待機児童や保育所の新設に関する事案を積極的に取り上げている、産経新聞からのニュースです。
東京・大阪のみならず、全国各地で保育施設の4月開所がずれこむ事態が発生しているそうです。

保育施設オープン延期相次ぐ 人手不足や資材高騰で工事に遅れ
2014.2.12 08:00

 建設工事の遅れで4月のオープン予定が数カ月延期を余儀なくされた保育施設が各地で出ている。東日本大震災の復興事業や消費税増税前の駆け込み需要に伴う建設業界の人手不足、資材高騰が原因。各自治体は仮設園舎での受け入れや既存施設の代替利用といった対応を取っているが、一部では受け入れ切れておらず4月の職場復帰を望む保護者に影響が出そうだ。

 延期が生じているのは、1月末現在で少なくとも東京都世田谷区、千葉県習志野市、大阪市、大津市、福岡市の5自治体。大阪市は公表している1カ所から「さらに増えそう」としており、今後、他の自治体でも出てくる可能性がある。

 保育所と幼稚園の機能を併せ持つ認定こども園と保育所で計7カ所(定員計742人)の開所を予定していた大津市では、5カ所(同602人)が数カ月遅れる見通し。うち2カ所は4月に代替の建物で開くが、3カ所は受け入れを遅らせ、申し込みを考えていた人には他の保育所を案内している。

 世田谷区では3カ所(同336人)が7~8月に延期。いずれも4月からプレハブの仮設園舎でスタートさせるが、定員は181人にとどまり、0歳と4~5歳児の4月受け入れはできなくなった。仮設園舎は広さが基準に達しないため認可外の扱いで、保育の質は下がることになる。認可外の場合、通常、保育料は割高になり、保護者の経済的負担が増えぬように補助する。

 習志野市では、幼稚園2カ所と保育所1カ所の計3施設を統合して新設する認定こども園が9月までずれ込む。

 政府は2017年度までの5年で40万人分の保育の受け皿を整備する「待機児童解消加速化プラン」を昨年4月に打ち出しているが、思わぬ形でブレーキがかかった格好となった。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/140212/bsd1402120502002-n1.htm
(太線部は加筆)

大阪市が既に開所延期を公表している1箇所はふたば未来園です。
先月中頃に現地を見た所、鉄骨は組み上がって床部分の基礎工事を行っている段階に見受けられました。
同保育所を基準とすると、4月開所に間に合わない保育所が「さらに増えそう」という事態は予想できました。
工事が遅れている保育所では急ピッチで作業を進めている様子が窺えましたが、現在でも職人不足や資材高騰により思う様に作業が進められない現場もあるでしょう。

また、上記記事では触れられていませんが、「保育士の不足」という問題もあります。
以前に大阪市で保育士の求人倍率急上昇 アベノミクス効果でも取り上げましたが、保育士の募集を行っても思う様に応募が集まらない状況となっています。
ハローワークの求人情報検索で「大阪市 保育士」と検索した所、174件の求人が見つかりました(内44件は受理日が2月1日以降)。
上記の求人の多くは既存の保育所ですが、新設保育所からと推測される求人もありました。
開所までに十分な数の保育士が集まり、しっかり研修等を行った上で、新しい児童を迎え入れられるのを願うばかりです。