コロナウイルス、国立感染症研究所より
大阪は学校を再開するのでしょうか、それとも休校を延長するのでしょうか。多くの家庭は気が気でないと思います。
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(4/3追記)
※大阪市立学校は4月19日まで休校延長が決定しました。週2回程度の登校日が設けられます。なお、14日頃に再延長の有無が検討されます。
大阪府内の状況が悪化しています。専門家が重視する「感染源不明」が急増しています。
本日の退院確認を除く検査数は220件、陽性者数は33名、陽性者率は15%、海外渡航歴1名、濃厚接触者10名、京産大関係1名、感染源不明は21名でした。1日あたり陽性者数の過去最高に近い数字で、また、感染源不明が多い印象です。 https://t.co/hzfevY0v0D
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) April 2, 2020
第10回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議に専門家の意見が掲載されています(コメント欄で教えて頂きました。ありがとうございます)。
府立学校、市町村立学校について5月6日まで休業を延長する方針についてのご意見
朝野座長
・休業の延長に賛成。登校日を設ける、学校を開放するなどの対策も取られ、子供たちの心身の発達への影響も最小化する試みも賛成。生活圏により細かな判断を行うという提言もあるが、大阪府の場合、周辺の自治体であっても、勤務地は大阪市内が多いため、親世代のリスクは均等に存在する。・状況としては、大阪府の感染者増加傾向も東京都の状況に似ている(倍加時間が2.5日と3日程度)。そのため、感染拡大警戒地域として東京都と共に緊急事態宣言が出されると予測される。学校の休校の効果は専門家会議でも評価できていないが、緊急事態宣言が出されれば、両親も在宅が多くなるので、休校のデメリットが軽減される。
・一方、医療職や公務員、交通・運輸などの指定公共機関、生活必需品の販売などの業種は事業の継続が必要なため、それらの職種の人たちの子供たちを世話する場所の確保が、緊急事態宣言時の重要な課題となるため、安全に留意した受け皿の設置が必要となる。また、休校を行った場合の学童、生徒のカラオケ店の利用や繁華街への出歩きなどをこれまで以上に監視し、指導することが必要。
掛屋副座長
・大阪府下でも患者数の増加が認められ、感染爆発への移行が危惧される時期である。比較的年齢の低い集団には発症者数も少なく、クラスター形成も限られているが、現在も流行拡大傾向が見られる大阪府においても東京都同様に登校再開に慎重であるべきと考える。
砂川オブザーバー
・感染拡大が全国的に進んでいる現状からは、4月の始業日から5月6日までの間を臨時休業とする施策はやむを得ないものと考える。再開については連休直前の状況を評価し、検討する。さらに状況の悪化や長期化が進む可能性を見越して、学習手段の確保(ITを駆使した遠隔学習の開発・導入を含む)や子供たちの健康・栄養状態の確認方法などの対策が必要である。
・家庭内感染のリスクも高まっていることから衛生教育を強化し、本人・家族に発熱などの症状が出た際の具体的な対応についても伝えておくことが重要である。
大阪市教委幹部も「やむなし」としています。
大阪市は3日、市立小中学校の休校措置を延長するか、再開するかの対応を決める予定。市教育委員会幹部は「休校もやむなしという局面だ」と話す。8日からの再開を周知したばかりの堺市も「府の判断は無視できない」(担当者)とし、対応を再検討する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57566930S0A400C2AC8Z00/
学校再開に前向きな松井市長であっても、大阪府の専門家の意見を採用しないという決断は非常に難しいでしょう。
また、昨晩発表された感染者には「大阪市居住、30代~40代男性」が少なくありませんでした。一定割合は小学生ぐらいの子供と同居しているでしょう。
ここ数日、大阪市内では小学生の感染者が徐々に増加しています。子供同士の感染事例は確認されていませんが、「休校中・春休み中だから感染しないだけではないか」との指摘もあります。
大阪市を取り巻く客観的な状況は「休校延長やむなし」です。
ただ、休校期間中のフォローアップ(学習課題・定期的な登校日や連絡等)、そして休校によって家庭が追加的に負担する費用への補助を十分に行って欲しいです。
「学校は休校にします、過ごし方は家庭で考えて下さい、費用は家庭で負担して下さい。」は理不尽です。負担を一方的に家庭へ転嫁しないで下さい。
また、これは非常に強く感じているのですが、「休校になって子供や親が不自由な生活を強いられているのに、クラスターを発生させている夜の繁華街等に営業規制を行わないのは余りにおかしい!」ということです。
国の専門家も、学校の休業を行う場合には「他の社会経済活動の一律自粛と合わせて行うべき」としています。
大阪市が休業延長を行うのであれば、夜の繁華街(特にキタ)へのより強い営業自粛・営業規制等を行って欲しいです。
昨晩、子供に「大人は飲みに行くのに、子供は学校に行けないの?」と言われました。もっともな意見でした。
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(更に追記)
大阪府対策会議が中継されています。
・5月6日まで休校、部活も含めて
・週2回程度の登校日、宿題の授受、様子確認等
・休校による感染拡大予防効果は分からない、だから維持すべき
・市町村には休校延長を要請する方針(?)
