大阪市での保育所不足について朝日新聞が報じています。現状と原因がコンパクトにまとまっています。

保育園落ちたの、都心の私だ 大阪で4割落選も

タワーマンションに象徴される都心回帰の動きを受け、大阪市で認可保育所の「落選者」が続出している。4月入所の1次選考で、特に厳しい区では、申込者の4割超が落ちている。近く通知される2次選考の結果に望みをつなぐ人、あきらめて認可外に預ける人もいる。

■大阪市西区「内定率」最低

447人の募集枠に、729人の申し込み(昨年10月時点)があった西区。2月上旬、1次選考で286人に、希望の預け先に決まらなかったことを意味する「入所保留」通知が送られた。申込者に占める内定者の割合を示す「内定率」は約58%と、市内全24区中、最低だった。

保留通知を受け取った求職中のひとり親の女性(25)は2月中旬、1歳の長男を抱っこして区役所へ相談に訪れた。

申し込みでは第6希望の保育所まですべて書き込んだが、「全滅」。1次で枠が埋まらなかったところなどに申し込める2次選考でも、1歳児の空きがなかった。何とか通えそうな隣接する中央区の空きのある保育所に2次で申し込んだが、そこも狭き門。いまは一時保育に預けて短期的な仕事をしながらしのいでいる。「子どもを預けないと、安定した仕事も探せないんです」

西区は、就学前の児童数が昨春までの3年間で862人増と、全24区で最も増えている。競争が激化し、市の選考基準で有利になるきょうだいがいる世帯でも認可保育所に決まらなかった人もいた。(登録会員部分につき、以下省略)

http://www.asahi.com/articles/ASK2S3GVHK2SPTFC006.html

区毎の詳細な資料は辰巳参議院議員がツイートしています。余談ですが、本来は大阪市のウェブサイトに掲載されるべき情報でしょう。

西区と同じく非常に厳しかったのは、中央区・天王寺区でした。申し込んだ児童の内、3分の1以上が1次調整で決まりませんでした。また、北区東部・阿倍野区北部も同様の結果だったと見込まれます。

1次調整の結果発表直後には、多くの方から区・点数・年齢毎の結果をコメント欄からお寄せ頂きました。これらの結果は、「平成29年度一斉入所の個別結果(点数・年齢・内定順位等)を集約しました」にまとめています。

上記した区では200点以上(フルタイム共働き)であっても全滅・小規模保育に内定した方が少なくなく、多くの方が希望する「0-5歳までの保育所」に入所内定した方は決して多くありません。

その原因の一つは、従来から保育施設が少なかった都心部にタワーマンションが続々と建築されてしまった点にあります。朝日新聞の記事(省略されてしまいましたが)でも強く指摘しています。

今後も中心部でのタワーマンション建築は続くでしょう。大阪市も保育施設の新設に力を入れていますが、恐らくは追いつきません。こうした地域では、当面は保育所等へ入所しにくい状況が続くでしょう。