平成30年度保育所等一斉入所申込状況分析、第2回は「保育士等優先利用枠」を取り上げます。
※昨年の分析記事等はH29分析からご覧下さい。大阪市子育て支援施設マップ(非公式)も役立つと思います。
平成29年度一斉入所から設けられた優先利用枠、来年度からは保育所等で働く看護師・教諭等も利用できます。
また、優先利用枠で内定した方は年末頃に内定が通知される予定です。早めに入所内定通知を出す事により、求職中の保育士等が就職しやすくする為の措置だそうです。
優先枠の利用率は約1.4%
では、保育士等優先利用枠へ申し込んだ方はどれだけいるのでしょうか。大阪市は保育士優先利用枠とそれ以外の申込を区分して発表しています。
保育士優先利用枠の申込は219人、申込総数に対する割合は1.43%でした。昨年の申込数190人より若干増加しています。
年齢別に見た場合、最も申込率が高いのが0歳児の1.95%、次いで1歳児の1.49%でした。これも昨年と同傾向です。
全体としてみると、優先枠を利用される方は若干数に留まっています。
申込みが一部保育所等へ偏っている
気になるのは、優先利用枠による申込みが特定の保育所等・年齢に偏っているのではないかという懸念です。そこで、優先利用枠の申込が多い保育所(2名以上)を抽出しました。
該当したのは50保育所等でした。市内には約690施設があるので、約7%が当てはまります。偏りは否めません。
優先枠への申込が最も多かったのは、子ロバ保育園(都島区)の6人でした。他には、同心保育園(北区)、阿倍野保育園・育徳園保育所(阿倍野区)、認定こども園グレースこども園(住之江区)が4人となっています。
また、募集人数に対する申込率が20%を越えた保育所等もあります。都島友渕乳児保育センター(都島区)、KIDSROOMBaby-beeふくしま園(福島区)、風の丘保育園(港区)、認定こども園グレースこども園(住之江区)、認定こども園常磐会短期大学付属常磐会幼稚園(平野区)です。
これらの保育所等は「保育士に選ばれやすい施設」と言えそうです。
優先枠で埋まった保育所・年齢も
一方、優先利用枠で募集予定数が全て埋まってしまった施設・年齢もあります。
都島東保育園(都島区)の2歳児、子ロバ保育園(都島区)の2歳児、ふじのもり保育園(福島区)の2歳児、阿倍野保育園(阿倍野区)の3歳児です。
こうした施設・年齢をいくら希望しても、入所できる可能性は皆無です(保育士等の申込者が辞退した場合を除く)。これ以外にも、優先枠の利用で募集枠の多くが埋まってしまった施設・年齢もあります。
また、優先枠で申し込んだにも関わらず、募集予定数が「0人」という施設もあります。第1希望を他の施設へ変える方もいれば、追加募集に期待して変更しない方もいるでしょう。
優れた制度、だが他の入所希望者とのバランスも必要
優先枠の利用は昨年とほぼ同水準でした。今後も1%台半ばで推移するのではないでしょうか。
「保育所不足で働けない保育士」や「保育士不足で入所募集できない保育所」を救うには、優れた制度だと言えるでしょう。今後は他自治体でも導入する動きがありそうです。
しかしながら、一部とは言え保育士等優先枠で募集定員が埋まってしまい、他の希望者が入所できない・入所しにくい現象が生じています。特に利便性が高く、古くから運営している保育所等で顕著です。両者のバランスを取る必要があるでしょう。
優先枠の利用に何らかの上限を設ける制度が考えられます。例えば各施設・年齢の2割以下(10人募集なら2人まで、1人募集なら1人まで)までとする考え方です。
今後の予定&お願い
今年も各区毎の申込状況等を分析し、何らかの情報を掲載していきます。今年の内容はH30申込分析、昨年の内容はH29分析からご覧下さい。
今回の一斉募集は希望保育所等の変更期限が「平成29年11月20日」までとなり、昨年より前倒しされています。そこで、各区・施設・年齢毎の申込数や第1希望倍率等をまとめた表を早急に掲載する予定です。表内容に対する補足説明等は後回しにします。
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