昨年の暮れに大々的に報道されたニュースです。2歳の園児に暴行を加えた容疑で、尼崎市の認定こども園「めぐみ幼稚園」に勤める教諭が逮捕されました。
2歳園児を断続的に暴行容疑 幼稚園教諭を逮捕
勤務先の認定こども園で園児に暴行してけがをさせたとして、兵庫県警尼崎南署は30日、神戸市兵庫区大開通7丁目の幼稚園教諭、岡田恵美子容疑者(41)を傷害の疑いで逮捕し、発表した。岡田容疑者は「しつけのつもりだった」と容疑を認めているという。
署によると、岡田容疑者は兵庫県尼崎市西立花町2丁目の認定こども園「めぐみ幼稚園」の教室で、27日午前9時すぎから2時間にわたり、断続的に男児(2)の体を前後に揺さぶって押し倒したり、頰を両手でたたいたりするなどの暴行を複数回加えた疑いがある。男児は耳の後ろに2週間のけがを負った。
岡田容疑者は「着ていたジャンパーを自分で片付けられなかったので、しつけのつもりでやった」と話しているという。
署によると、迎えに来た母親が男児の頰や両耳が腫れているのに気づいたが、岡田容疑者は「自分で耳をひっかいたのではないか」「興奮して血管が切れたのではないか」などと説明。帰宅後に男児が「先生にたたかれた」と話したため、親が園に出向いて防犯カメラに岡田容疑者の暴行の様子が録画されているのを確認し、発覚したという。別の教諭も映っていたが、止めようとするそぶりはなかったという。
同園は30日に保科真琴園長(68)らが記者会見して謝罪した。岡田容疑者は同園で計17年勤務。これまでも指導の際に子供の顔を両手ではさむことがあったが、「ベテランなので信用していた」として問題視してこなかったという。
保科園長は「(岡田容疑者は)普段から若い先生を厳しく指導していたが、過去に問題を起こしたことはない。勤務態度はまじめで、一生懸命子どもと向き合う先生。だが映像を見る限り指導の範囲を超えており、許される行為ではない。誠に申し訳ない」と述べた。
事件が起きた「認定こども園めぐみ幼稚園」は尼崎市西立花町にあります。JR立花駅前という便利な場所にあります。
同幼稚園は昭和30年に創立されました。その後、認定こども園へ移行しています。
認定こども園の2歳児クラス(3号認定)で暴行か
このニュースを聞いたときに「おやっ」と感じたのは、暴行日時(12月27日午前中)と被害を受けた児童の年齢(2歳児)でした。一般的な幼稚園は冬休み期間中です。また、幼稚園で生活するには2歳児は早すぎます(一般的には早くても満3歳児から)。
同園のウェブサイトを詳しく見ていると、2歳児クラス(きりん組)・1歳児クラス(らっこ組)というページが見つかりました。
幼稚園就園前に、集団生活の初めの1歩として、お友だちと楽しく遊んでみませんか?
2歳児クラス〈きりん組〉・1歳児クラス〈らっこ組〉は、幼稚園の前の小さな幼稚園です。
トイレのトレーニングをはじめ、基本的な日常生活、遊びながらイスに座ることから、お並び、お友達の触れ合いをはじめ、園庭で自由に遊んだり絵本の読み聞かせや、折り紙、楽器を触ってみたり、お歌を歌ったりと多彩な時間を過ごします。
また、指先を使っての知育教育にも親しみ、漢字や数字、色、ひらがななど、いろんなことに興味が持てるように、カードなどを使って遊びます。
ひとり一人の発育段階を充分に考慮した保育をこころがけていますので、安心してお預けください。
働いていないお母様もご利用いただけます。(別途料金)
幼稚園まで、お気軽にお問い合わせください。http://www.ama-megumi.ed.jp/kirin/kirin.html(太線部は独自に強調)
これは、認定こども園の3号認定(0-2歳児の保育)を示しているのでしょう。
尼崎市の平成30年度版保育施設・事業一覧にも、めぐみ幼稚園の記載があります(5ページ)。1-5歳児・入所定員50名とされています。
であれば、暴行が12月27日に行われたのも納得できます。多くの保育所と同じ様に、年末ギリギリ(12月28日頃まで?)まで開所していたのでしょう。
当時は幼稚園クラスは冬休みに入っていたでしょう。大半の園児は自宅で過ごし、出勤している職員も普段より少なかったと推測されます。しかし、保育園クラスは異なります。前週と同程度の園児が登園し、普段と変わらない様子だったのでしょう。
幼稚園と1-2歳児保育のギャップ
あくまで一般論ですが、幼稚園が母体となっている認定こども園は、幼稚園としての考え方・方針・行事が根底にある施設が多いと感じています。専業主婦世帯をメインターゲットとする3-5歳児の教育が中心です(分散は徐々に大きくなっていますが)。
幼稚園児は3-5歳児(一部に満3歳児を含む)です。入園時には既に身の回りの事ができている子供が大半でしょう。
しかし、保育園は別物です。1-2歳児はオムツが外れていない児童ばかりです。身の回りの事は殆どできません。先生が片付け等を行いつつ、発達段階に応じて少しずつ促していく状況でしょう。
3-5歳児を担当していた幼稚園教諭が2歳児クラスへ配属されたら、ギャップに戸惑う場面があったのかもしれません。ベテラン教諭なら尚更でしょう。
被害に遭ったのは男児でした。女児は比較的早くに身の回りの事が出来ますが、それと比べると男児は少し遅めです。保育園でも女児の方がしっかりしていると感じます。
3-5歳児や女児はできるのに、片付けができない2歳男児に対するイライラが溜まり、しつけという名目で暴行を加えてしまったのかもしれません。
勤続17年の厳しいベテラン教諭、他職員が萎縮?
また、暴行を加えた岡田容疑者に対し、園長先生は「普段から若い先生を厳しく指導していた」と話していました。厳しい指導が園児へ向かってしまったのかもしれません。
ただ、「若い先生に対する指導が厳しすぎたのではないか」とも感じています。というのは、暴行の様子が録画されていた防犯カメラの映像には、暴行を止めずに傍観していた他の教諭も映っていたそうです。
岡田容疑者による厳しい指導に萎縮し、同容疑者が園児に暴行を加えていても静止しづらい雰囲気があったのではないでしょうか。若い先生が勤続17年のベテラン教諭を注意するのは容易ではありません。
恐らくは余罪もあるでしょう。また、園としての管理体制にも問題がありそうです。今後の報道が待たれます。