昨日1月14日、大阪府・兵庫県・京都府・愛知県・岐阜県・栃木県・福岡県へ緊急事態宣言が発令されました。
年末には「大阪府の感染者数は少しずつ減少しているから、何とかこのペースを保ってくれれば」と思っていましたが、残念ながら年明けから急増に転じてしまいました。
昨年春の第1波とは異なり、今回の緊急事態宣言にあたっては原則として「通常通りの教育・保育活動を行う」とされています。
先に緊急事態宣言が発出された首都圏では、一部の公立高校や私立学校等で分散登校やオンライン授業、そして一部自治体では登園自粛や保育短縮の要請を行っています。
関西はどの様な様子でしょうか。大阪府・兵庫県・京都府の政令市や中核市の対応を集約しました。
通常保育 | 登園自粛等の要請 | 保育時間の短縮要請 | 保育料等の減免 | |
大阪市 | ○ | |||
堺市 | ○ | |||
高槻市 | ||||
東大阪市 | ||||
豊中市 | ||||
枚方市 | ○ | |||
八尾市 | ○ | ○ | ||
寝屋川市 | ○ | |||
吹田市 | ○ | |||
神戸市 | ○ | |||
尼崎市 | ||||
西宮市 | ○ | |||
明石市 | ○ | |||
姫路市 | ○ | |||
京都市 |
関西の殆どの主要都市は、通常通りの保育を実施しています。仮に保育が制限されてしまうと、子育て世帯(特にひとり親世帯)の就労が著しく制限されてしまいます。家庭保育を行いながら在宅勤務を行うのは困難です(できるという人はやってみて下さい)。
例外的に家庭保育や保育時間の短縮を(お願いベースで)要請しているのは大阪府八尾市です。
市立認定こども園・保育所では、先般の大阪府新型コロナ警戒信号の赤色点灯に伴い、平常どおりの保育を行いつつ、多くの方の来園が予想される行事や密集・密接のおそれがある行事を原則中止または延期していますが、緊急事態宣言が発出された後もこの対応を継続いたします。
保護者の皆様におかれましては、可能な範囲で早めにお迎えに来ていただくとともに、土曜日をはじめ、保護者のいずれかの仕事がお休みであるなど、家庭で保育ができる場合はご協力いただきますようお願いいたします。
ご不便をおかけすることとなりますが、緊急事態宣言の趣旨に鑑み、何とぞご理解いただきますようお願いいたします。
「可能な範囲で」という注釈が最大限に尊重されれば良いのですが、この文言を拡大解釈して早いお迎えや家庭保育を強いられると辛いです。
緊急事態宣言下での行事をどうするか
多くの保育所等が悩んでいるのは、1月~3月に予定している行事(発表会・遠足・卒園式等)はないでしょうか。恐らくは大半の自治体は「行事等を延期・中止するように」との通知を発しているでしょう。
遠足については「マスクを着用できない」のが大きな制約条件になっていると聞きました。公園等の屋外ならまだしも、屋内型の施設に大人数の園児がマスクを着用せずに入場するのは躊躇われてしまいます。
例年は公共機関を利用して屋内型の遊興施設へ遠足へ出掛けていたものの、今年は貸切バスを利用して屋外の大規模公園にと予定を変更した事例を聞きました。時期も3月へずらすそうです。
非常に悩ましいのは1年の集大成たる発表会や卒園式ですね。大阪府等が求めている「イベントの開催制限」の適用対象となる恐れがあります。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38112/00000000/2-1_redstage-35.pdf
先生方や園児のみの参加なら大きな問題は無いのですが、ネックとなるのは大勢の保護者です。
園児・保育士・保護者が園内の講堂やホールに集うと、密になるのは避けられないでしょう。昨年の卒園式では出席する保護者の人数を1-2人と制限したり、中には保護者参加を拒んだ施設もありました。
解決策は「より広い会場を利用する」「保護者の参加人数を限定する」「時期を先送りする」等が考えられます。
広い会場の典型例は小学校等の体育館ですね。通常期は多くの予約が殺到しがちです。また、レッドステージや緊急事態宣言下では施設の貸出を取りやめる自治体が多いでしょう(大阪市もその一つ)。
反対に「今なら空いている」とも言えます。ただ、万が一にもクラスターが発生した場合の責任の所在等が難しく、容易ではないと感じます。
保育所等が負担無く選択できるのは、保護者の人数制限ですね。発表会等には保護者1名だけが参加する家庭もあれば、父母・祖父母・兄弟姉妹が揃って参加する家庭もあります。
これを「保護者1-2名(+未就学児)」とすると、それなりに人数は減らせます。ただ、会場によっては、それでも密となってしまうでしょう。「収容率50%」が一つの目安となりそうです。
保護者としては「せめて1人だけ参加させて欲しい」のが本音です。昨年の卒園式で保護者参加を拒んだ施設が複数あった話を聞き、悲しくなったのを思い出しました。
「時期の先送り」も検討して欲しいですね。新型コロナウイルスが急拡大した一因には、寒さと換気不足が指摘されています。
1-2月はまだ寒さが厳しく、コロナの大流行が続く可能性が高いです。となると、園関係者の間に感染者が入り込んでしまう可能性も高まります。
一方、3月になって寒さが和らげば、大流行が抑制される見通しも持てます(あくまで個人の考えです)。窓を全開にした換気も行いやすくなるでしょう(これは確実)。
2月中に予定していた発表会を3月に、3月上旬に予定していた卒園式を中旬~下旬に動かせば、一定の対策になり得ると考えられます。
但し、一部の園で行っている「謝恩会」は絶望的ですね。保護者や園児のみで行う「卒園パーティー」も見送らざるを得ません。楽しい催しですが、仕方ありません。
様々な知見を元にして対策を複合的に組み合わせ、保護者の声も踏まえた上、「感染防止」を前提としつつ、可能な範囲で例年通りの行事を行って欲しいですね。