生後9ヶ月の女児が認可外保育施設で死亡した宇都宮トイズ事件、起訴された元施設長の初公判(裁判員裁判)が行われました。暴行は認めた一方、保護責任者遺棄致死については否認しています。

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元女性経営者が初公判で遺棄致死罪を一部否認 検察側「下痢や発熱認知しながら放置した」

宇都宮市の認可外保育施設で発熱などの症状があった女児を放置して死亡させたとして保護責任者遺棄致死罪と、幼児を縛ったとして暴行罪に問われている元施設長の住所不定、無職、木村久美子被告(59)の裁判員裁判の初公判が6日、宇都宮地裁(佐藤基裁判長)で開かれ、木村被告側は起訴内容を一部否認した。

起訴された内容について木村被告は「特にございません」と述べたが、弁護人が「被告はよく分からないまま返答した」と補足、保護責任者遺棄致死罪について起訴内容を否認した。保育中の別の乳幼児2人を毛布やひもで縛る暴行罪については起訴内容を認めた。

冒頭陳述で検察側は「下痢や発熱などを認知していたが、病院に連れて行かず放置した」と指摘。弁護側は「被告には、このままでは女児が死に至るという認識はなかった」と主張した。当時の女児の健康状態や被告が治療の必要性を認識していたかどうかが争点なる。

起訴状によると、平成26年7月23日から「託児室といず」(26年11月に廃止)で宿泊保育中だった山口愛美利(えみり)(当時生後9カ月)に下痢や発熱の症状があったにもかかわらず、適切な医療措置を受けさせずに放置し、同26日未明に熱中症で死亡させたとしている。また、25年4月、預かっていた当時1歳2カ月と8カ月の幼児に毛布を巻き付け、ひもで縛ったとしている。

http://www.sankei.com/life/news/160606/lif1606060016-n1.html

宇都宮市の保育施設で高熱が出た当時9カ月の女の赤ちゃんを放置して死亡させるなどした罪に問われている元責任者の59歳の女が初公判で起訴内容を一部否認しました。

宇都宮市の認可外保育施設「託児室といず」の元責任者・木村久美子被告はおととし、高熱が出た山口愛美利ちゃんを放置して熱中症で死亡させた保護責任者遺棄致死の罪と、別の赤ちゃん2人を毛布でくるんでからひもで何重にも縛った暴行の罪に問われています。
愛美利ちゃんの両親:「本当に憤りを感じます。法廷において真実を明らかにしてほしい」「私たちのなかで消化できない部分を一言一句聞いてきたいと思う」
6日の初公判で、木村被告は暴行の罪を認めましたが、保護責任者遺棄致死の罪については否認しました。検察側は、冒頭陳述で「愛美利ちゃんの発熱や唇の変色は明らかで、危険性を認識していた」と指摘しました。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000076387.html

おととし、宇都宮市の託児施設で保育中の生後9か月の赤ちゃんが死亡した事件で、保護責任者遺棄致死などの罪に問われている元施設長の初公判が開かれ、被告・弁護側は起訴された内容を一部否認しました。

宇都宮市にあった「託児室といず」の元施設長、木村久美子被告(59)は、おととし7月、保育中だった生後9か月の山口愛美利ちゃんに下痢や発熱の症状があるにも関わらず、医師に診せるなどの適切な処置を行わずに放置し、熱中症で死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われているほか、3年前、保育中の子ども2人を毛布とひもで縛ったとして暴行の罪に問われています。
宇都宮地方裁判所で開かれた裁判員裁判の初公判で、木村・元施設長は保護責任者遺棄致死の罪について「とくにありません」と述べました。
また、被告の弁護士は「被害者にぐったりしたような様子はなかった。預かった当初は下痢気味で、その後、発熱もあったが、被害者はもともとよく汗をかいていたので、被告に保護すべきだという認識はなかった」と起訴された内容を否認しました。
一方、暴行の罪について木村・元施設長は起訴された内容を認めました。
続いて行われた証拠調べの中で検察は、保育の連絡帳を示し、愛美利ちゃんが亡くなった日とその前日のページに破かれたあとがあり、証拠隠滅をはかった疑いがあることを指摘しました。
また裁判では、愛美利ちゃんの母親が法廷に立ち、「娘には幸せな明るい未来があったはずで被告を許せません。重い罰を与えて欲しい」などと訴えました。(以下省略)

http://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/1095397762.html

公判は裁判員裁判で実施されています。短期間で集中的に審理が行われ、判決に至るでしょう(追記:判決言い渡しは15日の予定です)。

なお、市及び施設側を相手取った民事裁判も継続している様子です。民事訴訟では、宇都宮市が適切な指導監督等を行っていたかも争点の一つとなっているでしょう。

認可外保育施設における事故について
記者 昨年託児室といずでの事件で、今年、元施設長が逮捕され、元従業員も「市が抜き打ち調査をしていれば、ばれていたかもしれない」と発言したという一部報道があった。現在、民事裁判が行われているが、今後市としてどのように進めていくのか。
市長 この事件は、本当に悲しい出来事であったと思います。ご家族の方には、心からお悔やみを申し上げます。市としては今後そのようなことが繰り返されないよう、行政としてこれからも厳しく対応していきたいと思っています。訴訟の進め方・内容等については現在係争中ですので、ここでは触れることはできませんが、裁判の中では、市が今まで行ってきたことを申し上げたいと思っています。

http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/koho/kishahappyo/034542.html

こうした事件等が発生した場合、多くの自治体で独自の調査委員会等を立ち上げるケースが増えています。しかし、宇都宮市からは調査等を行っている旨の発表がありません。

施設側・他の利用者・他の行政機関等から水面下で情報を集めていると推測されます。が、どこまで集めているか、そしてどの様に活用しようとしているかは全く見えません。

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