昨年10月、東京都港区に開所される予定だった「白金台保育室」の建設が延期された旨をお伝えしました。
機会があったので、周辺地域や建設予定地を歩いてみました。
白い乗用車が停止しているのが、建設が進んでいる環状4号線です。ドンキホーテやツルハドラッグ、そして白金台保育室の建設予定地(現白金台三丁目遊び場)が道路用地となります。
白金台どんぐり公園です。小さな児童向けの遊具があり、陽当たりが非常に良い場所です。多くの子供や近隣住民が憩いの場として利用していました。
保育室建設予定地へ向かうには、ドンキホーテ脇の小路を歩きます。
建設予定地たる白金台三丁目遊び場です。当日は近隣のインターナショナルスクール?の子供達が遊んでいました。
建設予定計画の掲示です。
近隣住民が保育室建設計画に強く反対する理由の一つして主張しているのが、このトイレです。
遊び場や東向かいにある区立白金台幼稚園には、こうした大木が立ち並んでいました。
遊び場脇の道路を南に向かうと、階段がある崖がありました。環状4号線が通ると段差が解消され、自転車でも行き来できる様になりそうです。
遊び場や隣接地は、以前に用水路が通っていたそうです。確かに谷筋に似ている地形です。
遊び場に隣接する、芝白金団地です。
問題山積の建設計画
写真を見て頂いて分かる通り、遊び場があるのは鬱蒼とした谷筋の奥まった場所です。ドンキホーテやどんぐり公園がある地域とは全く雰囲気が異なります。
ここは自動車が走行するのは困難な道のどん詰まりであり、南側は自転車が通行できないほどの段差があります。
住宅用地等としては非常に利用しにくい土地だと感じました。結果、遊び場や幼稚園等として利用されているのでしょう。
こうした場所に環状道路を通し、利便性を向上させるのは理に適っていると感じました(用地買収される方は大変ですが)。
一方、ここに保育室を建設するのには強い疑問を感じました。
以前に指摘した「道路工事までの4年間限定」という期間制限に加え、東向かいにある区立白金台幼稚園の存在です。
向かい合った場所に幼稚園と保育室を設置する必然性は乏しいでしょう。両方を利用できて便利だと感じる家庭もあるでしょうが、であれば施設を一本化すればなお便利です。
最適解たる選択肢の一つとして考えられるのが、「幼稚園のこども園化」でしょう。保育を必要とする2号認定・3号認定の子供達も同じ施設で過ごすものです。
その為には、建物を増築・改修等を行う必要があります。そこで遊び場を仮設園舎等として利用できれば、関連工事は順調に進められるでしょう。
港区が提示した建設計画は、様々な面で問題があると感じました。待機児童問題を解消する目的を達成する為の手段として、余りに筋が悪い内容です。
この場所に4年間限定の保育室を設置するのが無茶な話でした。様々な方が疑問の声を上げるのも当然です。
港区のウェブサイトでは、関連する新たな情報が見つけられませんでした。建設計画はこのまま白紙化され、数年後に道路用地となるのではないでしょうか。