2017年9月21日に開催されている大阪市会こども教育委員会では、マンション建設業者への保育施設整備に関する協議義務を盛り込んだ条例案、たんぽぽの国保育園の事故報告書等に関する質疑が予定されています。
質疑内容等の趣旨を簡単に記載します(正式な内容は大阪市会ウェブサイトの録画放送や議事録を参照願います)。
【大規模マンション建設時の協議義務付け条例】
○上田議員
条例化する目的や必要性は?
○松田保育特別対策担当課長
用地不足・地価の高騰
現在は事務要綱に基づいて業者からの事前協議を求めている
あくまで協力義務、完成後の協議も可能
マンション内の保育スペースを組み込むのは非常に困難
条例化で事前協議を義務化、設計計画を容易に変更できる期間中に届出義務
○上田議員
協議内容を詳しく
○松田保育特別対策担当課長
既設施設では不足が見込まれる場合は、定員等を示し、業者へ協力を要請する
○上田議員
氏名を公表する場合は?
○松田保育特別対策担当課長
事前協議を行わなかった場合に公表する、結果に対してペナルティを科すのではない
広報誌やウェブサイトへの掲載を考えている
○上田議員
マンション事業者のメリットは?
居住者の優先入所制度は?
○吉村市長
大規模マンションが増加中
業者をマンション内に作りたい思いがあるが、優先入所制度が無く、やりにくい
厚労省「地域の実情に応じた入所制度を、入居者を母子世帯や生活保護世帯よりも優先しても差し支えない、自治体の裁量」と国会答弁
事業者や有識者の意見も聞きたい
マンション入居者が優先的に入所できる仕組みを構築します
【公立保育所の縮小運営・保育士配置基準】
○井上議員
利用定員の引き下げ内容は?
○葛西保育所運営担当課長
保育士人数が確保できない
保育ニーズが減少している地域を中心に、平成26-29年度で450人の利用定員を引き下げた(0-3歳児)
○井上議員
不足している保育士数は?
○葛西保育所運営担当課長
平成25-27年は保育士採用を凍結(任期付きのみ)
平成28年から再開、4年間で118人を採用できなかった
○井上議員
1歳児の保育士配置基準を見直した効果は?
○赤元保育企画課担当課長
約9億円
○井上議員
面積基準の特別措置とは?
○松田保育特別対策担当課長
0-1歳児?まで1人あたり1.65平方メートル(平成31年度まで)
【たんぽぽの国保育園の事故調査報告書】
○高見議員
監査体制の強化が必要
○武田指導担当課長
年1回以上の監査、指導監査体制の強化が必要
例年7月から行っている、通知到着後30日以内の改善報告を求めている
文書指導、改善勧告等を行う
○高見議員
プロセスも見直して欲しい
○井上議員
指導監督責任は大阪市にある
○武田指導担当課長
睡眠時観察、初期リスクの低減、一次救命力の向上、保護者への情報提供、大阪市の・・・
巡回指導員の増員、無通告での立入調査、専任職員の配置
○井上議員
男児の保護者は「基準を満たす証明書が交付されていた」のでこの施設を選んだ
○武田指導担当課長
保護者は施設を4回見学した
説明を信じた、運営会社が保育士派遣会社だった、研修も行っている会社だった
○井上議員
認可外保育施設の安全確保は長年の懸念材料
ラッコランド事故でも質疑した
事故後の対策強化は?
○武田指導担当課長
事故後に52施設へ特別立入調査を実施した
研修・講習等の実施、全ての施設へ無通告の特別立入調査を実施中
対応マニュアル改訂、巡回指導員の増員等を進めている
○井上議員
安全確保に甚だ疑問
安全基準を疎かにしてはならない
【待機児童対策】
○角谷議員
保育人材確保事業の伸展は?
○課長
新規採用給付金388人、宿舎借り上げ28人、潜在保育士10人
保育士不足で募集数を減らした事業者が2割
○角谷議員
新規採用給付金は効果、それ以外は申請が少ない
利用が少ない理由は?
○課長
宿舎借り上げは新規採用保育士のみが対象で、既採用保育士が対象外で格差が生じる
2,000万円支出、8,000万円が余りそう
新採限定は4政令市、採用後10年以内が多い
○角谷議員
市長の考えは?
○吉村市長
採用10年以内に拡大したい
今年度途中からでも実施したい
(追記します)