「認可外」と呼ばれると「何も監督されていない」というイメージがあります。しかし、実際には都道府県等が指導監督を行っています。

問題があれば改善勧告等を行いますが、中には勧告等に従わない施設もあります。千葉県で施設名が公表されました「あすなろベビーホーム」です。

今後、事業停止や閉鎖命令等が行われる見通しです。

市川の保育施設「あすなろベビーホーム」、県勧告に従わず 事業停止か閉鎖命令へ

 市川市の認可外保育施設「あすなろベビーホーム」が管理体制の不備など度重なる県の勧告に従わなかったとして、県は30日、同施設の名前の公表に踏み切った。児童福祉法に基づく措置で、勧告に従わないことによる施設名の公表は県内で初めて。県は同施設の対応を見極め、同施設の事業停止や施設閉鎖を命じる見通し。

 県子育て支援課によると、同施設は、入所する児童の健康状態の把握がほぼされていなかったほか、保護者に対して保育サービスの内容を知らせる必要があるにもかかわらず、適切に行われていなかった。衛生面でも問題が認められたという。

 同法の規定で、認可外保育施設は、国が定める指導監督基準に沿った措置をとることが求められる。入所児童のアレルギーの有無などを確認したり、日々の発育や健康状態を観察したりする必要があるが、こうした記録を怠っていたという。県は特別立入調査を行って昨年12月18日、同施設に改善勧告を出していた。

 この勧告をめぐり、同施設は対応について県に報告する必要があったにもかかわらず、期限の今年1月17日までに報告をしなかった。県は再度、18日に特別立入調査をしたが、改善項目に善処が見られなかったという。

 県は、同施設からの弁明を聞いた上で、県社会福祉審議会に諮り、同施設に閉鎖を命じることも含めた最終的な処分を決めるとしている。

 同課によると、同施設は平成9年4月に開所し、0歳から未就学の児童までを対象に、24時間預かっている。入所定員は5人で、現在は1人が同施設を利用しているという。県は同施設に対し、児童の受け入れ自粛を要請。現在入所中の児童については、市川市などと連携して対応するとしている。

 同施設をめぐっては、27年9月、入所中の2歳児が深夜に施設外にいるのを通行人が発見。児童はアパート2階にある同施設の窓から転落した疑いが強く、県が立入調査して安全対策を指導するなどしていた。この時は、同施設は「窓の鍵が壊れていた」などと説明したという。

 昨年11月には元入所者の親から「保育状況が分からない」などとする苦情があり、これを受けて県が特別立入調査を実施していた。

http://www.sankei.com/region/news/180131/rgn1801310035-n1.html

「あすなろベビーホーム」は、東京メトロ東西線行徳駅前にあります。乗り換え無しで日本橋・大手町駅へ行けます。非常に利便性が高い場所です。

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http://www.asunaro-baby.com/

千葉県がこれまでに行ってきた指導・勧告等の内容が公開されています。

1 該当施設
施設名称:あすなろベビーホーム
所在地:市川市押切21番8号行徳ハイツ204号
設置者:櫻井澄子

2 改善勧告の公表に係る経緯
上記1の施設に対しては、定期の立入調査等により、改善すべき事項について繰り返し指導してきたところです。また、平成27年9月に、保育中の児童が建物外に1人でいるところを警察に保護される事案が発生(保育室窓から建物外に転落した疑い。かすり傷程度)したため、安全管理については特に留意するよう指導してきたところです。平成29年12月13日に、立入調査を実施したところ、利用児童の健康管理・安全確保等に問題があることが確認されたことから、平成29年12月18日に児童福祉法第59条第3項の規定による改善勧告を行いました。改善期限である平成30年1月17日を経過しても報告がなかったため、翌1月18日に立入調査を実施したところ、一部着手中のものはあるものの、改善が認められませんでした。

3 改善勧告の内容及び改善の状況

児童の健康状態の観察及び発育のチェック、健康診断の実施を行うこと。
【改善状況】未改善

事故防止の観点から、施設内の危険な個所、設備等に対して適切な安全管理を図ること。
【改善状況】一部改善。また、一部設備に関しては、着手している旨の説明があった。

利用者への情報提供を適切に行うこと
提供するサービスの内容を利用者の見やすいところに掲示すること及び利用者に契約内容を記載した書面を交付すること。(基準第8)
【改善状況】未改善

備えるべき帳簿について整備を行うこと
保育している児童の状況を明らかにする帳簿を整備すること。(基準第9)
【改善状況】未改善

4 今後の対応
弁明の機会を付与した上で、千葉県社会福祉審議会の意見を聴いて、児童福祉法第59条第5項の規定による事業停止又は施設閉鎖命令の措置をとる手続に入ります。現在利用している児童については、関係自治体と連携し、適切な援助が得られるよう働きかけています。なお、施設に対し、児童の受入れを自粛することを要請しています。

https://www.pref.chiba.lg.jp/kosodate/press/2017/asunaro.html

以前から繰り返し調査・指導を行い、昨年12月に改善勧告を行ったものの、期限までに何ら報告がなく、更に立入調査を行っても改善が認められなかったそうです。

こうした施設を野放しにすると、取り返しが付かない恐れが生じる可能性が極めて高いです。遅すぎる公表だったかも知れません。また、厳しい指導を行う事により、他の施設の安全性や信頼性が相対的に高まります。

また、あすなろベビーホームから提出された届出書には、有資格者は「0名」と記載されています。経験上、有資格者がいない・不足している保育施設は、極めて危険です。

こうした施設は一刻も早く閉鎖させるべきでしょう。事故が起きてからでは遅すぎます。