認可保育所・認定こども園・小規模保育施設の公募・説明会が行われますに記したとおり、近日中にも上記施設の公募に係る説明会が行われる予定となっています。
具体的な公募地域等は判明していませんが、事業規模等が平成26年度大阪市予算案(こども青少年局)に掲載されていました。
ここから概略をお伝えします。
※予算案は確定したものではなく、今後変更される恐れもあります。
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(2/20追記)
市会に提出された当初予算案によると、待機児童の解消に掛かる予算は予定通りに計上されている模様です。
認可保育所等の整備によって1400人分、また小規模保育事業の実施により872人の入所枠を確保とあり、小規模保育事業の規模は796人分の増員としていた原案よりも広がっているかもしれません。
(2/21追記)
【報道発表資料】子育て世代の視点に立ったサービスを展開し、待機児童を解消しますとして、具体的な内容と金額が発表されています。
数字等に若干の違いはありますが、認可保育所の整備等に関しては概ね当初案通りに提出されています。
ただ、一点気になる項目があり、現在裏取りを進めています。
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■ 平成 26年度予算 待機児童対策について こども青少年局
子ども・子育て支援制度を見据えて、保育を必要とする世帯へ保育の提供を行えるよう、平成 30年 4月に必要と見込まれる保育ニーズに対して4年間で整備していく。 なお、子ども・子育て支援計画を策定後に再度、見直しを行うこととする。【現状(24区計)】待機児童数 入所児童数
H22年4月 205人 42,630人
H23年4月 396人 43,625人
H24年4月 664人 44,669人
H25年4月 287人 45,497人
待機児童数(厚生労働省定義)は、入所申込数のうち 0.5~2%台を推移しているが、過去2年間は2,500人以上が入所できていない状況にある。■要保育児童数の推移及び見込
H24.4/47,300
H25.4/48,000
H26.4/50,100 (見込)
H27.4/51,300 (見込)
H30.4/55,000 (見込)
※要保育児童数は、入所申込者のうち転所希望及び保育ママ、一時保育の利用者を除く平成26年度の取り組み
【当初予算見込】 総事業費 5,250,414千円 (差引市費 1,548,977千円) 1,903人分の入所枠を確保【入所枠の確保】
■保育所整備(平成 27年 4月の開設を目指し、平成 26年2月下旬に公募予定)
事業費 2,795,112千円 308,191千円)
本園整備(創設) 13か所 920人
認定こども園整備 5か所 150人
既存施設の増改築 3か所 37人
計 1,107人
別途、平成 25年度からの継続分あり(300人分)【保育士不足の解消】
保育所新設により必要となる保育士の確保のための事業を実施
■保育人材の確保対策事業
事業費 27,597千円( 15,276千円)
・保育士・保育所支援センターの設置
・他府県養成校卒業者確保経費
・就職支援研修【新制度を先取り】
国の「待機児童解消加速化プラン」に基づき、平成 27年 4月から施行される子ども・子育て支援制度を一部先取りし、0~2歳の保育ニーズに対応
■小規模保育事業
事業費 2,427,705千円( 1,225,510千円)
・小規模保育施設【定員 10~ 19人】
1,036人分( 60か所)を設置(うち、 260人分( 26か所)が保育ママからの移行)
・保育ママ事業【定員5・ 10人】
新たに 20人分(4か所)を設置( 26年度末 450人分( 57か所))
※保育ママ 10人型については、平成 26年度末までに小規模保育施設へ移行
計 796人分の増
☆小規模保育施設設置運営者については、公募により選定を行い、平成26年度中に順次開設を行う。(2月下旬より公募を実施予定)【その他】
■面積基準の緩和
引き続き、既存施設を有効活用するために定員の弾力運用、面積基準緩和などを行い、入所枠の拡大を図る平成26年度予算こども青少年局市長ヒアリング資料 7ページより
(1)保育所の整備
認可保育所の増設として、13か所の本園創設が予定されています。
公募予定は12区とされているので、1区では2か所の創設が予定されているかもしれません。
これにより、認可保育所への入所枠が920人分増員されます。
1か所あたり70人となり、平成25年度中に公募された保育所とほぼ同じ規模だと考えられます。
待機児童問題が深刻な地域を中心に公募が行われるのではないでしょうか。
また3か所(認可保育所?)で既存設備の増改築を行い、別途37人の入所枠を確保する予定となっています。
更に5か所で認定こども園を整備し、150人分の入所枠を創設します。
「長時間働くわけではないが、小さい頃から小学校入学前まで一貫して子供を見て欲しい」というニーズには、認定こども園が最適かもしれません。
(2)小規模保育事業
平成27年4月から施行される子ども・子育て支援制度で「小規模保育事業」が導入されます。
詳細は別の記事でご紹介する予定ですが、認可保育所の分園や大規模な保育ママに近いイメージです。
小規模保育施設を市内全24区で60か所(内26か所は保育ママからの移行)、保育ママを4か所整備し、合わせて796人分の入所枠の創設を予定しています。
小規模保育施設は各区で2~3か所程度が設置される予定です。
認可保育所を設置するほどではないが乳幼児を中心とするニーズが強い地域や、地代家賃が高い都心部等を中心に公募が行われるのではないでしょうか。
認可外保育施設からの転換も考えられています。
(3)保育士の確保
平成27年4月に於ける大阪府の保育士需給バランスは下記の通りになっています(上記予算案ヒアリング資料13ページより作成)。
【需要】
年間退職者:750人
入所枠拡大:300人
計:1050人
【供給】
大阪府内の養成学校:630人
国・自治体等による確保:420人
計:1050人
国・自治体等による方策として、潜在保育士の掘り起こしや近隣府県養成学校からの人材の確保が挙げられています。
ただ、大阪府内に限ると府内での供給は需要の6割しかなく、想定通りに保育士の応募を集めるのは簡単ではないでしょう。
最も効果的な方法は「賃金の引き上げ」でしょう。
(4)面積基準の緩和
引き続き、定員の弾力運用や面積基準緩和などを行い、当初定員を超えて児童を受け入れる体制を図っています。
これについては「保育の質」や「待機児童の解消」等の観点から賛否両論があるでしょう。
認可保育所の公募地域等が判明しましたら、別記事にあらためてまとめる予定です。
インターネット上で拝見する限り、今年も1次選考から漏れてしまった方が多数おられる様子です。