大阪市は4月3日に判断するそうです。
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(4/2追記)
大阪府立学校、5月6日まで休校延長の方針だと報じられました。完全休校では無く、週2回程度の登校日を設ける方針です。
【速報】大阪府が「休校期間の延長」を決定…ゴールデンウィークの5月6日まで
大阪府の吉村洋文知事は府立学校の休校期間について、ゴールデンウィークの5月6日まで延長することを決めました。
大阪府では4月の新学期から学校を再開させる方針でしたが、一転して休校の延長となりました。大阪府が学校の休校延長を決めたことで、大阪市や他の自治体にも同様の対応をとるよう協力を要請する方針です。
学校の休校措置をめぐっては、新型コロナウイルスの感染者が全国で最も多い東京都も都立学校の休校延長を決めています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-00032376-mbsnews-l27
大阪府立校、5月6日まで休校延長 市町村立校にも要請
新型コロナウイルスの感染拡大防止のための府立学校の休校について、大阪府の対策本部会議は2日、5月6日まで延長する方針を固めた。
休校期間中は学校再開に向けて、登校日を設ける。学年や学級ごとに分散させ、週2回程度とする方針。府立高校では新入生と教職員だけが参列する入学式を行う。
市町村立学校にも、5月6日までの休校を求めていく。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-00000058-asahi-sctch
正式決定はこの後行われます。市町村も同様の対応を取りそうですね。
知事の考えや休校中のフォロー体制を聞かせて欲しいですね。学校を再開させたかった松井市長はどの様な判断を取るのでしょうか。
最も恐れているのは、「GW前後に状況が悪化し、休校が更に延長される」という事態です。このまま1学期が無くなってしまうかもしれませんね。
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これについて、大阪市長・大阪府知事・国の専門家・文部科学省・東京都の発言内容やリリース等を集約しました。何か導き出せないでしょうか。
【大阪市の松井市長(4月1日午後会見より)】
・ノーリスクは無い
・学校現場やいきいきでの感染者は出ていない(強調)
・学校はいつかは開けなければならない
・学校が感染源にならない事を重視して最終判断したい
・国、専門家、大阪府等の考え方を踏まえながら、大阪市で判断したい
大阪市長は「学校を再開したい」との姿勢が前面に出ていますね。
【大阪府の吉村知事(4月1日午後会見より)】
・4月2日開催の本部会議で方針を決定したい(16時~17時)
・大阪府の20歳未満の方の感染者は2%、親からうつったのが多い
・休校で学ぶ機会が失われる
・特に小学生の低学年が1人で留守番するのは難しい
・学校で感染が広がっても抑え込むのは難しくない
・市町村毎に判断を分けるのは難しいのではないか
・国や府の専門家の意見を聞いて判断したい
・休校の効果も考えなければならない(繁華街に出掛ける中高生の存在)
・経済活動よりも学校を止める方が許容される
・難しい、本当に難しい
・大阪は感染拡大傾向にある
大阪府知事は様々な事情を考慮し、容易には決定できない様子ですね。苦悩が伝わってきます。
ただ、休校効果を疑問視したり、デメリットを指摘した発言がやや多く感じられました。
吉村知事には小学生や未就学児の子供がいると記憶しています。この1カ月を子供がどうやって過ごしているか、間近で見ています。
【国の専門家会議(4月1日夜会見より)】
・学校で子供の間で流行が広がっているエビデンスがない、多くは家庭内感染
・県単位ではなく、地域や生活圏毎の状況を踏まえて判断するのが重要
・東京や大阪は感染拡大地域
・拡大地域は臨時休校も選択肢として検討してよい
・他の社会経済活動の一律自粛と合わせて行うべき
「東京や大阪は感染拡大地域」と指摘している一方、「県単位ではなく地域・生活圏で判断を」とするのが理解に苦しみます。
感染拡大地域における臨時休校は選択肢の一つとし、これを強調しているものではありません。
3月からの一斉休校によるアナウンスメント効果は指摘しつつも、感染拡大防止効果は「分からない」としています。
「臨時休校するなら、他の社会経済活動も一律自粛すべき」との指摘は正論ですね。学校は休校でもジムやナイトクラブが自由に営業されていたら、子育て世帯としては理不尽に感じます。
【文部科学省(通知)】
・公共交通機関を利用して通学している場合は、通学中に児童生徒等に感染が生る可能性が高まる
・時差通学や分散登校等の工夫について検討することも考えられる
当たり障りの無い、当然の内容しか指摘していません。「専門家会議の指摘を踏まえ、各自治体で判断して欲しい」とのスタンスです。
【大阪府の感染動向(4月1日夜発表分)】
