大阪市の小中学生の学力テストの結果が振るいません。2年連続で最下位(政令市)でした。
家庭環境(世帯所得や両親の学歴)が指摘される一方、教える側の「教員の質」も問われています。
大阪市立学校の教員は40代が非常に少なく、20-30代に偏っています。
そうした中、2020年度教員採用試験の志願者数が発表されました。
令和元年5月28日 14時発表
大阪市教育委員会は、2020年度大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テストの志願者数(速報値:令和元年5月28日現在)について、次のとおり発表いたします。
志願者数(速報値) 校種 特例なし 社会人 教諭 大阪市講師 講師 前年度一合 大学推薦 教職大学院推薦 養成講座 合計 採用予定者数 昨年度合計(確定値) 昨年度採用予定者数 幼稚園・小学校共通 50 1 6 8 2 4 – 0 – 71 約15名 89 小学校 443 33 30 424 87 127 33 2 90 1,269 約450名 1,342 約400名 中学校 302 26 18 410 66 108 12 7 45 994 約180名 1,057 約150名 高等学校 203 26 27 148 85 33 – 1 – 523 約40名 524 養護教諭(幼稚園) 8 1 0 4 4 4 – 0 – 21 約5名 24 養護教諭(小学校・中学校・高等学校共通) 121 11 5 74 37 22 – 0 11 281 約35名 358 栄養教諭 52 6 0 19 1 9 – – – 87 若干名 111 総計 1,179 104 86 1,087 282 307 45 10 146 3,246 3,505 https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000470539.html
志願者数は昨年より10%弱ほど減少している様に見えます。しかし、これはあくまで速報値です。
2019年度採用試験における速報値と同水準なので、最終的な確定値も同水準となるでしょう。
採用予定数は大幅増、定年退職者の補充・教員や講師不足の解消が狙いか
気になったのは「採用予定者数」です。小学校は昨年より50人増、中学校は30人増を見込んでいます。定年退職者の増加に加え、教員・講師不足を見込んでの採用増でしょう。
一方、実質的な採用倍率は昨年より下がります。従来は合格しなかった水準の志願者が合格する恐れがあります。
とは言え、長年に渡って講師を続け、自己の能力開発や待遇向上を果たせない教員志望者を作出し続けるよりは良いと感じています。
正規教員と変わらぬ仕事や責任を講師に担わせるよりも、倍率が下がってでも積極的に採用して能力を引き出すべきでしょう。
特例がない受験生が敬遠?
そうした観点もあるのか、大阪市は講師・前年度1次試験の合格者・他校の教員や講師出身者を1次試験で優遇しています(特例措置)。
反面、こうした特例措置を有しない受験者が目に見えて減少しています。
昨年度の小学校志願者(特例措置なし)は513人いましたが今年は443人、中学校は367人から302人へと急減しています。
受験生の感覚としては「大阪市の教採試験は特例持ちが優遇される、対象外の私は別自治体を受験する」なのでしょう。理解できます。
大阪市立学校が優秀な若手受験生(学力水準が高い大学4年生?)から敬遠されているとしたら、少し悲しいです(実際に少ない気がしています)。
- 投稿タグ
- 学校