平成28年度保育所等一斉入所申込状況分析、第10回もリクエストにお応えして西淀川区を取り上げます。
※10月28日に発表された数字に基づています。
昨年と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。
申込数・募集数は共に大幅増
西淀川区での保育所等入所申込数は昨年から52人も増えて514人となりました。0歳児(+20人)、1歳児(+34人)が大きく伸びています。募集数はそれを上回る79人が増加しています。待機児童問題が深刻な0-3歳児が満遍なく増加しています。これにより、区全体としての入所倍率は1.34倍から1.21倍へと下落しました。
しかし個別に見ていくと、必ずしも入所しやすくなったとは言い難いです。
決して容易ではない0-2歳児の保育所入所
H27一斉入所での年齢別の入所倍率が最も高かったのは2歳児の2.40倍でした。今年は申込数が9人増えた一方で募集数が16人も増え、倍率はやや低下しました。主に市立保育所で募集数が増えています。しかし、それでも入所倍率は2倍近く、入所できるのは半数のみです。
同じく入所倍率が低下した0-1歳児も注意が必要です。昨年より34人増えた1歳児申込は一部保育所へ第1希望が集中しています。募集数が増えた保育所はやや入りやすくなった一方、増えなかった保育所は昨年以上に入所が難しくなっています。
0歳児も似た傾向です。1歳児とは異なり、保育所の募集数はほぼ昨年通りでした。増えたのは小規模保育施設です。保育所へ第1希望が偏り、多くの保育所で昨年より入所しにくくなっています。小規模保育を含めた第2希望以下まで広げればいずれかに入所できる計算です。
姫島駅・福駅間は区内で最も入所困難
入所倍率が最も高かったのは、姫島南保育園の3.00倍でした。保育所南部に淀川があるので居住区域は3方向に限定されますが、周囲の大型マンション等の住人から多くの申込があるのでしょう。同保育所の入所倍率は毎年極めて高い水準となっています。姫島通を挟んで北にある姫島保育所も多くの申込者が集まっており、入所倍率は区内3位の1.88倍です。
両保育所は特に1-3歳児の入所倍率が極めて高くなっています。0-1歳入所できず、そのまま1-3歳児での入所を申し込んだ格好でしょうか。阪神姫島駅と福駅に挟まれた地域は、保育所が極めて不足している地域と言えそうです。梅田方面へ通勤するのでしたら、姫里保育所や福保育所(但し移転新築予定あり)も候補となるでしょう。
区内で2番目に入所倍率が高かったのは、みさき佃保育園の2.08倍でした。同じ地域にある佃保育所・佃幼稚園と合わせれば、1歳児を除くほぼ全ての園児はいずれかの園へ入所できるでしょう。逆に言うと、佃地区の1歳児は大変です。
高倍率保育所は敬遠された?
不思議な事に、西淀川区では入所倍率が急減した保育所が少なくありません。1倍以上も下がったのは、みどり保育園・柏里保育所・野里保育所・姫島南保育園です。4保育所はいずれもH27一斉入所で入所倍率が2倍を超えており、今年は敬遠された格好です。とは言っても今年も1歳児を中心に多くの申込者がおり、入所するのは決して容易ではありません。
では、減少した申込者はどこへ行ったのでしょうか。4保育所の周辺にある聖花保育園(前年+17人)、姫島保育所(+13人)、大和田保育所(+16人)が第1希望を集めています。
西淀川区の様に入所倍率が市内平均的な区の場合、前年度の入所倍率にやや敏感に反応する傾向があるかもしれません。高い倍率の保育所ばかりの地域と違い、第1希望を変えれば入所できる可能性を大きく変化させやすいからです。中間結果を受け、第1希望を変更する方も一定数おられるでしょう。
出来島保育所の休所・福保育所の建替移転による統合を予定
西淀川区では出来島保育所の休所・福保育所の建替移転による統合が予定されています(詳細はこちら)。予定時期は平成29年4月、統合・移転先は市営大野住宅南側の更地(一部)です。移転後の保育所定員は両保育所を合わせた人数が予定されています。
次回の予定
次回は鶴見区、その後は住吉区・生野区・住之江区・都島区を予定しています。
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