保育の量的拡大の一方、劣悪な保育を行っている「ブラック保育園」の存在が指摘されています。昨年から今年に掛け、関西では夢工房・わんずまざー保育園・高等森友学園保育園等のブラックぶりが繰り返し指摘されました。
こうした事態を特集した内容が、NHK大阪放送局が作成しているローカル番組「かんさい熱視線」で放送されました。「ブラック保育園~受け皿急増のひずみ~」です。
かんさい熱視線「ブラック保育園~受け皿急増のひずみ~」
1歳児にスプーンたった1杯の食事。いま自治体が認可した保育施設で信じがたい実態が次々出ている。「待機児童ゼロ」のかけ声の下、いかに保育の質を確保すべきか考える。
自治体が認可・認定した保育施設で、信じがたい運営が次々と明らかになっている。先月、兵庫県は「わんずまざー保育園」に対する認定を取り消した。定員を大きく上回る73人を無断で受け入れていた上に、給食を40食分しか用意せず、1歳児の食事をスプーン一杯で済ませていた。全国で保育所を展開する「夢工房」も、公金の不正流用が指摘されている。国の「待機児童ゼロ」のかけ声の下、いかに保育の質を確保すべきか考える。
放送内容を覚えている範囲で箇条書きにしました。
【スタジオゲスト】
・小原正子氏(クワガタオハラ)
・前田正子氏(甲南大学教授、元横浜市副市長、保育や女性関係の著書多数)
【夢工房】
・芦屋市の本部、屋上に園庭が広がっている
・創業者一族たる黒石前理事長や前副理事長の私的流用ぶりが取り上げられる
・「福祉を食い物にしている」とひろまち保育園の園長が品川区に相談、区と夢工房の契約は1年で解除
・様々な指摘に対し、前理事長は園内説明会で「言いがかりだ」と足を組みながら反論
・第三者委員会が設置され、調査が行われる
・研修名目のドバイ旅行(下記写真)、娘の自宅用家電等を保育所名義で支出
・品川区のひろまち保育園では高額のカーテンや机を公費で購入
・前理事長夫妻は解雇
・現理事長が「創業者一族の歪み」「許されない」「上半期中に刑事告訴、損害賠償請求を予定」とコメント
【わんずまざー保育園】
・極めて少ない給食(上記写真)
・定員40人に対し、30人前後の私的契約児が同じ部屋に押し込まれていた
・1歳児は定員5人に対し、倍以上の計13人が同じ部屋で過ごし、トラブルが多発していた
・とある園児は保育中に全く体重が増えず、保護者は「発育に影響が出たと」と考えている
・保護者は「姫路市の認可、認定、監査が甘い。行政に不信感が募る。」とコメント
・事態が発覚する1年前に姫路市に内部告発が寄せられた
・市は小幡園長を呼び出したが、「事実無根」と主張された
・早退、保護者対応に遅れた保育士は、ボランティアという名の無償労働を強いられた
・インタビューに対し、小幡園長は「違反したとは思う」と呟いた
30分と限られた中、事実関係や映像がしっかりまとめられていました。良い番組でした。
スタジオでは小原正子氏が「普通の母親」の立場から言いたい放題し、それを前田正子氏が専門家の立場から問題点へ繋げていました。
6月10日(土)の午前10時55分から再放送
興味がありながらも、見逃してしまった方も多いかと思います。
早速ですが、6月10日(土)の午前10時55分から11時25分にNHK総合(関西のみ?)にて再放送されます。忘れない内に録画設定を!
「ブラック保育園」なぜ見過ごされたのか。この園長自身の悪質さもさることながら行政の責任も大きい。「認定」だしてんだから。不適切な業者、悪質な運営者が介入してきた時にどうしていくのかがない限り事態は繰り返されるよ。「規制緩和」と「保育の質」は切っても切れない関係なんだから。 pic.twitter.com/C1J1rKi3rR
— ぴよぴよ (@purestorm98) June 9, 2017