平成30年3月13日に開催された教育こども委員会では「大阪北部地震における学校の対応」「保育所向けの公有地賃料が安すぎる」「虐待対応」について取り上げられました。
平成30年6月22日 教育こども委員会
学校園などの対応・対策等について(高見亮委員、維新)
地震発生時の対応ルールは?基準は?(資料配付)
→午前7時にJR環状線・大阪メトロの双方が全面的に止まっていたら休業
→授業時間中は保護者等に連絡して下校、連絡が取れなかったら学校園で保護
地震は午前7時以降に起きた、マニュアルに該当する箇所が無い、混乱の原因か。
市長から教育長への指示は?
→7時過ぎの地震だが臨時休業基準に該当、9時過ぎに市長が市教委に取扱いを確認、休業を指示した
マニュアルに準ずる内容、市長が意思決定、9時20分に決定内容をツイート
情報開示面から重要
市教委が学校園へメールを送信したのは11時過ぎ
→各校では臨時休業措置にそった取扱いが為されていたと認識していた、各校に改めて指示した、電話でも連絡した
→各校は安全確認を最優先で動いていた、学校や市教委で錯綜、電話も繋がらない
→11時過ぎに安全確保の徹底&臨時休業措置に関するメールを送信した
マニュアルに不備、指示は必要、各校へ下ろすのに2時間近く掛かったのが問題
指示が無くても統一行動できるルールの整備、指示を迅速正確に伝える手順、どちらも出来なかった
マニュアルに規定されていない事態(=7時58分発災)が発生し、準用せざるを得なかった
電話不通を想定していなかった、不通時の手順が想定されていなかった、意思決定の連絡に時間を要した
SNSやLINE等の複数の伝達手段が定められていたら、連絡できていた
マニュアル・フローチャート・携帯やスマホ等での伝達手段が必要
学校から保護者への伝え方は?
→各校状況に合わせてメールや電話で伝えた
電話は繋がりにくい、ここに不安があるから市長ツイッターが評価された
メールやLINE等、非常時でも繋がる方法を確立して欲しい
学校への携帯電話の持ち込みは?
→通常通りに学校で預かった、この日は学校に持たせた、緊急時マニュアルを作成したい
市立学校のブロック塀は?
→建築基準法に反する物は無い、既存不適格はある、順次改修中
倒壊の有無が不安
→3年ごとに目視点検している、課題がある塀は速やかに措置する
震災時の対応の課題(前田和彦委員、自民)
北区は震度6弱、特に高層マンションは酷い揺れ、1日中救急車が鳴り響いていた
学校施設の被害状況と内容は?
→市内北部を中心に80校、壁部分のクラック、給水管の破損による漏水
北区で校舎破損、立入禁止やカバー、今後の対応は?
→給水管破損は翌日に対応、その他も迅速に対応
コンクリートブロック塀の破損、クラック数は?
→老朽によるクラックと震災によるクラック、判別しづらい
→80校の内、壁の被害は18校
(資料配付)
対策本部ホワイトボードに記載された内容では、被害詳細が分からない
とある学校では校舎から金属部品(エクスパンションジョイント)が落下した
授業中等に震災が発生していたら、重大な事故が起きていた
→10件発生した
落下原因を徹底調査して欲しい、再発する可能性がある、今後の対応は?
→エクスパンションジョイントは建物全体の機能を維持する目的で設置
→避難経路に落下した事例も、対応策を検討していく
地域防災計画における災害対策本部長と校長の位置づけ
→校園長が措置基準に則って臨時休業措置を行う
→午前7時時点でJR環状線&大阪メトロ全線が休止していたら休業
→今回は7時以降だが、市教委は措置基準に該当すると考えている
→市長が措置基準に該当すると確認の上、臨時休業を指示した、
地域防災計画は校長が判断、災害対策基本法は本部長が指示できると規定
7時以降の規定は無い、学校長が規定を応用して休業措置が出来るのか?
災害対策基本法では本部長(市長)が教育長へ指示できると規定
平時に市長が市教委へ指示できるのか?
→市長の職務権限、財政面等は指示できる、学校管理等は市教委の職務権限、直接指示できない
平時は学校管理は指示できない
非常時は市長が市教委へ指示できる事を、校長は把握していたのか?
