スクルドエンジェル保育園大和代官園(神奈川県大和市)の40代女性園長(当時)が園児に虐待行為を行っていました。事態が明るみになった直後に園長は退職しましたが、同市は立入調査等をせず、同園も保護者へ説明等を行っていません。
神奈川県大和市の保育園について、「逆さ吊りや足蹴にするなどの暴力や暴言を園長が園児に行っていた」との報告を受けながら、市が立ち入り調査を行わず、虐待に該当するかの判断すらしていなかったことがわかりました。
園の関係者
「足を引っ掛けて転ばせて、その子が泣いて立ち上がるとまた足引っ掛けて転ばせて。(逆さ吊りは)その子が泣いてても特にお構いもせず、長いときは何十秒かやってたりしました」こう話すのは、大和市にある0歳児から2歳児までが通う認可施設、スクルドエンジェル保育園大和代官園の関係者です。
JNNが入手した去年11月、園が市に提出した内部資料。40代の当時の女性園長が複数の園児に対し、▼おもちゃを取り上げたうえ、足蹴にして突き飛ばす、▼「ぶっとばす」などの暴言を吐く、▼逆さ吊りにして床に置いたあと、その上に座り、スマートフォンを操作するなどの暴力や暴言を行ったとの証言が職員への調査で得られたとしています。
これに対し、園長は「虐待や不適切保育にはあたらない」と主張したものの、直後に自主退職したということです。
大和市はこうした報告を受けながら立ち入り調査を行わず、虐待に該当するかの判断すらしていませんでした。園も保護者への説明を行っていません。
園児の保護者
「(当時の)園長がやめたのも急にだったので、理由もなく、理由も聞かされずという感じだったので」取材に対し、市の担当者は「園長がすぐに辞め、再発防止策も示されたことなどから、虐待かどうかの判断もせず、事案を終結した」と答えました。(以下省略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/92f480922b13d82f58b6f6ceb28d88fb5ca76a10
スクルドエンジェル保育園大和代官園は神奈川県大和市代官2-16-12に設置されています。米海軍厚木基地の目と鼻の先にあります。最寄駅は小田急電鉄江ノ島線高座渋谷駅ですが、1.3kmほど離れています。近所の方や自動車で登園する方が多い地域でしょう。
同園を運営しているのは株式会社メーティス・リルです。スクルドアンドカンパニー(現SOUキッズケア株式会社)のFC事業に加盟する形で、スクルドエンジェル保育園を運営しています。
同園の運営ノウハウ等を提供してサポートしているのがSOUキッズケア株式会社です。
「スクルドエンジェル保育園 FCの強み」として、「豊富な認可保育園実績に裏付けされた様々な保育ノウハウが満載」「多彩で質の高い幼児教育導入による
徹底した差別化戦略」「オーナーへの万全なサポート体制」「各自治体における認可種得のためのノウハウ」「保育園のオーナーには保育士の資格は必要ありません。」「利益率が高く、短期間で投下資本を回収(ROI)出来ます。」と強調しています。
子供や保護者の為の保育よりもむしろ、「無資格でも参入できる保育事業による効率的な営利活動」に重点が置かれています。強い違和感を覚えます。
指示・助言系統はSOUキッズケア(フランチャイザー)→メーティス・リル(フランチャイジー)→スクルドエンジェル保育園大和代官園(保育園)となります。
TBSが入手した「園長による不適切保育に関する調査報告書」には、関係者が目撃した「園児に対する不適切な行為」が列挙されています。
・園児が遊んでいるおもちゃを取り上げた上で、泣きながら取り返そうとする園児を足蹴にし、突き飛ばした。
・園児を逆さづりにして床に置いた後、その上に座りスマートフォンを操作。
・園児に「うるせーよ」と暴言を吐く。
・午睡中の園児をコットに叩きつけるなどの暴力的行為。
・泣き続ける園児を事務所の奥に閉じ込め、担任の介入を拒否。
・園児を羽交い締めにし、無理やり給食を食べさせる。
・園児を逆さ吊りにする。
・園児がお茶をこぼした際、「ぶっとばす」と発言。
この他にも「日常的な不適切行為」、更に「園長の勤務中の問題行動」という項目もありました。
・一部職員への威圧的な態度や言動。
・保育室で私用電話をしながら園児を足蹴にする。
・保育中にYouTubeを見せる。
・特定の職員とだけ話し込むなど、園児への注意が散漫。
・職員への好みの偏りや配慮に欠ける発言が見られる。
「虐待」以外の表現は見当たりません。
ただ、同園へ指導監督等を行う大和市は、園への立入調査を行っていないそうです。確かに同園や運営会社が提出した報告書には様々な不適切行為等が網羅的に記されています。しかしながら報告書の記載から漏れていたり、保育以外の不適切行為(施設管理・保育士配置・会計等)も行われていた可能性が拭えません。事前通告無しの立入調査が必要でした。
運営会社のウェブサイトにて興味深いページを見つけました。「保育士の転職理由から見えたブラック保育園の見極め方」と題するコラムです。ここに「ブラック保育園を見抜く方法」という項目があり、その一つに「園長がどんな人かよく確認する」との文章がありました。
園長がどんな人かよく確認する
ブラックな保育園で最も権限と影響力を持っているのはほとんどの場合園長です。そのため、園長の人となりや仕事振りを注意深く観察すればその保育園がブラックであるかどうかを見極められる場合があります。比較的規模の小さい保育園であれば、普段の保育でも園長自ら現場に出て働いているケースが多いです。機会があれば子どもに対する接し方や、保護者とやり取りする際の表情などを観察してみましょう。規模が大きめの保育園の場合は入社前の職場見学が貴重なチャンスです。積極的に質問やコミュニケーションを行い、園長の人柄や保育方針を掴む事に努めましょう。
園長が行っていた行為は、同社が指摘している「ブラック保育園での園長」と一致しています。同園で働く保育士等が園長の人となりや仕事振り、子供に対する接し方を観察した結果、詳しい報告書が出来上がりました。