(不正受給が発覚したきのみむすび保育園(googleSVより)

大阪市内の私立保育園で委託費の不正受給が発覚しました。

 大阪市は5日、社会福祉法人「喜和保育事業会」(同市住之江区区南港中4)が運営する「きのみむすび保育園」(同区西加賀屋4)が2011~15年度、分園での保育実態がないにも関わらず、本園よりも高い分園の定員単価で市からの運営委託費を受け取っていたと発表した。(以下略)

http://mainichi.jp/articles/20181007/ddl/k27/040/227000c

より詳しい内容が大阪市ウェブサイトに掲載されています。

大阪市では、平成28年1月19日に実施した指導監査において、次の法人が分園在籍児童を本園で保育していたことが明らかになり、分園での保育実態がないにもかかわらず、本園の定員単価より高い分園の定員単価で運営費(委託費)を受領していることが判明しました。

 このため、分園での保育実態のない期間(平成23年度~平成27年度)に支払った運営費(委託費)等56,965,152円について平成30年10月3日(水曜日)に返還請求を行い、同日返還されました。

対象保育所
運営法人      社会福祉法人喜和保育事業会(昭和52年3月7日設立)
事業所名称       きのみむすび保育園
所在地         大阪市住之江区西加賀屋4-4-10
認可年月日(本園)  平成 8年4月1日
           (分園)  平成14年4月1日

事案の概要
 平成28年1月19日に実施した指導監査において、分園在籍児童を本園で保育していたことが明らかになり、光熱水費の記録等を調査したところ、少なくとも平成24年1月以降は、ほぼ水道使用量が0立方メートルでした。

 このため、平成28年10月から法人に対して分園の使用実態について聞き取り調査を行ったところ、平成14年度に分園を設置し保育を行っていたが、分園の階段が急である等、安全性の観点から次第に使用しなくなり、平成23年3月に発生した東日本大震災を契機に、児童の安全性も考慮した結果、分園児童の保育を主に本園で実施するようになったことが明らかになりました。

 このことにより、分園での保育実態がないにもかかわらず、本園の定員単価より高い分園の定員単価で運営費(委託費)を受領していたため、過払額の返還が必要となりますが、法人は監査指導当時より返還する意向を示されていました。平成28年1月以降、分園の使用実態の調査、法的論点の整理、返還請求額の算定等約2年半を経て、平成30年10月3日(水曜日)に分園の定員単価と本園の定員単価の差額等について返還を求め、法人は元本及び利息の全額を即日納付されました。

返還金額
 56,965,152円(平成30年10月3日返還済み)

《内 訳》
運営費返還請求額(平成23年度~平成27年度):43,433,960円
大阪市保育所地域活動事業返還請求額(平成23年度~平成26年度):4,800,000円
返還日までの利息(年5%):8,731,192円

http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kodomo/0000449052.html

約5700万円を返還したのは、住之江区にあるきのみむすび保育園を運営する社会福祉法人喜和保育事業会です。

きのみむすび保育園

保育所に対する大阪市の指導監査が有効に働いていました。

指導監査にあたっては、名簿に記載されている園児が本当に保育所で保育されているかを実地で確認するのが必須だと聞きます。園児数が少し多く、下駄箱やロッカー等に分園に在籍している児童の名前が書かれていた事から発覚したのでしょうか。

きのみむすび保育園の話を聞く限り、保育実態が無い園児の保育を仮装して委託費を詐取したかの様な悪質性はないとの事です。

しかし、本園により単価が高い分園(←待機児童解消の為、分園の設置を促進する目的でしょう)での保育を装い、過剰な委託費を受領していたのは事実です。

話は前後しますが、高等森友学園保育園による保育士水増し以来、保育所への指導監督がより厳しくなっているという噂話を聞きました。

一方、認可外保育施設や急増している企業主導型保育は十分な指導が行えず、様々なトラブルが頻出している話も聞いています。

しかし、基準等を施設が守っているかを保護者が見破るのは不可能でしょう。保育施設選び、本当に難しいです。