平成30年2-3月に掛けて開催されている大阪市会において、保育・教育に関して活発な質疑が行われています。

そこで保育に関する質疑を中心に、気になる質疑の趣旨を掲載します。

特に「紙オムツの持ち帰り問題」が委員会で取り上げられたのは画期的です。私立保育所は半々に分かれているんですね。

なお、これ以降の質疑については、近日中に掲載する予定です。

平成30年3月7日 教育こども委員会

高見亮委員(維新)
○公立保育所における使用済み紙おむつの持ち帰りについて

・現状どうなっているか?
私立保育所で5割が自園処理、政令市では19市中6市、H30からの実施は見送り

・オムツ持ち帰りは子供の保育環境、衛生面から重要
使用済みオムツについて保育士が行う作業は?
→蓋付き容器を児童毎に設置、オムツを園児毎に分けて保管し、保護者に持ち帰ってもらう、定期的に消毒

・保育士の労働環境改善、保育環境改善に繋がる
・公立保育所で自園処理するのに必要な経費は?
→週3回のゴミ収集で年間約900万円

・帰宅してから処分する保護者、保育士の業務負担を踏まえると、十分な効果がある
・オムツを自園処理している施設を保護者が自由に選べる状況か?
→自園処理している施設へ入所できない可能性もある

・平成31年度実施へ向けた考えは?
→児童への関心、便の状況から健康状況を把握して欲しいので、使用済みオムツを持ち帰ってもらっている
→意義や効率性について意見が出ている、大半の施設で処理している状況ではなく、公立園での処理に到っていない
→新年度予算では午睡時の事故対策へ重点投資した

・健康状態は他の方法で代替可能、子供の便を見ても分からない、口頭で伝わる
・便を見なかったら関心がない?感情的な議論
・前例に囚われず、取り組んで欲しい

宮脇希委員(維新)
○子育て支援員の活用について

・支援員の制度、要件は?
→全国共通の研修制度、修了証書は全国で通じる、一部保育士を支援員で代替可能

・研修の受講者数は?
→修了者の多くは小規模保育で従事、今後は保育所でも従事して欲しい
→平成29年度中の研修へ432人が申込み、平成28年度までに約900人が修了

・人材や研修拡大への取組は?
→地域団体等へ受講を呼びかけ、保育所等への採用を呼びかけていきたい、
→受講希望者増加中、対応していきたい

○保育所等の事故防止の取組強化事業について

・事故防止事業とは?
→保育所等や認可外保育施設を対象とし、食事中、午睡中、水遊び中に事前通告無しで巡回する
→非常勤巡回職員として、保育士資格を有した施設長経験者等5名を配置する
→3場面に重点を置き、助言指導を行う
→企業主導型保育施設は除く

・巡回指導のチェックポイントは?
→市立保育所危機管理の指針を元に、事故防止の手引き(160ページ)やマニュアル基礎編を作成している
→巡回指導員はマニュアル基礎編に沿って指導を行う
→全施設へ配布、研修を行ってから巡回指導を行う

・啓発ポスターを作成した
・マニュアルや指導員の助言を日々の保育に反映する事が重要
→ポスターを3月中旬までに配布、掲示する予定
→職員間でヒヤリハットを共有する等、様々な内容を研修で伝えていきたい

・マニュアルやポスターをホームページに掲載して欲しい

○学力向上施策について

・学力テストに対する大阪市の分析、認識は?
→重く受け止めている、小学校はH20に改善後横ばい、中学校はH27に若干改善、経年的には緩やかに改善傾向
→依然として小中学校は全国平均を大きく下回る、特にB問題は更に大きく下回る
→趣旨を読み取る力、表現力、言語力の育成が過大

・今後の取組は?
→課題がある学校への学校力アップ支援事業、校長裁量拡大校等、各学校の実態に合わせた支援を進めたい
→学力向上モデル推進事業(80校)、国語算数数学において、子供自身が考えを持って表現できる授業展開を支援したい

・対象校の選定等は?
→ここ数年の学力テストの結果を踏まえ、更に向上を進めたい学校を選択、3月中旬をメドに申請受付中、今年度中に決定
→80校の取組を全市に広めていきたい
→教員DBに掲載し、他校でも活用したい

(以下略)

上田智隆委員(維新)
○地域型保育事業所卒園児の受け皿確保について

・連携施設が設定されている小規模保育施設は?
→全卒園児の入所枠が設定されているのは148園中55園、24園、合わせて79園

・行き場のない3歳児が出ない様に、連携施設の確保に更に取り組んで欲しい
→H28以降に市職員がマッチング、必要経費を補助、来年度は幼稚園がこども園へ移行&保育枠設定を支援したい

・3歳児の継続入所(弾力枠)はどうなっているのか?
→平成30年4月の一斉入所から、3歳児に限って継続入所できるものとした
→10施設から継続入所の意思が示された
→どこにも入所できなかった3歳児に限り、弾力化の範囲内で継続利用が可能

・全施設が連携施設を確保するのは大変、経過措置は後2年、国へ制度変更を要望すべきでは?
→代替保育の提供は現場の実態に合致していない、努力義務として欲しいと内閣府へ要望した

・市立幼稚園の預かり保育を活用するのも一つの方法