市教委の当初指示は「学校長が判断」だった
→市長と市教委の関係は、地域防災計画や基本法を詳細に読まなければ分からない、周知徹底すべきだった
指揮監督の命令系統が学校に周知徹底されていなかったのが問題
出勤していなかった市教委職員も多い
電話が繋がらない前提で考えておくべきだった
→学校がメールを確認できない可能性があり、電話連絡した。
→11時に改めてメール送信した
保育送迎バス事業について(黒田當士委員、自民)
天王寺区から住吉区へ送迎する事業
私有財産を利用した保育所整備は急ぎすぎでは無いか
選定状況は?
→庁舎18箇所、市営住宅3箇所、送迎ステーション2箇所、市有地7箇所
賃料は?
→土地は月額450円*児童数、建物は810円*係数*児童数
住吉区(800平方メートル)の賃料は4万円弱となる、他事業者との不公平感がある
賃料の算定基準は?
→無償貸与していた保育財産を有償化した、決算書を元に収益分析法によって算出した
今後開所する事業者への賃料も見直すべきでは?
→保育所は収益力に乏しい、公募条件と異なる賃料とするのは法的に難しい
野田阪神駅直結の土地を450円で貸すのもおかしい
安すぎる
(※違和感や唐突感を感じた質問だった)
震災にかかる安全対策について(岸本栄委員、公明)
隙間の時間帯で発生した災害、校長が判断に迷わない基準が必要
→基準を作成していく、学校宛の一斉メールを送信した、既読確認できる別のメールシステムで送信したい
プール塀の調査内容は?
→調査46校中、35校でプールにコンクリートブロック塀を使用
プール以外のコンクリートブロック塀の調査は?
→多数存在する、各校にチェックシートを配布し、調査を依頼した
→必要に応じて技術職員を派遣し、緊急対策を講ずる
通学路の安全対策は交通安全の観点から行ってきたが、ブロック塀の危険性対策も必要
場合によっては通学路の変更も必要、今後の対応は?
→危険箇所の集約等を指示した、市教委で集約、危険箇所に近づかない様に指導
専門人材や都市計画に観点も必要
→建築指導部局と市教委と協力、広報誌でも注意喚起する
所有者への支援も必要、大阪市からの支援策も検討して欲しい
児童虐待について(佐々木哲夫委員、公明)
大阪市児童相談所が他からケース移管を受けた場合の対応は?
→事前に通知、正式には文書、緊急に対応が必要であれば会議を開いて検討する
→緊急対応が不要なら、毎週の会議でリストアップして進捗管理する
→移管は通告に代わるものとして扱っている、必ず職員が目視確認を行う
品川児童相談所は家庭訪問したが本人に会えなかった
大阪はどの様に家庭訪問、子どもに会えない場合は?
→先方に家庭訪問を伝え、悩み相談、必要な援助に繋げていく
→時間を変えて訪問、長時間現場待機、出頭要求、立入調査の実施、行方不明児童として警察に情報提供
親が子どもとの面会を拒んだ際の対応は?
→就寝中、入浴中、外出中であれば、後日訪問
→預けているなら再訪問、もしくは他自治体に依頼
→必ず目視確認、出頭要求等を行う
訪問された家庭は、「通報されてしもうた」と大きなショックを受けている
こども相談センターに対する市民の理解が必要
→相談しやすい機関だと伝えていきたい、関係機関と連携していきたい
震災で明らかになった課題への対応について(武直樹委員、いくの)
震災時は地下鉄駅にいた
8時45分頃に連合町会長から「子供達は学校に待機している、その後の指示が無い、教えて欲しい」と相談があった
「安全を確保して待機して欲しい」と伝えた
9時10分頃に市教委へ電話、職員は10人程度しか出勤していない、各学校で判断して欲しい
連合町会長から「校長から授業が行われる」と聞いた(給食後に下校)
ある保護者から「学校からは授業実施メール、市長ツイートと反する、大阪市の公式方針はどっち?困惑している」と相談
その後、学校から「通常授業を実施する」とメールが届いた
ある教職員(匿名)から「市長ツイートで現場は混乱した」という怒りのメッセージが届いた