本日の退院確認を除く陽性疑いの為の検査数は231件、陽性者数は34名でした。陽性者率は14%、1日の陽性者としては過去最高数。ただ、感染源が明らかな濃厚接触者が多く22名、海外渡航歴2名、感染源不明は10名でした。夜の街のクラスターを追いかけて感染拡大防止に努めます。 https://t.co/4wkdHDqw9t
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) April 1, 2020
感染者の内、22人の感染経路が辿れました。不明は10人です。
【東京都】
・都内は陽性患者数が急激に増加し、感染経路のわからない患者が増えている
・感染拡大の局面にあり、都全体として活動自粛を呼びかけている
・都立学校は春季休業の終了日の翌日から令和2年5月6日までの間、臨時休業とする。
・区市町村教育委員会に対しても、都立学校の取組を参考として、感染拡大防止の取組への協力を強く要請する
コロナウイルス等に対する大阪府・大阪市の政策決定においては、首長の意向が大きく影響していると感じています。
首相による唐突な「休校要請」発言にかき消されてしまいましたが、この発言の2時間前に大阪市長は同趣旨の発言(及び大阪市教委の決定)を行っていました。
大阪府も吉村知事が前面に立ち、医療機関の対応やクラスターを公表した店舗への補償等を検討しています。
良くも悪くも「発言力があり、顔が見える」のが特徴的でしょう(個別の政策の是非は別です)。
であれば、学校を再開・休校延長についても、両首長の意向が大きく影響します。上記発言から大阪市長は学校再開に前向き、大阪府知事が中立的だと感じています。
また、大阪府知事は「市町村毎に分けるのは難しい」としています。例えば「大阪市は休校、それ以外は再開」という判断には否定的です。
「小中学校は再開、高校・支援学校は制約付き再開」と予想
両首長・専門家・文部科学省の通知等を踏まえると、下記の内容になると予想します。
【予想される内容】
(1)大阪府内の公立小中学校は再開
(2)大阪府立学校(高校や特別支援学校)は分散登校や時差通学、休校延長でも登校日を設ける
(3)児童生徒やその保護者に感染者が生じたら、早急に学級・学校閉鎖を行う
個人的に注目すべき要素は、ここ1カ月の間、保育所等や学童保育で児童間の集団感染が確認されていない事です。
その背景には保育士や学童指導員等が徹底的な感染予防に努めた事があるでしょう。
お世話になっている保育所では至る所に消毒液が設置されています。保護者は保育室内の立入を制限し、保育士はマスクを着用し、子供には手洗い等を徹底させています。
学校が再開したら、同様の内容が学校にも求められるでしょう。先生方の負担が重くなりますね・・・・。
学校再開か休校延長か、大まかな方向性は大阪府の会議が終わる17時頃に公表されるでしょう。当たるか外れるか、分かりません。
なお、最新の感染者数等は、下記投稿をご覧下さい。
毎日の体調管理&感染予防を
様々な報道等を見る限り、不特定ないし多数と共に過ごす(有症者が入り込むリスク)、一定の空間に長時間密閉される、他人と同じ物を触れる(接触感染)、会話や食事等を行う(飛沫感染)と感染するリスクが高いと感じています。
咳や微熱がある方は外出せず、自宅で療養するのが大切ですね。我が家は毎朝検温しています。学校や保育所等では朝の検温を義務化した方がよいかもしれません。
定期的に換気を行いたいですね。まだ寒い季節が続きますが、着込んで耐えます。
他人とは同じ物を共用せず、触れざるを得ない部分は消毒するのが効果的でしょう。手洗いを徹底し、手袋を常用するのも良いかもしれません。
マスクや咳エチケットを、そして食事中の会話は避けたいですね。
除菌用アルコール等の市中在庫は少しずつ復活していますが、マスクは全く見かけません。ドラッグストア等に入荷しているそうですが、即座に完売してしまうと聞きます。
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大阪府の専門家会議座長である大阪大学の朝野教授が対策会議で
>休業の延長に賛成。登校日を設ける、学校を開放するなどの対策も取られ、子供たちの心身の発達への影響も最小化する試みも賛成。生活圏により細かな判断を行うという提言もあるが、大阪府の場合、周辺の自治体であっても、勤務地は大阪市内が多いため、親世代のリスクは均等に存在する
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/37375/00359923/063_shiryo6-2b.doc)
と言っているので、そのまさに大阪圏の中心地である大阪市の市立の学校園の全面的な再開はさすがに無理でしょう。
むしろこの考え方だと大阪市の学校の再開が衛星市等と比べ最も遅くなるかもしれません。
そして兵庫県は4/8での県立高校と支援学校の再開を今晩改めて明言しましたが、大阪圏である阪神地域については撤回に追い込まれるのでは。もちろん撤回が悪いこととは思っていませんが…