台風21号によって甚大な被害を受けた為、未だに再開できない保育所があります。西宮市立浜甲子園保育所です。

台風21号で被害の保育所、再開めど立たず 西宮

 4日に阪神間に最接近した台風21号の強風で、兵庫県西宮市枝川町の市立浜甲子園保育所の屋根が破損し、休所が続いている。室内に雨漏りして施設が使えず、保育所に通う0~5歳の114人と担任の職員は周辺の六つの市立保育所に一時的に移った。市は復旧を急ぐが、再開時期のめどは立っていない。

 浜甲子園保育所は、台風21号の高潮と強風のため、中古車約100台が燃えた甲子園浜の近くに立地する。市によると、同保育所の建物は4日午後2時ごろ、強風で4層構造の屋根のうち、トタン板と防水シートがめくれ上がり、一部は地面に落下。当時、室内にいた子ども12人と保育士ら8人は無事だったが、雨漏りや停電で翌5日から休所した。

 再開には屋根の修理をはじめ、雨にぬれた床やエアコンなどの点検や修理が必要となる。市は復旧工事費として約1億円を見込み、「数カ月は要するだろう」とみる。

 子どもたちは10日以降、クラスごとに6保育所に分かれて通うが、市は、再び1カ所で保育するため、浜甲子園保育所に隣接する旧浜甲子園幼稚園(2013年3月に閉鎖)の利用を決めた。

 ただ、保育所として使えるよう、おまるを置くなどトイレの改築や空調の整備には時間がかかり、9月中は6カ所での保育が続く見通しという。市によると、この改修費には3千万円程度が必要という。

 同保育所の前田依里所長は「離れて過ごす園児の負担がなるべくないようにしている。一日も早くみんながそろって再開したい」と話す。

 台風21号の影響で、西宮市の市立保育所は停電のため、計4保育所が臨時に休み、窓ガラスが割れるなどの被害が出た。

https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/201809/0011655118.shtml

浜甲子園保育所は、西宮市の沿岸部にあります。阪神甲子園球場と鳴尾浜球場のちょうど中間地点、と言えば分かりやすいでしょう。

この地域は海に向かって南西側が開けています。その為、台風21号による暴風が海上から直撃したものと考えられます。

驚きなのは、台風が直撃した4日午後2時頃に8人の子供が室内にいたそうです。当日は早朝から暴風警報が発せられ、保育所は休園となっていたでしょう。どうしても仕事を休めない保護者の為、例外的に保育を行っていたのでしょうか。

台風による人身被害は無かったとは言え、こうした状況下で保育を行う事の是非は検討されるべきでしょう。

現在は各クラス毎に分かれ、周辺の保育所へ登園しているそうです。ホール等の空き教室を保育室に転用しているのでしょうか。きょうだいがいる家庭は2箇所保育となってしまい、厳しい毎日を過ごしているでしょう。

保育所の建物には非常に大きな被害が生じています。大規模半壊と呼べる規模でしょうか。建て直した方が良いかもしれない被害です。

西宮市が羨ましく感じたのは、復旧事業の早さです。保育所の改修工事費等を含んだ補正予算案が既に成立しました。

西宮市議会は9月19日、台風21号被害の復旧関連事業を盛り込んだ平成30年度一般会計補正予算案(第5号)を全会一致で可決しました。

予算総額は4億5154万円。台風21号で被害を受けた公共施設の改修費などが中心。強風で園舎の屋根が吹き飛ばされるなどの被害が出た市立浜甲子園保育所の改修工事費として1億3544万3千円を計上。浜甲子園テニスコート・多目的グラウンドのフェンス改修工事費として4215万2千円を盛り込みました。

http://www.kannomasakazu.com/reports/reports-456/

大きな被害を受けたのが公立保育所だった為、恐らくは周辺の公立保育所での保育が可能となったのでしょう。しかし、私立保育所が被害を受けていたら、こうした代替手段を用いる事は非常に困難だったと推測されます。

しかし、保育所を利用している保護者の立場としては、こうした点で公立と私立を区別されたら困ってしまいます。

私立保育所が被害に遭ったらどの様に代替保育を行うか、行政や保育所が一体となって考えておく必要がありそうです。

実は我が家がお世話になっている保育所では、台風21号による被害が徐々に表面化しています。気づかなかった部分の屋根が飛んでいた、雨樋が全損していた、外壁が更に剥がれ落ちた、排水溝が詰まった等、大変な様子が漏れ聞こえてきます。

恐らくは他の幼稚園や保育所等でも、大なり小なり似たような被害が生じています。修繕したくても、工務店が忙しすぎてすぐに直せないそうです。完全復旧までには時間が掛かりそうです。