大阪府の吉村知事は物価高騰対策として総額約400億円の補正予算を編成する方針を発表しました。
子ども食費支援事業(第5弾)および若者食費支援事業(第2弾)として、物価上昇を踏まえ、お米などの電子クーポンの支給額を前回の7,000円から3,000円増額し、1人あたり1万円とします。
子育て・若者への食費支援には、これまでの施策で手数料のかかる「お米券」ではなく、手数料が発生しない電子クーポン方式を採用していることを説明しました。
大阪府ほどの大規模自治体が「お米券」を配布するのは膨大な手間暇や事務コストが掛かります。一方で多くの府民が物価高騰に苦しんでいます。特に育児負担が重い子育て世帯の家計を直撃しています。働き手以外の生活を背負っているという点において、生活が苦しい単身世帯等とは性質が全く異なります。
大阪府子ども食糧支援事業(お米クーポン)も第5弾となりました。初回は子供(胎児を含む)1人あたり5,000円のお米クーポンが、第4回は7,000円に増額、そして第5回は1万円へと更に増額される見通しです。
多くの子育て世帯にとって「お米」は生活必需品です。確かに小麦製品に切り替えた方が安く済むかもしれませんが、すぐにお腹が空いてしまいます。子供の弁当に詰めるお米も必要です。代替財では補えません。
我が家は5kgのお米を1週間~10日程度で食べきってしまいます。近所のスーパーマーケットでは5kgのお米が4,500円~5,000円程度(税込)で販売されています。出切り限りやすいお米を購入しようとしていますが。税込4,000円が限界です。
1万円分のお米クーポンがあれば、12.5kg程度のお米が購入できる計算です。我が家の消費度合いでは、20日~25日程度は食べられます。非常に助かります。
お米の消費量が非常に激しい子育て世帯にとって、政府が強く推奨している「お米券」を配布されても当惑してしまうところでした。
大半の大手スーパーマーケットでは利用出来ますが、レジで10枚以上のお米券と端数を現金で支払うのは手間です。小さな子どもと一緒に買い物をする際にそんな作業はできません。支払に時間が掛かる内にどこかへ走って行ってしまいます(大抵はお菓子コーナーにいる)。
その点、スマホで支払えるお米クーポンは楽です。大阪府も子育て世帯も小売店も慣れています。レジで商品を読み込む前に「お米クーポンを使いたい」旨を伝えれば、後は手順を教えてくれます。
ただ、米価高騰に対する根本的な対策は「米価の引き下げ」です。ここ数日の間、新米の売れ行き不調によって在庫が山積みとなり、近い内に米価が下がる見通しであるような報道がありました。
しかしながら、本当に米価が下がるまでは信用できません。「見通し」は統計上の誤りや政策転換等で容易に覆ります。
なお、大阪府が子育て世帯に配布する「お米クーポン」と、大阪市が実施する「プレミアム付き商品券」は別の制度です。
大阪市で子育てしている世帯は、「子ども1人あたり1万円のお米クーポン」と「商品券のプレミアム部分」が得られます。まとまった金額となりますが、多額の子育て費用や物価高騰による出費増には到底足りません。
支払時に注意が必要ですね。気を抜いていると、「お米クーポン」で支払うつもりが他の商品と一緒に「プレミアム付き商品券」で精算されかねません。
