平成29年度保育所等一斉入所申込状況分析、第10回は都島区を取り上げます。

なお、同区に関する過去の分析記事は「検索:都島区 分析」から、その他の昨年の分析記事はH28申込分析H28結果分析からご覧下さい。大阪市子育て支援施設マップ(非公式)も役立つと思います。

※11月4日に発表された数字に基づきます・保育士優先利用数は申込者数に含んでいます

大阪市から発表された平成29年度保育施設利用申込状況に基づき、区別・年齢別・年度別の申込数・募集数一覧表を作成しました。
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昨年より入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ・0.1倍以上減少した区は水色・入所倍率が2倍を超えた箇所は赤・保育士優先枠が存在する申込欄は薄緑で表示しています。

2-3歳児が厳しい、都島駅周辺は絶望的

都島区の入所倍率は昨年の1.21倍からほぼ横ばいの1.22倍となりました。募集数・申込数が同程度に微増しています。

ただ、年齢別に見るとバラツキがあります。0歳児は昨年とほぼ同内容です。1歳児は申込数が減少・募集数が増加したので、やや入所しやすくなりました。とはいえ入所倍率は1.44倍、70人以上の保留児童が発生する見通しです。

厳しくなったのは2-3歳児です。2歳児は申込数が13人増えて116人となりました。募集数はH28とほぼ同水準に留まり、入所倍率は2.06倍から2.23倍へと上昇しました。半数以上が入所できない見通しです。

急激に難しくなったのは3歳児です。入所倍率が1.23倍から1.89倍へと急上昇しました。申込数が増加し、同時に募集数が大きく減少したためです。一部の既設園で3歳児募集数が減少しているのが気掛かりです。

また、2-3歳児に共通する点として、「募集を行っている保育所等が限られている」ことが挙げられます。特に地下鉄都島駅の周辺は深刻で、募集している保育所等が殆どありません。まとまって募集しているのは友渕地域・東野田地域等に限られています。

都島児童センターは4.9倍・都島桜宮は3.7倍

都島区では地下鉄都島駅周辺にある保育所等を第1希望とする方が多数います。今年もそうした現象が窺えます。

同区で最も入所倍率が高いのは、認定こども園都島児童センターの4.90倍でした。4年連続で4倍を超えました。

同こども園で募集を行う予定なのは0-1歳児のみです。0歳児が募集数8人に対して15人が第1希望としています。フルタイム共働きでも入所できない児童が生じてしまいそうです。

極めて厳しいのは1歳児です。募集数2人に対して17人が第1希望としています。入所倍率8.5倍です。きょうだいが在籍している児童であっても入所できない恐れがあります。

同こども園を運営するのは社会福祉法人都島友の会です。都島区を中心に、数多くの保育所等を運営しています。他の施設を第1希望としている方が少なくなく、同福祉法人の地域に根ざした保育が評価を受けているのでしょう。

同法人が運営する都島桜宮保育園も3.65倍という高い値です。地下鉄都島駅とJR桜ノ宮駅の中間にあり、いずれの利用者でも登園が容易です。入所倍率・第1希望申込者が年々上昇・増加しています。

今年は0-2歳児で多くの方が第1希望として申し込んでいます。0歳児は募集数13人人に対して22人が第1希望としており、フルタイム共働きでも入所できない児童が生じてしまうでしょう。

更に厳しいのは1歳児です。募集数10人に対して31人が第1希望としています。何らかの加点がなければ非常に難しいでしょう。

絶望的なのは2歳児です。21人が第1希望としているのですが、募集数は0人です。H28までは6人募集だったのですが、H29から変更があった様子です。

この周囲で2歳児募集を行っている保育所等は殆どありません。よく見ると、1名募集を行う保育所等がごく僅か、2名以上の募集を行う保育所等はくじら保育園都島北園(7人)・うちんだいまつのはな保育園(2人)・きらきらBaby都島園(2人)・鶴満寺保育所(6人、北区)程度でした。

