JR東海より)

年末年始の新幹線料金が実質的に大幅値上げされ、子育て世帯の家計を直撃しています。

年末年始の新幹線が高い! のぞみ(東京ー新大阪)は最大810円(EXIC/大人)値上げ

要因の一つは「東海道・山陽新幹線の全席指定席化」でした。自由席の大混雑や長蛇の列を解消する目的がある反面、実質値上げという側面も否定できません。

この結果、年末年始の東海道・山陽新幹線の予約状況はどうなっているのでしょうか。大人2人・子供2人で設定したエクスプレス予約にて、東京駅発の電車を見ていきます(以下の画像はエクスプレス予約より)。

年末に最も予約状況が集中しているのは12月29日です。何と普通車指定席で空きがあるのは最終ののぞみ59号(東京駅18時51分発→博多駅23時51分着)だけでした。

グリーン席も始発から全滅、予約出来るのはのぞみ179号(東京発16時21分→博多着21時18分)以降の列車でした。

12月30日も酷い状態です。始発からの当面の指定席は全席予約済、グリーン車もほぼ全席が予約済です。

グリーン席で空きがあるのは、のぞみ177号(16時0分東京発→21時3分博多着)以降でした。空いている座席は極少数であり、シートマップ(特定の座席を予約する機能)は利用出来ません。

普通車指定席で空きがあるのは、のぞみ187号(17時21分東京発→22時14分博多着)以降でした。

翌12月31日も混雑していますが、30日よりは大幅に緩和しています。指定席は7時~13時まではほぼ予約済ですが、それ以降ならば今でも購入できます。

東京駅を13時30分に発車するのぞみ37号に乗車すれば、博多駅に18時30分に到着します。

28日の混雑状況は31日と30日の間ぐらいです。東京駅を15時以降に出発する新幹線は概ね指定席が未だ空いています。但し、18時以降に出発するのぞみ指定席は予約済です。仕事納め後に飛び乗る方が多いのでしょう。

表にまとめます。

日付のぞみ普通車指定席の空き(東京駅発)
12月28日15時~17時台まで
12月29日最終のみ
12月30日17時21分発以降
12月31日6時台、及び13時台以降

あくまで推測となりますが、年末年始の全席指定席化は乗客が29日・30日へ過度に集中するのを妨げる効果があったでしょう。

結果として新幹線に乗車したい帰省客は28日や31日に分散化しています。が、その2日でも空いている指定席は一部の列車に限られています。

となると、東京から博多へ帰省するファミリー層が利用するのぞみは、28日から31日に掛けてほぼ全席が予約されています。今からみどりの窓口で予約しようとしても、小さな子供を連れてまとまって乗車できる指定席は購入できません。

恐らくは年末年始は東海道・山陽新幹線の輸送能力が不足しています。これまでは多くの列車の自由席に押し込むことによって確保できていましたが、今年はできません。

発生する可能性が高いのは、東京駅に着いても新幹線に乗れずに途方に暮れる帰省客です。これだけ様々な媒体で「全席指定席」と伝えても、気にしない方は一定数います。

年末のニュース等でこうした帰省客が取り上げられ、中には「JRは酷い」という意見も強調されるでしょう。

代替方法も検討したのですが、いかんせん年末は東京→新大阪も新大阪→博多も殆どが全席予約済です。

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(追記)
代替手段として候補となるのは「自由席特急券」と「ひかり・こだま自由席」です。

全席指定席の「のぞみ」であっても、自由席特急券を購入してデッキに乗車することは可能です。

が、小さな子供が長時間に渡ってデッキで過ごすのは難しいです。初めはデッキや外の景色が物珍しくてはしゃいでいても、徐々に疲れてきます。抱っこをせがまれても、立ち続けている親に大きな負担が掛かります。

個人差はあるでしょうが、1時間程度なら何とか親の努力で持ち堪えられます。でも、それ以上は難しかったです。東京→博多をデッキで立ち続けるのは、大人でも厳しいです。

が、「この日の日中ののぞみにしか乗れない」という方が自由席特急券を買い求め、デッキが大混雑する可能性は否定できません。

仮に指定席車両に流れ込んだら、今度は指定席購入者とトラブルが起きかねません。特に立ち続けている小さな子供がぐずる声は辛いです。

「ひかり・こだま自由席」は混雑状況が全く読めません。これらの列車の指定席ものぞみ同様に満席です。自由席に座りたいが為に、相当前から並ぶ客もいるでしょう。

また、ひかりやこだまは博多まで運行しません。新大阪ないし岡山止まりが専らです。仮に東京駅から座れたとしても、その先の算段が持てません。みずほ・さくらは年末年始も自由席が設けられていますが、大混雑は必至です。

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言えるのは「年末の下り東海道・山陽新幹線を予約出来ていないファミリー層は、帰省の断念も検討して下さい」という冷たい事実です。

下りの予約が出来ていなければ、上りの予約も出来ていないでしょう。長距離の往復移動を終日発ちっぱなしで過ごすのは難しいです。