栗原心愛さん(小学4年生)が両親の暴行によって死亡した事件につき、とんでもない事実が判明しました。

心愛さんが書いたとされる「お父さんにたたかれたのはうそ」「4人で暮らしたい」という書面は、後日に心愛さんが児相職員へ「父親に強要されて書いた」と話していたそうです。

※関連記事は本記事末尾の「関連投稿」をご覧下さい。

3学期が始まっても投稿させなかったのは暴行によるアザや傷を隠す為でした。

 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さん(10)が自宅で死亡した事件で、母親のなぎさ容疑者(31)=傷害容疑で逮捕=が「(心愛さんの)傷を隠すために昨年末から外出させなかった」と供述していることが7日、捜査関係者への取材でわかった。父親の勇一郎容疑者(41)=同=には留守中の様子を帰宅後に報告していたといい、県警は両容疑者が心愛さんを軟禁状態に置いたとみている。

捜査関係者によると、心愛さんには複数のあざがあり、服で隠れる部分に集中していた。腹のあざは紙幣ほどの大きさだったという。

心愛さんは昨年12月22日から冬休みに入り、遺体で発見された今年1月24日まで登校しなかった。勇一郎容疑者は冬休み明けの7日、「沖縄にいる」と小学校に連絡していたが、捜査関係者によると、なぎさ容疑者は「千葉にいた。昨年末から暴行の傷を隠すために、外出させなかった」「外出させないように言われ、娘に厳しく命じた。様子を見ておくように指示された」などと供述。勇一郎容疑者の外出時はLINE(ライン)で様子を伝え、帰宅後に口頭で報告していたという。

https://digital.asahi.com/articles/ASM27577YM27UTIL032.html

危惧していた通りの理由でした。

虐待者と被虐待者が長い時間を過ごす長期休業中はリスクが高まる時期です。虐待行為が深刻化しやすいのは容易に分かります。

学校は家庭訪問・沖縄の実家への連絡等によって、心愛さんの所在を確認すべきでした。しかし、勇一郎容疑者による強圧的な対応を敬遠したのでしょう。遺体発見まで、何らアプローチをしませんでした。

心愛さんが死亡した経緯も判明しつつあります。

事件の2日前(勇一郎容疑者がインフルエンザで欠勤した時期)から執拗に虐待行為が行われ、当日は朝10時から立たされ続けたそうです。

「夫が夜中に立たせ眠らせず」、小4女児虐待 母親「事件2日前から」

心愛さんへの傷害の疑いが持たれている勇一郎容疑者(41)となぎさ容疑者(31)夫妻。2人の供述から、心愛さんが死亡するまでの詳しいいきさつがわかってきました。

「夫が事件の2日前ごろから娘を起こして立たせ、眠らせないことがあった」(なぎさ容疑者)

新たに判明したなぎさ容疑者の供述。心愛さんが死亡しているのが見つかった先月24日。勇一郎容疑者は、「朝10時からしつけとして休まず立たせていた」と供述していることがわかっています。さらに・・・

「事件当日の夜、冷水シャワーをかけたら心愛がぐったりした」(勇一郎容疑者)

警察は、心愛さんが休息を取れず、衰弱して死亡に至った可能性もあるとみて調べを進めています。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3593248.html

心愛さんは事件前から殆ど食事を睡眠が取れず、疲労困憊に陥っていました。

その状態で更に虐待行為を受け、体力が落ちたところに冷水シャワーによって命を奪われたのでしょう。低体温症、ないしは心筋梗塞の可能性が高いと感じました。

柏児童相談所による判断・リスク評価ミス

心愛さんへの虐待行為を見逃した柏児童相談所・野田市教委・学校による不手際が、次から次にと明らかになっています。

心愛さんを一時保護・保護解除した当時の柏児童相談所長(現中央児童相談所長・奥野智禎)が、「判断に誤りがあった」と認めています。

当時の柏児相所長「判断ミス」 緊急度下げ、保護解除 千葉女児虐待

千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件で、心愛さんが一時保護された柏児童相談所の当時の男性所長が7日、毎日新聞の取材に応じた。2017年12月に決定した一時保護の解除を含め心愛さんへの虐待の重大性について「判断を見誤っていた」と認め、「心愛さんにはつらい経験をさせてしまった。本当に申し訳ない」と謝罪した。

心愛さんは17年11月、父勇一郎容疑者(41)からの暴行を学校のアンケートで訴えた。柏児相はアセスメントで緊急度を「AA」と判断して一時保護。元所長は2度ほど児相内の食堂で心愛さんを見たといい、「普通の小学生という印象。特に暗いとか、落ち着きがないとかいう問題はなかった」と語った。翌12月のアセスでは緊急度を「B」に下げ、保護解除を決めた。