3歳児も似た状況です。都島駅周辺での2-3歳児入所は、極めて難しいと言えます。こうした年齢の募集数が多い公立保育所が無いのが響いています。

子ロバ保育園も高倍率、都島駅周辺は強い保育所不足

都島駅から少し北にある、子ロバ保育園も高倍率です。募集数20人に対して55人が第1希望としており、入所倍率は2.75倍となりました。

ここも同じく2歳児の募集数がありません。10人が第1希望としているのですが、この地域全体での2歳児募集数が余りに少なすぎます。

0-1歳児も容易ではありません。0歳児は入所倍率が1.58倍、フルタイム共働きであれば入所できるのではないでしょうか。1歳児は3.14倍という高倍率です。保育士優先枠の申込もあり、加点がなければ厳しそうです。

都島駅・JR桜ノ宮駅周辺にある保育所等は、いずれも多くの希望者が集まっています。保育を必要とする子育て世帯に対して保育所等が全く足りていません。数年前に保育所を新設して少し落ち着いたのですが、再び保育需要が切迫している印象です。

北部は毛馬コティに集中

阪神高速守口線より北側の地域では、毛馬コティ保育園に多くの第1希望が集まっています。募集数18人に対して第1希望37人、入所倍率は2.06倍です。

年齢別では1-2歳児が厳しい状況です。1歳児は募集数6人(H28より4人減少)に対して第1希望が15人、入所倍率2.5倍です。とはいえ同保育所はフルタイム共働きでの入所希望者が多くないのか、入所に必要な点数は都島駅周辺より低いと見込まれます。

2歳児は募集がありません。募集を行う毛馬保育所・大東保育園へ第1希望を変更する方が多いのではないでしょうか。

京橋駅周辺は小規模保育が多い、1歳児・3歳児が東野田ちどりへ集中

京橋駅の周辺も都島区です。ターミナル駅前と性質のためか、この地域には数多くの小規模保育があります。

しかし、保育所という選択肢は殆どありません。3-5歳児の保育が可能なのはたつのこ保育園(城東区)、もしくは認定こども園東野田ちどり保育園のみです。

その為か、この地域で保育を必要とする児童の大半は、東野田ちどり保育園を第1希望としています。0歳児は第1希望が募集数を下回っており、他の小規模保育も合わせて考えると、地域全体の0歳児保育需要には応じ切れそうです。

問題は1歳児と3歳児です。同保育所の1歳児は募集数6人に対して第1希望が21人もいます。何らかの加点がなければ入所は厳しいのではないでしょうか。小規模保育を合わせても、どこにも入所できない1歳児が多数発生する見通しです。

2歳児は第1希望が募集数を下回っています。都島駅周辺とは大きく異なる状況です。ただ、都島児童センター等を希望している2歳児の一部が、東野田ちどり保育園へ変更する可能性が強いでしょう。都島区全体の状況を踏まえると、フルタイム共働き程度の点数が必要となるのではないでしょうか。

1歳児と同様に厳しいのは3歳児です。同保育所は2歳児定員が37人・3歳児が40人、募集数は差し引き3人です。対して第1希望は10人です。

3歳児入所枠、本当にあるの?

では募集数3人の入所枠が本当にあるのでしょうか。見落として成らないのは、同こども園を連携施設としている小規模保育の存在です。

近隣に東野田ちどりキッズという小規模保育があります。運営法人は同こども園と同一であり、連携施設となっていると聞いています。一般的に同一法人が運営する連携施設には卒園児を対象とした優先入所枠が設定されています。

2歳児と3歳児の定員差は3人であり、募集数と同一です。優先入所枠は募集数3人の中に含まれている可能性が高いでしょう。優先入所できる人数は定かではありませんが、外部から新たに入所できる3歳児は3人未満ではないでしょうか。

この様に、京橋駅周辺の3歳児入所は数字以上に厳しいものがあります。小規模保育の卒園児(東野田ちどりキッズを除く)といえども、入所先が全く見つからない可能性が高いです。小規模保育の新設に注力した副作用です。

なお、小規模保育で3歳児以上の保育を可能とする計画が政府内で検討されています(詳細はこちら)。これについては別の記事で考える予定です。

今後の予定&お願い

今後は西区(特になにわ筋一帯)、東淀川区、此花区(特に高見・伝法東部)、住吉区、港区(特に波除地域)、城東区(中央区に近い地域)、住之江区、旭区、東住吉区に関する内容を掲載する予定としています。

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