東京都の1月8日の感染者数は2,268人でした。ベースラインが2,000人になってしまうのでしょうか。陽性率が余りに高く、感染者を拾い切れていないと感じます。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/

大阪府は647人でした。来週以降はより増加する恐れが強いです。

大阪府・兵庫県・京都府が今日9日に緊急事態宣言の発出を要請しました。週明けの12日以降にも3府県を対象とした緊急事態宣言が発出される見通しです。

関西3府県知事が緊急事態宣言の発令を要請

京都、大阪、兵庫3府県の知事は9日、政府に対し、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発令を正式に要請した。

https://this.kiji.is/720523344956588032

首都圏の1都3県に発出された際は、「学校は休校にならない」との旨が何度も報道されました。

一方、保育所等に関して触れた報道は殆どありませんでした。開所するか否か、不安に感じている方もいるでしょう。

実は厚生労働省が「緊急事態宣言が発出された地域における保育所等の対応について(周知)」という通知を発しています。「保育所、放課後児童クラブ等については、感染防止策を徹底しつつ、原則開所していただきたいこと。」が主な内容です。

緊急事態宣言が発出された地域における保育所等の対応について(周知)

このたび新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第32条に基づく緊急事態宣言(以下「今般の緊急事態宣言」という。)が発令され、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県で令和3年1月8日より緊急事態措置を実施することとなりました。今般の緊急事態宣言が発令された後の保育所等の対応について、下記のとおり取りまとめましたので、お知らせします。都道府県におかれましては、管内市区町村に対する周知をお願いします。

なお、今般の緊急事態宣言は、令和3年1月7日付けで変更された「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に記載のとおり「社会経済活動を幅広く止めるのではなく、感染リスクが高く感染拡大の主な起点となっている場面に効果的な対策を徹底する。すなわち、飲食を伴うものを中心として対策を講じることとし、その実効性を上げるために、飲食につながる人の流れを制限する」ものであり、令和2年4月7日から同年5月25日にかけて発令されていた緊急事態宣言の際に想定していた対応である「緊急事態宣言後の保育所等の対応について」(令和2年4月7日付け事務連絡)は適用しないこととなりますので御留意ください。

また、今般の緊急事態宣言の発令等を踏まえ、以下について改正を行っていますので、こちらも併せて御参照ください。

○保育所、放課後児童クラブ等については、感染防止策を徹底しつつ、原則開所していただきたいこと。

感染防止策については、保育所等Q&A問5や13事業FAQ問4等でお示ししてきたとおりの内容であるため、改めて御了知いただきたいこと。また、保育所等において感染者が出た場合等の対応についても、保育所等Q&A問2や13事業FAQ問2等でお示ししてきたとおりであり、引き続き適切に御対応いただきたいこと。

なお、認可外保育施設においても、各施設において同様の取扱いが行われるよう、都道府県、指定都市、中核市又は児童相談所設置市で、必要に応じた情報提供及び助言等を実施していただきたいこと。

https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000716411.pdf

この通知を受けて保育所等は従来通りに開所されると思いきや、一部の自治体は登園自粛や時短を要請しているそうです。

緊急事態宣言下における東京23区や政令市等による保育実施状況について一覧にしました。

通常保育登園自粛等の要請保育時間の短縮要請保育料等の減免
千代田区
中央区
港区
新宿区
文京区
台東区
墨田区
江東区
品川区
目黒区
大田区
世田谷区
渋谷区
中野区
杉並区
豊島区
北区
荒川区
板橋区
練馬区
足立区
葛飾区
江戸川区
八王子市
横浜市
川崎市
相模原市
さいたま市
千葉市
流山市

厚労省通知に則って「原則開所」という取り扱いは共通していますが、その細部には差が生じています。

大半の自治体は通常保育を行うとしています。

一方、文京区・目黒区・世田谷区・渋谷区・荒川区・相模原市は登園自粛(家庭保育)の要請を、北区・横浜市は保育時間の短縮を要請しています。

これはあくまで「自治体からの要請」です。具体的にどの様な運用を行うかは、保育所等毎によって大きな違いがあるでしょう。

各家庭の保育を手助けする観点から登園自粛要請を事実上無視して通常通りの保育を行う施設もあれば、厳格に運用して育休中やテレワーク中の家庭による利用に難色を示す施設もあるでしょう。

保育を希望しているのに難色を示された際は、厚労省通知を元にして自治体へ相談されるのが良いと思います。

大阪府・兵庫県・京都府では来週にも緊急事態宣言が発出されます。愛知県・岐阜県・栃木県でも検討が進められています。

これらの府県における自治体でも、保育をどの様に実施するかは判断が分かれそうです。大阪市からもまだ判断が示されていません。

ただ、あくまでこれらは現時点(1月9日)での方針です。今後の感染状況等によって方針が変更される可能性もあります。

私自身が心配しているのは、従来より感染力が高いとされる「変異種の流行」です。

もしも日本国内で変異種が流行し始め、学校・幼稚園・保育所等で次々とクラスターが発生したら、臨時休園・休校せざるを得なくなるかもしれません。

そうならないのを祈ると共に、感染予防対策、そして休校休園時の対応を考えておくのが良さそうですね。

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(追記)
近畿3府県は緊急事態宣言の発出を正式に要請しましたが、国は「来週末まで分析したい」との対応でした。

京阪神3知事が「緊急事態宣言」発出を要請 政府は慎重に判断へ

吉村知事は、西村大臣からの説明として「尾身会長の判断にしても、この2~3日で急増しているため、なぜ増加になっているのかの分析も踏まえ、来週末くらいまでは増加の分析を国の専門家としてする必要があるというご意見でした」と説明した。

また、同分科会の構成員で医療の専門家である東北大学の押谷仁教授の意見として「年末年始がはさんでいるので、これまで検査に行かなかった若い世代の方がコロナを巡る報道事実もあり、普段であれば検査に行かない方が、この時期において検査にいかれた可能性がある。そのあたりを精査し、感染者の動向をきちんと見極めていく必要がある説明を受けた」と明かした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/491dd691b5571617937e0c76da29546315305548

(1/14追記)
朝日新聞も取り上げています。

保育園、一部自治体が「登園自粛」求める 原則開園が…
https://digital.asahi.com/articles/ASP1F737KP1FUTIL01H.html