読売新聞の医療・健康・介護サイト「ヨミドクター」にて、「保育所に入れない」という連載記事が掲載されています。

記事では、首都圏を中心とした子育てにおける深刻な事情が指摘されています。

保育所に入れない
(1)保活全滅「離職考えた」
(2)保育士10人退職「休園困った」
(3)「働きながら孫育て 不安ある」

非常に厳しい事例ばかりです。いくつか趣旨をご紹介します。

【期間限定保育 最後の頼み】
・1次選考でも2次選考でも決まらなかった。
・申し込んでいた認可外保育施設からは、閉鎖する旨の連絡があった。
・3月中旬に1年限定で利用出来る「期間限定保育」のお知らせがあり、即決した。
・働きながら他の預け先を探さなければならず、非常に負担が大きい。

【甘い需要見込み、偏るニーズ】
・自治体による保育ニーズ調査が大ざっぱ、認可保育所の整備に力を注ぐべき。
・利便性の良い施設に利用希望の偏りがあり、そうした場所では保育施設用の物件が見つかりにくい。
・小規模保育等の卒園後の受け皿を必要、幼稚園との連携も含めた自治体の知恵が求められる。
・4月入所できなかったのは平均24%、川崎市は35%、札幌市は34%。
・1歳児が最も多く全体の36%。次いで0歳児が26%、2歳児が16%と

【保育士10人が一斉退職、休園へ】
・「寺谷にこにこ保育園(横浜市)」で保育士10人が年度末で突如退職した。
・1-2歳児は平成31年3月までに、3-5歳児は即座に転園することになった。
・休園が公表されたのは3月、子供や親同士の人間関係が切り裂かれた。

【保育士不足】
・保育士の有効求人倍率は3.38倍と非常に高いが、平均賃金は全産業平均より8万円ほど低い約22万円に留まる。
・連絡帳の記入、園内行事の準備等、保育以外の作業も膨大。
・金銭補助を実施できる自治体に保育士が集まり、できない自治体からは流出が盛ん。

【孫育て】
・祖父母が孫育てを手伝ったり、企業が支援する動きが広がりつつある。
・しかし、祖父母にとっては体力や時間の負担が大きい。
・祖父母のサポートを受けられない親も多く、「祖父母力格差」という言葉もある。
・祖父母はあくまで安心材料であり、両立支援や少子化対策の決定打ではない。

読み応えがある内容でした。ぜひご覧下さい。