元所長は「この判断が違っていた」と述べた一方、緊急度を判断する難しさに言及。「一般論として、加害者が認めず、本人におびえた様子が見えなければ、リスクの見逃しにつながる」と語った。

一時保護を解除して親戚宅に身を寄せていた心愛さんを18年2月28日に自宅に帰す判断をした点については、「本人にけががなく、家族も同意していない中で保護を強行できるのかという問題がある」などと語り、「今回はリスク判断にも誤りがあった」と述べた。

◇担当ケースワーカーの意見書、添付されず

一方、一時保護解除後に心愛さんを親戚宅から自宅に帰すことを柏児相が認めた会議の記録に担当ケースワーカーの意見書が添付されていなかったと県が7日、明らかにした。ケースワーカーが面接した心愛さんや家族の状況、その後の対応に関する所見などを口頭で説明したが、書面にしなかったという。意見書は援助方針を決める際の重要要素の一つで、県の虐待対応マニュアルで作成が求められていた。

会議では心愛さんへの虐待リスクの評価結果などを協議。リスクは25点満点で評価され、一時保護解除時点で5点だったが、会議の際には8点に上がっていた。ケースによるが、15点以上だと保護を検討する場合が多いという。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190208-00000003-mai-soci

千葉県子ども虐待対応マニュアルにリスクアセスメントシートが収録されています。

学校からの一時保護で利用したのは「緊急度アセスメントシート」でした。

緊急受理会議を即日開催し、緊急度AAと判定して即座に保護しました。

その後一時保護を解除するか否かを判定する際には、リスクアセスメントシートを作成しました。

虐待の程度・家庭や養育者・子どもの様子等、虐待の様子が一目で把握できる様にまとめられています。「はい」毎に1点が加点される形式でしょう。

一時保護を解除した時点では5点でした。しかしながら、約2カ月後に自宅へ帰す決定をした際には8点に上昇していました。

一時保護解除時よりリスクが高まっている事を児童相談所は把握していました。また、リスクを過小評価していた疑いもあります。

小学校・児童相談所・野田市での消極的権限分配

小学校・児童相談所・野田市の間では、消極的な権限分配が行われていました。

心愛さんが両親との生活を再開した後の去年5月、小学校と児童相談所、さらに市の3者で対応を協議したという。その3者協議で小学校は学校内の見守り、児童相談所は緊急性の高い話が出たら対応すると決められた。しかし、家庭訪問については議論にもならず、誰が担当するかも決められなかったという。この3者での話し合い以降、児童相談所などは心愛さんの家への家庭訪問を一度も行わなかったという。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000147128.html

小学校は学校の中だけ、児童相談所は緊急性が高い話だけ等、特定の場所や状況における役割分担だけが定められていました。これに当てはまらない項目は「誰も何もしない」とも受け取れます。

長期欠席に対する家庭訪問は、学校内の見守りに当てはまらないでしょう。また、一概に緊急性が高い話とは言えません。小学校や児童相談所が与えられた役割のみを担った結果、該当しない事柄が抜け落ちてしまいました。

本来、長期欠席中の児童に対しては、学校が適宜連絡を取って所在を確認すべきでした。「学校の様子を伝えたいから心愛さんと電話で話したい」という理由(口実)で、沖縄の実家へ連絡すべきでした(連絡先は児童原簿等に記載されている筈)。

心愛さんは沖縄にいません。勇一郎容疑者は沖縄への電話を激しく拒絶するでしょう。同時に、沖縄へ口止め電話をする筈です。

ここで勇一郎容疑者の様子におかしい、心愛さんと電話越しでも話せないと気づけば、所在確認の為に更なる行動を取る事へ繋がります。

しかしながら、学校は家庭訪問のみならず、電話連絡した形跡すら窺えません。まるで腫れ物に触るかの様に、栗原家を避けていると感じます。

この姿勢は柏児童相談所・野田市教委も同じです。皆が無意識の内に栗原家との接触を避けていました。勇一郎容疑者による恫喝に懲り懲りしたのでしょう。

心情は理解できます。私もモンスタークレーマーやサイコパスの相手は嫌ですし、精神が病んでしまいます。

しかし、子どもの安全を第一に考えるべき教育公務員として甚だ不適当な対応です。その為に巨大な組織があり、複数の機関と連携しています。

児童相談所や学校は非常に忙しい現場です。だが、今回の事案では言い訳になりません。電話一本で勇一郎容疑者のウソに気づけた可能性が高いです。