旅行商品を利用した国内旅行の半額が補助される「Go To Travel キャンペーン」が7月下旬から開始される見通しです。

政府は25日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている観光業や飲食業向けの需要喚起策について、7月下旬から実施する方針を固めた。国内旅行の代金の補助や飲食店で使えるクーポン券などに計約1・7兆円の予算を確保しており、業績の回復につなげる。

喚起策は「GO TO キャンペーン」との名称で、国内旅行の代金を半額補助(1泊あたり最大2万円)するほか、土産物店などで使えるクーポン券を発行する。飲食店向けのプレミアム付き食事券の発行や、イベントチケットの割引なども実施する予定だ。

政府は25日に緊急事態宣言を全面的に解除し、基本的対処方針で、外出自粛を7月末頃までに段階的に緩和する計画を盛り込む見通しだ。今後、事業者や利用者に周知し、夏休みの旅行シーズンに合わせて実施できるよう準備を進める。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200525-OYT1T50077/

詳細な内容は観光庁ウェブサイトに掲載されています。

①Go To Travel キャンペーン
旅行業者等経由で、期間中の旅行商品を購入した消費者に対し、代金の1/2相当分のクーポン等(宿泊割引・クーポン等に加え、地域産品・飲食・施設などの利用クーポン等を含む)を付与(最大一人あたり2万円分/泊)。

②Go To Eat キャンペーン
オンライン飲食予約サイト経由で、期間中に飲食店を予約・来店した消費者に対し、飲食店で使えるポイント等を付与(最大一人あたり1000円分)。登録飲食店で使えるプレミアム付食事券(2割相当分の割引等)を発行。

③Go To Event キャンペーン
チケット会社経由で、期間中のイベント・エンターテイメントのチケットを購入した消費者に対し、割引・クーポン等を付与(2割相当分)。

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001339698.pdf

注目を集めているのは、旅行商品代金の1/2相当分のクーポン等(1人当たり2万円分/泊が上限)が付与される「Go To Travel キャンペーン」ですね。

例年ならば「クーポンを使ってみようかな?」と考えてみるでしょう。

子育て世帯の旅行は12~16日に集中?

しかし、今年は違います。緊急事態宣言による外出自粛からの180度転換に、頭が付いていきません。

更に新型コロナウイルスの今後の感染状況が全く予想できないのに加え、小学校の夏休みが大幅に短縮されます。

先日、大阪市立小中学校の夏休み予定が「8月8日~24日」だと発表されました。

休校の影響で夏休みは18日間短縮し、8月8~24日とする。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59460460S0A520C2AC8000/

カレンダーに落としてみます。

8
9101112131415
16171819202122
2324

18日間と聞くと「思ったより長い」と感じる方もいるでしょう。土日も3回やってきます。しかし、土日に2回は夏休み開始直後と終了直前に慌ただしい時期です。

結果、土日を挟んだ形で旅行できるのは、15日・16日の1回だけです。

また、この時期は多くの企業で盆休みと重なります。全く無い企業もあれば、13日~15日が休み、中には10日~16日までが休みとなる企業もあるでしょう。

恐らくこの時期には企業活動はコロナ禍以前の水準まで戻っていません。例年より長めの休業期間を設定する企業が多いのではないでしょうか。

となると、子育て世帯の家族旅行は「12日~16日」に集中すると予想されます。夏休みが短いので、例年以上に集中してしまいそうです。

支出増・帰省優先・宿題・コロナ警戒

お盆休みと重なる時期の旅費は、年間で最も高い金額となります。たとえクーポンが付与されたとしても、それを上回る旅費金額が設定されそうです。

学校休業や保育所登園自粛等により、多くの子育て世帯は経済的打撃を受けています。我が家も収入減、そして支出の大幅増加に襲われています。

ここで更に旅行へ支出するのは難しいです。遠出したい気分があるとしても、家計の収支バランスが取れなくなってしまいます。

また、遠くへ旅行するのであれば、それより先に実家へ帰省したいですね。そろそろ実家の様子が心配です。家の中が荒れていなければ良いのですが。

夏休み中の宿題量も予想が付きません。例年より減らされると思いますが、「学習の遅れを取り戻す」という名目で山の様な宿題が課されても不思議ではありません。

例年通りに自由研究・自由工作・読書感想文・絵画等の提出も求められるかもしれません。流石に「おかしい」とクレームを出すと思います・・・。

そして、最も重要なのは「コロナウイルスへの警戒」です。8月でもまだまだ警戒すべき時期ではないでしょうか。

炎天下の最中にマスクを付けていては、旅行を楽しむ気分にはなれないでしょう。

あくまでの現時点での見通しですが、「我が家は夏休みには使わない」となりそうです。

旅行へ出掛けるのはもう少し先になりそうです。早くても9月の4連休(9/19~22)、11月の3連休、そして年末年始になるのではないでしょうか。

それにしても小中学校の修学旅行は延期や中止する一方で旅行促進事業を打ち出すとは、いろいろと考えさせられます。

————–
(7/10追記)
7月22日から一部が先行して実施されます。

観光業の苦境は伝わっていますが、このキャンペーンは全国各地に感染者を運ぶだけですね。狂ってます。

 新型コロナウイルスの影響で急減した消費を喚起する政府の「Go To キャンペーン」のうち観光分野の補助制度について、赤羽一嘉国土交通相は10日、7月22日から一部を先行して始めると発表した。まず宿泊代金の割引から行い、旅行先での飲食や買い物に使えるクーポン券の発行は9月からにする。

 事務手続きを委託する事務局も、JTBなど旅行大手や日本旅行業協会など7者でつくる「ツーリズム産業共同提案体」を選んだことを明らかにした。委託費用は1895億円で提案があったという。赤羽氏は「感染状況を踏まえながら準備を進める」などと述べた。

 「Go To キャンペーン」をめぐっては、予算額1兆3500億円のうち事務委託費の上限が約16%の2300億円と巨額になるとして野党などから批判が出ていた。委託先の公募には5事業者が応募し、有識者を含む選考委員会を設けて検討した。

https://digital.asahi.com/articles/ASN7B3WHHN7BULFA006.html