(1)いわゆる激戦区
待機児童が多く、保育所等へ入所するのが容易ではない区・地域では、必然的に入所基準点が高くなります。
具体的には入所倍率が著しく高かった中央区・西区・天王寺区、それに次いで高かった福島区・都島区・北区が該当します。
特に中央区・西区・天王寺区は数多くの保育所等の入所基準点が著しく高く、尋常ではない状態と言えるでしょう。

こうした区では小規模保育施設の基準点も高くなっており、いずれの施設にも入所できなかった方が少なくないでしょう。
保育施設は少しずつ増えていますが、ファミリー層の都心流入・保育所志向に追いついていません。

なお、平成27年度一斉入所において区単位での入所基準点が最も高かった天王寺区について、詳しい情報をお寄せ頂きました。
固有名詞を伏せて引用します。

天王寺区民0歳児の母親です。いつもとても参考にさせて頂いています。

先日、天王寺区役所に今年度1歳4月の入所状況を聞きに行きました。A保育園やB保育園、C保育園は207点でも入れない人が出ているとの事です。200点のみでも入れた方がいるところを聞いたら、D保育園かE保育園なら全員ではないけれど入れている人もいるとの事でした。2歳児以降はさらに厳しいと。認可外の保育園に見学に行った際には今年は例年以上に207点でも入れず、認可外に継続して預けている方がたくさんいる…と話されていました。

情報のご提供、ありがとうございます。
天王寺区の1-2歳児は207点でも入所できなかった児童がいるそうです。
同区で保育所入所を検討されている方は、こうした実態をご理解下さい。
他の激戦区と比較して天王寺区は保育所の新設数が少なく、こうした事態に拍車を掛けています。

(2)新入所者が少ない
新入所者を受け入れる枠が少なければ、必然的に基準点は高くなってしまいます。
また、こうした保育所は夜間保育・病後児保育等といった特色がある場合も多く、申込者を更に集めている要因だと推測されます。

(3)駅前すぐ(梅田・中之島への自転車通勤も含む)
激戦区以外の場合、駅前すぐにある保育所も人気があります。
通勤途中に無理なく立ち寄れるのは、限られた時間で仕事・家事・育児をこなさなければならない保護者にとって大きなメリットです。
保育所等へ入所するのが困難ではない区であっても基準点が高い保育所は、多くは各区の拠点駅のすぐ近くにあります。
上新庄駅(東淀川区)や野江駅・鴫野駅(城東区)・コスモスクエア駅(住之江区西部)が分かりやすい例です。

なお、今年もコスモスクエア駅前にある「こすも保育園」の入所基準点は著しく高いままでした。大規模マンションが建ち並ぶポートタウン北部にある認可保育所は同園しかありません。保育所等の公募を行っても選定に至らず、ポートタウン北部の待機児童問題は長期間に渡って続く可能性が高いでしょう。
また、梅田や中之島へ自転車通勤できる地域にある福島区東部の保育所も入所するのが難しくなっています。

昨年の同記事と比較すると、半数弱の保育所等が入れ替わっていました。
極一部の保育所等は毎年多くの第1希望者を集めていますが、それ以外は年によって若干の変動があるのでしょう。

大きく変動した印象があるのは阿倍野区です。
例年は北部の保育所の基準点が著しく高い傾向にありましたが、今年は和らいでいます。
あい保育園昭和町の新設により、それ以外の保育所へも入所しやすくなったのでしょう。

基準点が高い保育所等への入所を希望するのであれば、当然ながら高い点数が求められます。
少なくともフルタイム共働きによる200点、1-2歳児入所であれば更に何らかの加算点が要請されます。
こうした客観的な状況を考慮せずに入所申込みを行うと、「入所保留」という結果に繋がりかねません。

次回以降は各区毎の状況を検討していきます。
「○○区の結果を早めに分析して欲しい」「○○保育所の内容を詳しく!」というご要望等がありましたら、コメント欄やお問い合わせからご連絡下さい。