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(9/14追記)
【園児食塩中毒死】元園長に求刑を上回る禁固1年、執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。
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【ニュース・映像あり】1歳園児が食塩中毒死、認可外保育「スマイルキッズ」元経営者を逮捕の続報です。

【ニュース・9/14有罪判決】1歳園児が食塩中毒死、認可外保育「スマイルキッズ」元経営者を逮捕

容疑者は12日午後2時頃に盛岡地検へ送検されました。勾留・勾留延長を経て、8月上旬に起訴される見通しです。

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(8/2追記)
処分保留で釈放されました。
1歳児塩中毒死、保育施設の元経営者を釈放 捜査は継続
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また、新たに事件直後の女児の様子が判明しました。父親は「首や背中など全身に塩の結晶がつき、ベビー服も塩でかたくなっていた」と話しています。

 盛岡市内の保育施設で1歳の女の子に食塩を混ぜた飲み物を飲ませ中毒死させたとして施設の元経営者が逮捕された事件で、「女の子の体全体に塩の結晶がついていた」と父親が話していることが分かりました。
傷害致死の疑いで逮捕された保育施設の元経営者は、12午後、盛岡地検に身柄を送られました。死亡した下坂彩心ちゃんの両親の弁護士によりますと父親の亘さんが施設で彩心ちゃんを引き取る際、首や背中など全身に塩の結晶がつき、ベビー服も塩でかたくなっていたということです。盛岡赤十字病院の高野長邦医師によりますと、多量の汗をかいたまま放置されたことや塩の入った液体をかけられたまま放置されたことなどが考えられるということです。飲まされた塩の量は特定されておらず、警察は血液の塩分濃度などから彩心ちゃんが容疑者の供述よりもはるかに多い量の食塩を飲まされたとみて捜査を進めています。

http://news.ibc.co.jp/item_30653.html

1歳児は4g以上の食塩を摂取すると死に到る恐れがあります。全身や服に塩の結晶が付いていたのであれば、容疑者の供述や致死量を遙かに超える塩分を摂取させられた可能性が高いでしょう。

食塩はほ乳瓶でミルクと一緒に飲ませた?

あくまで推測ですが、「ほ乳瓶で粉ミルクと一緒に飲ませる」方法で塩分を摂取させられたと考えられます。ミルクはキッチンで作る場合が専らでしょう。手の届く場所に調理用の食塩があっても不思議ではありません。

では、どれぐらいの量の食塩が水に溶けるのでしょうか。塩の情報室によると、100mlの水に対して最大で37g前後の塩が溶けるそうです。

よく使われているほ乳瓶の容量は240mlです。

ミルクを溶かさないのであれば、最大で89g前後の食塩を溶かし込めます。余りに塩辛くて飲めないでしょうが、ミルクと一緒に溶かせば飲めてしまいそうです。

食塩を摂取させたのは、少なくとも女児を父親に引き渡す3時間以上前だったと考えられています。

 盛岡市の認可外保育施設で2015年8月、1歳女児が塩化ナトリウム中毒で死亡した事件で、岩手県警に傷害致死容疑で逮捕された施設の元経営者が、女児を父親に引き渡す約3時間前から、体調の異変を放置していた可能性があることが同市への取材で分かった。

https://mainichi.jp/articles/20170712/dde/041/040/071000c

ほ乳瓶に溶かし込むのは粉ミルクだけです。ほ乳瓶を利用して単なる水・白湯・麦茶を飲ませた事はあります。しかし、食塩を溶かし込んで飲ませる飲み物は皆無です。

意図的に大量の食塩を飲ませたとしか考えられません。

(7/20追記)食塩はイオン系飲料に混ぜて飲ませた?

致死量相当の食塩を乳幼児用イオン飲料に混ぜて飲ませたそうです。

食塩4.5~5g摂取か 1歳児中毒死、ほぼ致死量相当

盛岡市の認可外保育施設で2015年8月、預かり保育中だった下坂彩心(あこ)ちゃん(当時1)が食塩中毒で死亡した事件で、病院に搬送された彩心ちゃんの体内の食塩摂取量が約4・5~5グラムに相当することが、捜査関係者への取材でわかった。専門家によると1歳児で小さじ1杯分(5~6グラム)の食塩を摂取すると死に至る恐れがあるといい、彩心ちゃんはほぼ致死量相当の食塩を摂取させられた疑いがある。

この事件では、施設の元経営者が傷害致死容疑で逮捕されている。容疑者は「具合が悪そうだったので塩分補給のつもりで与えたが、危害を加えるつもりはなかった」と容疑を否認している。

