保育所は年々増加し、統計の上では待機児童数も減少しています。
しかしながら、決して入所しやすくなったとは言いにくいのが実情です。
何故でしょうか。

 国が2017年度内の待機児童ゼロを目指し、女性がさらに働きやすい社会をつくる方針を示してから約1年半が過ぎた。自治体による保育園整備は着実に進むが、企業の人手不足による求人増などを背景に保育園の利用希望者も増加。今年4月の全国の待機児童数は2万1371人と、4年連続で減少したが依然高水準だ。「入りやすくなった実感が持てない」。そんな働く母親たちの今を追った。

 「門戸が広がると期待していたけど、認可保育園に預けるのはやはり難しいのかな」。千葉県船橋市の中島由紀さん(29)は複雑な思いで、市から申込書類を受け取った。

(以下省略)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFE22H0P_V20C14A9NNMP00/

待機児童が発生している都市部等においては、保育所入所に際しては「保育の必要性」という観点から、両親の就労状況等を基準にした「ポイント制」によって入所審査が行われます。
フルタイムでも入所しにくい地域もあり、上記記事で取り上げられている週3日、特に入所枠が相対的に少ない1歳児となると極めて厳しい状況でしょう。

子供が小さい内は体調を崩す事も多いです。
ブランクを避ける観点や仕事との兼ね合いから、当面は週3日程度や短時間での勤務は子供にとって優しい選択でしょう。
しかしながら、そうした勤務形態で都市部の保育所へ入所するのは困難なのが実情です。
記事にある通り、「保育園の制約で、女性の働き方は今もフルタイムか否か事実上の踏み絵を迫られている。」という現状です。
一定の期間を経てからフルタイム勤務を希望したとしても、出産前後のブランクや育児に伴う制約を嫌う企業も少なくありません。

兄弟姉妹で別の保育施設を利用せざるを得ないケースも大変です。
物理的な移動時間が余計に掛かり、保育所毎の連絡内容や行事予定等も異なり、掛かる時間は倍以上となってしまうでしょう。
大阪市に限らず、既に兄姉が希望する保育所へ在籍している場合は入所選考時に優遇されるのが一般的です。
ただ、就労形態や希望する他の児童のポイントによっては、兄姉が在籍していても入所できないケースもあります。
弟妹の入所を検討されている方は、念のため、希望保育所の前年の入所状況・倍率・兄姉がいる世帯は無事に弟妹が入所できているか否か、等をご確認下さい。

求職と保育所探しを同時に進めるのも大変です。
既に就労している方に比べ、求職中の場合は相対的に低いポイントとなってしまいます。
待機児童が発生している地域で認可保育所へ入所するのは困難でしょう。
認可保育所以外の保育施設へ入所した後、年度初め等に希望する保育所等へ転所するのがベターだと感じます。
入所枠がない限りは年度途中入所は行えなず、途中入所申込書を提出して区役所からの入所決定連絡を待つしかありません。