毎日の様に保育施設での体罰や暴言が報じられています。

今度は栃木県真岡市の認定こども園「真岡ひかり幼稚園」で、2歳児クラスの保育教諭・保育補助が園児に不適切な指導を行っていました。

2歳園児に教諭「死んでしまいなさい」「邪魔」

 栃木県真岡市寺内の認定こども園「真岡ひかり幼稚園」(園児数約200人)で、保育教諭らが2歳の園児たちに「死んでしまいなさい」などと不適切な言葉で指導していたことが30日、わかった。市は園側に事実を確認した上で、再発防止策の策定などを求めた。

 真岡市や同園によると、6月頃から複数の保育教諭らが、2歳児組(23人)の園児たちに対し、「死んでしまいなさい」としかるようになった。また、食事やトイレの指導の際にも「廊下に出ろ」「邪魔」「うるさい」などと不適切な言葉を使っていたほか、何人かの園児を明かりのついていない教材室に数分間入れたこともあった。

 保護者からの連絡を受けて、市は今月24日に宇南山照元園長を呼び、事実確認などを行った。同園は27日に2歳児の保護者会を、29日に全体保護者会を開いて経過を報告するとともに、保護者に謝罪。さらに当該園児宅を個別訪問し謝罪した。

 問題の判明後、不適切な指導に関わった、いずれも30歳代の保育教諭2人は退職し、保育補助1人は自宅待機しているという。

 同園は、1965年に幼稚園として開園し、2016年に幼保連携型認定こども園になった。宇南山園長は取材に「園児や保護者に不快な思いやつらい思いをさせ、申し訳ない。今後は職員間の風通しを良くし、保護者に安心してもらうためのカメラを設置するなどして、再発を防止していく」と話した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20190730-OYT1T50263/

真岡ひかり幼稚園は、栃木県真岡市寺内にある認定こども園です。ウェブページが丁寧に作り込まれています。

総定員は208名、内1号認定(教育)が89名、2号認定(3-5歳児の保育)が65名、3号認定(0-2歳児の保育)が54名となっています。やや規模が大きい認定こども園ですね。

事件が起きたのは2歳児クラスでした。「魔の2歳児」と呼ばれるほど、このクラスを受け持つのは大変でしょう。

0歳児クラスと比べ、2歳児クラスは保育士1人が担当する園児数が増えます。一方、まだ大半の園児はオムツ交換や食事の介助を必要としています。

また、園児の体力が飛躍的に向上するので、目を少しでも離すとあっという間に去って行きます。

そして、したくない事に対しては「いやぁあぁぁっぁぁっぁぁ!」と大泣きして拒否しています。いわゆる「イヤイヤ期」です。本当に大変です。当時の凄惨な日々は思い出したくありません。

2歳児クラスの定員は23人なので、恐らくは保育教諭4人と保育補助2名で担当していたと考えられます。

新年度が始まった当初は緊張もし、保護者の目も行き届きやすいので、ストレスが溜まっても出さずに保育を行っていたのでしょう。

しかし2歳児が新しいクラスに慣れて活発化しだした6月になると、保育教諭等が我慢できなくなったのでしょうか。園児への暴言や監禁等、不適切な指導を繰り返す様になりました。

特に悪質性が高くて危険なのは「明かりのついていない教材室への監禁」です。過去には見えない場所へ入り込んだ園児が熱中症で死亡した事案もありました。

「死を招いた保育」(1)事実経過・事故原因

恐らくは保護者は何度もこども園に相談し、適切に対応する様に求めていたのでしょう。しかし納得できる対応がなく、真岡市に苦情を申し立て、こうした経緯を辿ったと考えられます。

2歳児は知恵が付き始める時期です。園で何があったか、片言でも話せます。1度だけなら「たまたま」で流しますが、何度も続くと保護者は異変を感じるでしょう。

保護者からの苦情に対し、園が全面的に否定する事も出来ます。

しかし、最近は園児にICレコーダー等を持たせ、容易に証拠を集められます。保育士が隠し通せるものではありません。

苦情等に対しては第三者も交えて適切に対応する、何よりも園児への体罰や暴言等を行わない様な組織体制や人員配置が必要でしょう。

宇南山照元園長は「保護者に安心してもらうためのカメラを設置する」と話しています。実は同園には防犯カメラが設置されています。

防犯カメラ
園児の安全を守るため、不審者の侵入を未然に防ぐため、園とお寺の随所に防犯カメラを設置し、モニターで監視しています。

https://shougonji.ed.jp/hikari/about/lunch/

園児の安全は外部からではなく、内部から脅かされていました。