捜査関係者によると、彩心ちゃんの食塩摂取量は血中濃度から測定した。事件当時、施設内には彩心ちゃんと容疑者の2人だけで、吉田容疑者は乳幼児用のイオン飲料を容器に入れ、食塩を混ぜて、スプーンで彩心ちゃんに与えたとみられる。彩心ちゃんの背中には多量の食塩が付着していたといい、彩心ちゃんが食塩を与えられ、嘔吐(おうと)した可能性があるという。

http://www.asahi.com/articles/ASK7M6FMHK7MUTIL03P.html

乳幼児用のイオン飲料といえば、アクアライトが有名です(容疑者が同製品を利用した、わけではありません)。

少量の塩化ナトリウムを含んでいますが、致死量とはほど遠い量です。これに致死量相当の食塩を混ぜ、スプーンで何度も摂取させたのでしょう。

大人にとって食塩5-6gは微量かもしれません。しかし、一度に摂取するのは大変です。試しに1gだけ舐めてみて下さい。直後に喉が渇き、大量の水を欲しがるでしょう。

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(追記)
父親が女児を引き取った直後の詳しい様子が報じられています。女児の様子は明らかにおかしく、即座に岩手医大へ搬送されたそうです。

 弁護士によると、彩心ちゃんは亘さんが午後11時すぎに迎えに来た際、ぐったりして口から泡のようなものが出ていて、唇は赤黒く目の焦点が定まっていなかった。亘さんが「どうしたんだ」「これ何ですか」と問いただしたが、吉田容疑者ははっきり答えなかった。

背中や肩から右側の腰付近、ベビー服にも白いものが付着し、なめると塩だった。両親が病院に運ぶと、医師は「くも膜下出血があり、肺に水がたまっていた。胃や内臓は傷だらけで出血で充満していた」と述べ、カルテに背部に塩のような粉が大量に付着していると記載した。体重は8360グラム、身長は76センチだった。

弁護士は「彩心ちゃんが嘔吐(おうと)し、それが結晶化したのではないか」と語った。

https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20170713_1

容疑者は午後9時頃に異変に気づいたものの、何らかの対処を行った形跡がありません。女児が病院へ搬送されたのは、父親と帰宅した後の午前1時頃でした。容疑者が異変に気づいた直後、または父親が迎えに行った直後に救急搬送されていれば・・・・と悔やまれます。

(父親が迎えに行った時間は、午後11時過ぎ・「未明」としている報道が混在しています)

医師の所見も凄惨です。食塩の過剰摂取がくも膜下出血・臓器の大量出血を引き起こすとは全く知りませんでした。いったいどれだけの食塩を摂取させられたのでしょうか。

素人が思いつきで始めた認可外施設?

事件当日は保育士・看護師等の有資格者が不在だったそうです。ずさんな手続も指摘されています。

 盛岡市の認可外保育所「スマイルキッズ」(閉鎖)で平成27年8月、下坂彩心(あこ)ちゃん=当時(1)=が食塩を混ぜた液体を飲まされ、塩化ナトリウム中毒で死亡した事件で、傷害致死容疑で逮捕された元経営者は保育士資格がなく、預かり保育中はいなければならない保育士が事件当日1人もいなかったことが12日、関係者の話で分かった。

児童福祉法などは、認可外でも預かり保育中は、保育士資格のある者が最低1人はいなければならないと定めている。

市によると、スマイルキッズには常勤1人、臨時2人の保育士が在籍していたが、県警によると、事件当日、保育所内には容疑者と彩心ちゃんしかいなかったという。

また、スマイルキッズの開所は27年7月1日だったが、届け出は同月13日。手続きは「1カ月以内」と定められているため問題なかったが、書類に不備があり、整った書類を受理したのは事件後の8月24日。

しかも、翌25日に容疑者から市に「保育所をやめたい」との電話があった。

市は事情を聴くため容疑者と26日に会うことにしたが、連絡が取れなくなった。閉所の手続きも郵送で行われ、10月中旬になって「8月31日付の閉所」という書類が送られてきたという。

市はこうしたずさんな実態が事件につながった可能性もあるとみて、改めて調べる方針だ。
http://www.sankei.com/region/news/170713/rgn1707130049-n1.html

 盛岡市の認可外保育施設で2015年8月、下坂彩心(したさかあこ)ちゃん(当時1歳)が塩化ナトリウム中毒で死亡した事件で、当時、施設のホームページ(HP)に「看護師など有資格者がいる」などと記載されていたことがわかった。両親の代理人を務める弁護士が明らかにした。弁護士は、傷害致死容疑で逮捕された施設の元経営者が児童福祉法に基づく認可を受けていたように装っていた可能性があると指摘する。
http://mainichi.jp/articles/20170713/k00/00m/040/099000c

園児が死亡し、逃げる様に施設を閉鎖した様子が伝わってきます。また、開設前後に行われる行政手続にも不備があったそうです。無資格者が適当に認可外保育施設を開所し、園児を死亡させたのでしょう。

こうした事件が発生する度に痛感するのは「認可外保育施設」という制度の在り方です。

子供の保育を行うという機能面では保育所等と同じである一方、保育士配置等の基準・行政による監査といった一種の安全基準に雲泥の差があります。重大事故の発生率も認可外保育施設の高さが際立っています。

当然ながら殆どの認可外保育施設は基準に則った、安全な保育を行っています。しかし、基準自体が緩く、何らかの形でかいくぐろうとする事業者が後を絶ちません。

こうした事故を防ぐ・可能な限り減少させるには、行政の適切な関与は必要不可欠でしょう。認可外保育施設は全て許可制とし、代わりに一定の公費を投入するという考え方もあるでしょう。