寄生虫やダニだらけ、室内はフンや尿で汚れていました。
交際相手である藤原容疑者の部屋も同じ環境でした。
札幌市で女の子(2)が衰弱死した事件で、母親らは、自宅で飼っていた10匹以上の猫を飼育放棄していたことが新たに分かった。室内はフンや尿で汚れた状態で、母親が不在のときは、劣悪な環境の中に女の子が放置されていたとみられている。
逮捕された札幌市の池田莉菜容疑者と交際相手の藤原一弥容疑者は、池田容疑者の娘の詩梨ちゃん(2)に暴行を加え、けがをさせた疑いが持たれている。詩梨ちゃんの死因は衰弱死で、死亡する2週間ほど前から食事を与えられていなかったほか、長期間にわたり育児放棄の状態だったとみられている。
その後の関係者への取材で、2人は、池田容疑者の自宅で飼っていた猫13匹に対しても食事を与えないなど飼育放棄していたことが新たに分かった。
猫を保護した団体の代表「(猫に)ご飯とか水を与えなかったり、汚いところに置くのは虐待。猫でもこんなにひどい状態なのに、人間はどうしていたんだろう。特に小さい子なんて」
保護されたとき、多くの猫はあばらが見えるほどやせ細り、通常の半分ほどの体重だった。体には大量の寄生虫やダニがついていたという。
池田容疑者の自宅は猫のフンや尿で汚れた状態で、詩梨ちゃんは劣悪な環境下で激しい暴行を受け、母親が仕事などで不在のときも放置されていたとみられている。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20190614-00000438-nnn-soci
札幌で2歳の女の子が衰弱死し、母親と交際相手の男が逮捕された事件で、母親の自宅から13匹、男の部屋から8匹の猫が保護されていたことがわかりました。
今月5日に池田詩梨ちゃん(2)が亡くなった後、警察から連絡を受けたネコの保護団体が、池田莉菜容疑者の自宅からネコ13匹を保護しました。いずれも衰弱していたということです。
また交際相手の藤原一弥容疑者の自宅からもネコ8匹が保護されましたが、室内は糞や尿などの異臭が充満していたということです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190614-00000012-htbv-hok
エサの管理や糞尿の始末等、乳幼児の育児をしながらペットの世話をするのは本当に大変でしょう。ましてや動き回るネコ、それも多数なら尚更です。
また、乳幼児とペットが同居するのに対して「不衛生だ」と指摘する意見もあります。住環境や衛生管理には通常以上に気をつける必要があります。
しかし、池田容疑者と藤原容疑者は多数のネコを飼いながらも飼育放棄し、エサや糞尿の始末等も全く行っていませんでした。いわゆる多頭飼育が崩壊した状態です。
池田詩梨ちゃんは、飼育放棄された猫と同じ環境で生活していました。猫の糞尿にまみれ、寄生虫やダニも付いていたのでしょう。ここまで劣悪な環境で暮らしていた乳幼児は聞いた事がありません。
ネコの臭いは非常に独特です。廊下や隣接する部屋に漂ってきます。
同じマンションに暮らしている方の中には異常に気づき、「異常に大量のネコがいるようだ」と管理会社等へ通報した人もいるでしょう。
やけどの痕やネコの臭い等は、一定の知識がある人間が見ればすぐに異常に気づく物です。
警察官からの要請に応えて児童相談所が同行していたら、少なくとも異常なネコの臭いや鳴き声に気づいた筈です。
誰もが「乳幼児と多数のネコが同居しているのはおかしい」と感じます。ましてや、非衛生的な管理状況では。
児童相談所は深刻な人手不足、これを口実に責任回避?
重大な虐待行為が行われている兆候に気づかず、適切に対応しなかった児童相談所の罪は重大です。ただ、「人手不足」という構造的な問題も抱えています。
札幌市で虐待を受けた2歳の女の子が衰弱死した事件で、札幌市児童相談所は12日、新たに児童福祉司など26人増やし、虐待への対応を強化する方針を示しました。
札幌市児童相談所は、虐待の恐れがある通報への対応を強化するため、国の指針に基づき、今後4年間で児童福祉司や児童心理司など、合わせて26人の職員を増員する方針を示しました。
さらに増員については、早く確保できることが望ましいとしました。
札幌市児童相談所 高橋誠所長:「児童福祉司12人。4年間で3人づつ、なだらかに増員したほうが望ましいと思います」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190612-00000010-hokkaibunv-hok
人員が30人近くも不足している状況が窺えます。
厚生労働省の資料によると、平成30年4月時点で札幌市が配置している児童福祉司は36人でした。人口が比較的近い名古屋市が104人、福岡市が32人、川崎市が56人、神戸市が36人です。
札幌市や福岡市・神戸市では、十分な人数の児童福祉司が配置されていない状況です。
報道を見聞きして感じるのは、札幌市児童相談所の高橋所長の第三者的な言動です。
児童相談所の対応を反省するのではなく、「人手不足が原因」「私に責任はない」という主張や雰囲気が見え隠れしています。「責任回避」としか見えません。
札幌市役所はこうした行動がまかり通る組織なのでしょうか。一昔前の大阪市役所を思い出しました。