2026年度保育所等一斉入所申込状況分析、第4回は旭区です。

※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

著しい保育所等不足、0歳児入所倍率1.01倍・1歳児1.85倍(市内ワースト)

旭区は全年齢を通じた入所倍率は1.38倍でした。昨年に引き続き、市内で最も高い区となりました。申込数は前年より45人増の573人、募集数は35人増の414人となりました。入所倍率はほぼ横ばいです。主に1歳児の申込数・募集数が増加しました。

どうして旭区の入所倍率はこれほど高い数字なのでしょうか。保育所等が不足しているのは当然として、それに加えて1歳児の募集数が相対的に少ないのが大きく影響しています。

旭区の0歳児は募集数123人に対して124人が申し込みました。入所倍率1.01倍です。此花区に次いで市内で2番目に高い倍率となっています。数字の上では申込数と募集数が均衡していますが、第1希望の多くは6年保育を行う保育所等に集中します。

仮に一斉入所で申し込んだ0歳児が全員内定したとすると、2次調整や年度途中入所で入れる枠は無くなってしまいます。事実上、年度後半に産まれた児童は1歳児クラスからしか入所出来ません。

より厳しいのは1歳児です。旭区の1歳児募集数は137人、これに対して253人が申し込みました。入所倍率1.85倍は市内ワーストです。しかしながら、申込数が旭区より多い区は多々あります。旭区で事態を深刻化させているのは、1歳児募集数の少なさです。

よく見るとおかしな点に気づくと思います。0歳児申込数より1歳児申込数の方が多いにも関わらず、0歳児募集数より1歳児募集数の方が少ないのです。逆転現象が起きてしまっています。他にも同様の区はありますが、入所倍率が低い0歳児の時点で入所できています。

旭区の子育て世帯は0歳児入所倍率の高さに弾かれ、1歳児募集数の少なさにも弾かれているのです。

2-3歳児での入所も難しいです。1歳児で入所出来なかった児童が2歳や3歳でも申し込んでいると推測されます。それでも入所倍率が高く、なかなか入れません。

旭区はとにかく保育所等が足りていません。加えて、保育所等が設置されている場所に著しい偏りがあります。

設置場所の偏在が第1希望の集中を招く

年齢別に見ていきます。0歳児入所倍率が2倍を超えたのは、森小路保育所・太子橋保育園・トレジャーキッズたかどの保育園でした。

森小路保育所は入所倍率が毎年高く、旭区内で入所するのが最も難しい保育所等の一つです。2026年は0歳児入所倍率が2.8倍、1歳児は6.6倍となっております。いずれも何らかの加点が必須です。

同保育所に第1希望が集中するのは構造的な理由があります。地下鉄千林大宮駅周辺の広範な地域に於いて、6年保育を行う保育所等は森小路保育所しかありません。


https://www.city.osaka.lg.jp/asahi/cmsfiles/contents/0000589/589427/R6_10syoubuchanMAP.pdf

今市地区と大宮地区(北部・中部)に済んでいる子育て世帯や、同駅を利用して通勤する多くの世帯にとって、最も利便性が高いのは森小路保育所となるでしょう。

太子橋保育園は守口市との境に近い場所にあります。ここに入所出来ない場合、次に近いのは今市交差点付近にある別の保育所等となります。遠距離通園を強いられてしまいます。1次調整で入所出来なければ、守口市内の保育所等も候補となります。

トレジャーキッズたかどの保育園は全年齢を通じて非常に多くの第1希望が集中する保育所等です。こちらも地下鉄関目高殿駅や京阪森小路駅周辺では限られた、6年保育を行う保育所です。周辺地域や両駅を利用する子育て世帯が集中する構図です。

高殿地域や高殿南地域にも保育所等が足りていません。こうした地域では都島区や城東区にある保育所等も候補となります。

とにかく旭区は今市地区・大宮地区(中部以北)・高殿地区に6年保育を行う保育所等を作って下さい。明らかに区民ニーズを汲み取れていません。

保育所等の不足と偏在による悪影響は1歳児申込で噴出します。残念ながら100人以上の1歳児が入所保留となる見通しです。何と5か所もの保育所等で第1希望が3倍を超えています。

つぼみ保育園(3.63倍)は高殿地区(地下鉄谷町線以西)で唯一の保育所です。森小路保育所(6.6倍)は上記の通りです。清水地区は保育所等が著しく不足しており、清水保育所(3.33倍)やはれもんのこ清水保育園(小規模/2.33倍)の入所難に繋がっています。

大阪YWCA大宮保育園(3倍)は大宮地区北部や周辺地域の6年保育を一手に担っています。AIAIMINI太子橋今市や大阪YWCAこひつじほーむは1歳児募集予定がなく、大阪YWCA大宮保育園の1歳児申込は更に増えかねません。トレジャーキッズたかどの保育園は言わずもがなです。

これらの保育所等に加点無しで入所するのは容易ではありません。周辺他園の動向次第では、更に入所倍率が上がる可能性もあります。かといって他に希望を変更する先も乏しく、非常に難しい判断と選択を迫られます。

1歳児の入所難は2-3歳児にも影響します。ただ、あけのほし幼稚園・大阪YWCA大宮保育園・大宮第1保育所は2-3歳児の募集人数が多く、区全体の倍率を引き下げています。裏返すと、これ以外の保育所等に2-3歳児で入所するのが難しいとも言えます。

旭区の問題は「保育所等不足と地域偏在」です。保育所等を利用しづらい地域だと感じています。可能な方は、都島区や城東区にも視野を広げて検討して下さい。

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回は阿倍野区、それ以降は平野区・住之江区・城東区・都島区を予定しています(順序は前後します)。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。

皆様に運営支援へのご協力もお願いしています。必要な育児・生活・事務用品等がありましたら、ウェブサイト上に設置している楽天リンクらご購入頂けると幸いです。