過去最多である155人の感染者を発表した7月28日、第22回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議が開催されました。

そこで配布された資料を基に、衝撃的な数字が掲載されていたのでご紹介します。

緊急事態宣言等を行わなければ、8/14に新規陽性者753人に

衝撃的な数字です。お盆に新規陽性者が700人を突破する試算です。

厚生労働省が6月に示したシミュレーションに基づき、効果のある感染防止対策を7月末まで取らない場合には、感染者が増え続けて8月14日には1日753人に達するとの試算も示された。

https://digital.asahi.com/articles/ASN7X6TQ1N7XPTIL02L.html

会議で配布された資料にグラフ等が掲載されています。

ここで言う「効果のある感染防止対策」とは、「3月から5月に行われた協力要請と同等の効果ある要請」を示しています。つまり、休日や夜間の外出自粛、そして緊急事態宣言です。

大阪府が府民等に求めているのは主に「5人以上の宴会・飲み会自粛」「イベントの人数制限」「コロナ追跡システムの導入」「感染ガイドラインの遵守」「テレワーク7割」「体調不良者の自宅待機」等に過ぎません。

イエローステージ(警戒)の対応方針に基づく要請
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00368204/siryou3-1.pdf

緊急事態宣言等と比べて非常に緩い対策です。厚労省試算より感染者が急激に増加する恐れがあります。

なお、5人以上の宴会・飲み会自粛は評判が良くないですね。既に一部の企業からは「宴会禁止」と言う指示が出ています。気をつけている人は他者との会食や外食を控えています。

一方、気をつけない人は「関係ない、コロナは風邪だ」と自粛要請を流してしまうでしょう。店舗が5人以上の宴会を断るのも難しいです。

そして、知事が「根拠がない」と言ってはおしまいです。

大阪府は28日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、府民に対して8月1日から20日まで、5人以上の飲み会、宴会、コンパを自粛するよう要請することを決めた。なぜ5人? 突っ込みどころ満載だが、吉村洋文知事(45)は「根拠があるわけではないが、明確な基準を示すのが政治の役割」と説明した。

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202007280001041.html

4連休で感染者が増え、お盆の帰省で爆発的に増加する未来が透けて見えます。

「ミナミ」「居酒屋・飲食店」で感染多発

昨日配布された資料には「夜の街の関係者及び滞在者の状況」も記載されていました。

6月中旬以降のコロナ陽性患者の発生状況

これによると、夜の街で感染する場所は居酒屋・飲食店が多数を占めています。

こうした店は複数人で訪れる事が多く、食事を楽しみながら会話を楽しみます。アルコールが入ったら、ついつい声が大きくなります。

同じグループに感染者が紛れていたら、隣のテーブルに感染者がいたら、店員に感染者がいたら、、、どの店でも感染してしまう可能性があります。

特に夜の街がある繁華街は様々な人が出入りする場所であり、感染者が入り込みやすい場所です。

実は大阪市内では居酒屋店員の感染が多発しています。鳥貴族では複数の店舗の従業員が感染していました(不利益な情報も適切に公開する姿勢には好感が持てます)。

新型コロナウイルス感染者に関するお知らせ

7月24日(金)、当社の直営店である「鳥貴族フェリチタ心斎橋店」(大阪市中央区)に勤務している従業員1名が新型コロナウイルス感染症の検査の結果、陽性であることが判明しました。

同店舗は連絡を受けた7月24日(金)の閉店時間を繰り上げ、翌日に店内消毒作業を実施し、保健所とも連携のうえ安全性が確認できたため、7月26日(日)より営業を再開させていただきました。

また、本日、鳥貴族カムレードチェーン加盟店舗(加盟会社トラオム株式会社)である「鳥貴族千林大宮店」(大阪市旭区)及び「鳥貴族森ノ宮店」(大阪市東成区)に勤務している従業員1名についても陽性が判明しました。

この2店舗は感染疑いが判明後、7月25日(土)に消毒作業を実施し、安全性を確認のうえ営業させていただいております。

http://admin.torikizoku.co.jp/pdf/info/2LpCTIaX.pdf

この度、鳥貴族カムレードチェーン加盟店舗(加盟会社株式会社SENSACION)である「鳥貴族天王寺北口店」(大阪市天王寺区)に勤務している従業員から新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たことを確認いたしましたので、お知らせいたします。

7月9日(木)、鳥貴族天王寺北口店の従業員1名が新型コロナウイルス感染症の検査の結果、陽性であることが判明しました。

同店舗では速やかに所轄の保健所に当該事実を報告し、アルコールによる拭き上げや同店舗の従業員の体調確認等を改めて実施したうえで、営業をしておりました。

しかしながら、本日、同店舗の別の従業員2名から陽性反応が出たことを確認したため、不測の事態に備え、安全性が確保されるまで同店舗を当面の間、臨時休業いたします。

http://admin.torikizoku.co.jp/pdf/info/rS9QYFW2.pdf

従業員が店外で感染したのでは無く、店内で客から感染したと考えるのが自然です。換気の悪い店内、マスクを外して大声で会話や注文する客、忙しい仕事、感染しやすい環境は揃っています。

大阪府が打ち出した「5人以上の飲み会・宴会自粛」は、こうした居酒屋での「どんちゃん騒ぎ」を通じた感染拡大を抑制させる狙いがあるのでしょう。

また、感染した地域はミナミが圧倒的多数を占めています。第一波で感染者が多発したキタの少なさとは対照的です。

それを表しているのは、ミナミの臨時検査場の陽性率です。約2割に達しています。

 一方、大阪市保健所によると、大阪市内の繁華街・ミナミに設置した臨時検査場の16~18日の検査件数は計182件で、陽性率は19・2%。大阪府はミナミで、若者の感染が相次いでいることを踏まえて臨時検査場を設置している。

https://digital.asahi.com/articles/ASN7N64VKN7NPTIL023.html

日々の感染者を見ていると、特定の濃厚接触者に連なる形で同じ職業の20代・30代が陽性者と掲載されているのに気づきます。

特定店舗の従業員や感染者が声を掛け合い、連なって検査を受けているのでしょう。

感染者は増加の一途へ

6月下旬以降の大阪では、概ね5日~6日で感染者が倍増しています。


http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00368204/siryou2-1.pdf

5人以上の宴会自粛要請等の効果は若干ながらあるでしょう。しかし、陽性者の倍加日数を幾分和らげる程度の効果しか無いと感じています。

今後も感染者が急激に増え続け、どこかのタイミングで極めて厳しい措置を取らざるを得ないと見ています。

無事にお盆明けを迎えられるでしょうか。学校の2学期は予定通りに始まるでしょうか。保育所は通常保育を行い続けられるのでしょうか。

不安な8月を迎えます。