(心愛さんが被害を訴えたアンケート、NHKニュースより)

下記記事の続報です。

【野田市10歳女児虐待死】校長が父親に「念書」を提出 直後に不可解な転校 人権教育を重視する市

「お父さんにぼう力受けています」市教委が直筆コピーを公表

千葉県野田市で小学4年生の女の子が死亡し、傷害の疑いで父親が逮捕された事件で、亡くなった栗原心愛さんは、おととし11月、当時通っていた小学校で行われたいじめのアンケートに父親から暴力を受けていると回答し、担任に助けを求めていました。その直筆の回答のコピーを野田市の教育委員会が、1日、公表しました。

このアンケートには匿名でも回答できましたが、心愛さんは「栗原心愛」とみずから名前を記入していました。

また、自由記述欄では、しっかりとした字で「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたりたたかれたりされています。先生、どうにかできませんか。」と書いていました。

このほか回答用紙の欄外には、当時の担任が心愛さんから聞き取った内容として、「お母さんはみかたしてくれるが父は保護者だといって母のいうことをきかない。おきなわでは、お母さんがやられていた。きのうたたかれた あたま、せなか、首をけられて今もいたい」とか、「なぐられる 10回(こぶし)」などという書き込みも見られます。

今回、公表した理由について野田市教育委員会は「心愛ちゃんがお亡くなりになるという痛ましい事件が起き、父親が虐待を認めないなかで、心愛ちゃんの名誉のためには、心愛ちゃんの『いじめにかんするアンケート』の回答の写しを公表することが必要であると判断した」としています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190201/k10011800321000.html

いじめにかんするアンケートが見やすく撮影された画像を産経新聞が公表しています。

https://www.sankei.com/affairs/news/190201/afr1902010063-n1.html

これらの画像から、アンケートへの回答内容及び担任のコメント(括弧書きの太字部分、*印は判読できず)を文字に起こしました。

あなたは今、いじめられていますか。
ア はい

「はい」とこたえた人にききます。そのいじめは、どのようなものですか。
ア いやなことを くりかえして いわれたり こわいことばで(てめえ、~しろ) いわれたりする。
(ちゃんとまってくれてた)
エ おもいきり ぶつかられたり たたかれたり(せなかをける) けられたりする。
キ いやなことや はずかしいこと、あぶないことを(口をふさいで 息がとまらない ゆかにおしつける → 自分の体 だいじょうぶか?) されたり、させられたりする

あなたは いじめを だれからうけましたか。
エ かぞく(ひっこしてから)

(妹 みた 3人でくらすよてい → お母さんつれてきた → のだにきてからすぐ)
(夏休み おばちゃんち **** 妹のめんどうをみる めんどうをみなかったら せなか首をちからいっぱいける)
(きのうのたたかれた けられて今もいたい なぐられる10回(こぶし))

自由記述欄
お父さんに ぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときに けられたりたたかれたりされています。先生、どうにかできませんか

父親たる栗原勇一郎容疑者にされた虐待行為を、心愛さんは担任の先生へ具体的に訴えていました。

アンケートを回収して目を通した担任はさぞ驚いたのでしょう。すぐに校長・教頭へ連絡・相談した筈です。

この当日ないし翌日、山崎小学校は柏児童相談所・市教委等へ連絡して対応を協議しました。児相は緊急度を最高の「AA」と判断し、即座に一時保護を行いました。素早い行動でした。

しかし、児相等からの聞き取りに対し、栗原勇一郎容疑者は虐待行為等を全面的に否定しました。それどころか学校や市教委等を恫喝し、いじめを訴えたアンケートを入手してしまいました。

心愛さんの行動に激怒した栗原容疑者が虐待行為をエスカレートさせ、固く口止めしたのは容易に想像できます。

学校・市教委・児童相談所、誰も栗原容疑者の虐待行為を止める事ができませんでした。虐待行為は心愛さんの死によって止まりました。