平成29年度保育所等一斉入所申込状況分析、第17回は西淀川区を取り上げます。

なお、同区に関する過去の分析記事は「検索:西淀川区 分析」から、その他の昨年の分析記事はH28申込分析H28結果分析からご覧下さい。大阪市子育て支援施設マップ(非公式)も役立つと思います。

※11月4日に発表された数字に基づきます・保育士優先利用数は申込者数に含んでいます

大阪市から発表された平成29年度保育施設利用申込状況に基づき、区別・年齢別・年度別の申込数・募集数一覧表を作成しました。
h29_moushikomi_bunseki_nishiyodogawa
昨年より入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ・0.1倍以上減少した区は水色・入所倍率が2倍を超えた箇所は赤・保育士優先枠が存在する申込欄は薄緑で表示しています。

入所倍率はやや低下、2歳児は厳しい

西淀川区の入所倍率はH28の1.21倍からやや低下して1.09倍となりました。申込数がH28より16人減少、そして募集数が34人増加しています。

同様に全ての年齢で入所倍率が低下しています。そうした中、やや厳しいのは1-2歳児です。

1歳児は募集数134人に対して、申込数は183人となっています。50人前後の1歳児が入所できない見通しです。

より厳しいのは2歳児です。申込数104人対し、募集数は61人となりました。半数近くの2歳児が入所できない見通しです。

倍率2倍越えは姫里南保育園

西淀川区で最も入所倍率が高かったのは、姫島南保育園の2.07倍でした。区内で唯一2倍を超えた保育所です。同保育所を第1希望する児童は例年多く、H27一斉入所では4倍を超えていました。

ただ、倍率が高いのは0-1歳児ではありません。2-3歳児です。

2歳児は募集数2人に対して5人が第1希望、そして3歳児は募集数2人に対して8人が第1希望としています。周囲に地域型保育事業・認可外保育施設等はないので、共に全く新規の入所申込だと考えられます。しかし、半数以上が入所できない見通しです。

一方、倍率が低いのは0-1歳児です。0歳児は1.5倍・1歳児は1.67倍です。とはいえ同保育所の入所者は高い点数を有する児童が例年多く、フルタイム共働きに満たない点数では厳しいかもしれません。

姫島南保育園に近くにあるのが、姫島保育所です。西淀川区の中心地域にあるにも関わらず、第1希望とする児童がやや少なくなっています。2歳児・4歳児の募集数が多く、入りやすくなっています。

また、姫里保育所も似た状況です。フルタイム共働きであれば多くの年齢で入れそうです。ただ、1歳児だけはやや入りにくく感じます。

統合・建替移管・民営化される福保育所

西淀川区で注目されるのが福保育所です。出来島保育所と統合・近隣地に建替移転・民営化と、状況がめまぐるしく変化しています。

出来島保育所の募集数をほぼ上乗せしており、募集数はH28の14人から34人へと増加しました。申込数も18人増加しているので、入所倍率はほぼ昨年通りとなっています。

阪神なんば線より西の地域は大阪市の端にあたり、中島川の対岸は尼崎市です。地域内には福保育所と青空保育園があります。川・国道43号線・阪神なんば線で区切られているので、他の地域にある保育所等へ登園するのは容易ではありません。

しかし、同地域内の2保育所の募集数・申込数を合算して計算した場合、多くの2-3歳児は地域内の保育所へ入所できない見通しとなっています。非常に厳しい状況です。幼稚園等もありません。

反面、0-1歳児は申込数が低調です。0-1歳児から保育所を利用し、就労・復職する世帯が多くないのでしょう。交通の便が決して良いとは言えず、通勤しにくい地域事情もあるのでしょう。

こうした地域では、子供が2-3歳と少し大きくなった段階にて、パート勤務等を考える世帯が少なくないのでしょう。2-3歳児の申込数が多いのも頷けます。

つまり、両保育所の募集数が地域事情に見合っていないと推定されます。0-1歳児募集数を減らして2-5歳児に振り向ける等、地域ニーズに見合った募集数の設定が待ち望まれます。

柏里保育所の0-1歳児はきょうだい加点で埋まりそう

JR東海道本線・東西線が利用できる東部地域では、柏里保育所・野里保育所が厳しい状況です。

柏里保育所の0-1歳児の募集数は各3人です。保育所の総定員を踏まえると、募集数の大半はきょうだいが在籍している児童で埋まってしまう可能性が高いです。倍率以上に厳しく感じられます。

きょうだい加点がない方は、第1希望を他に変更した方が良いかもしれません。聖花保育園・きららかしわざと保育園やゆりかこハウス(地域型)・淀川区内の保育所等が候補となるでしょう。

野里保育所の1-2歳児も厳しく、入所倍率が2倍を超えています。1歳児はフルタイム共働きでも厳しいかもしれません。

同じく香簑保育園の1歳児も厳しい状況です。募集数が5人と少なく、申込数は10人(内、保育士1人)となっています。募集数の大半を保育士優先・きょうだい加点児童が占め、それ以外の児童が入所できる枠は少ないでしょう。

佃地区の1歳児もきょうだい加点で埋まる見通し

地域毎に見ていくと、特定地域で1歳児入所が極めて厳しいことに気づかされます。神崎川で区切られている佃地域もその一つです。

同地域にはみさき佃保育園と佃保育所があります。両保育所は共に1歳児入所倍率が3倍を超えており、極めて入所しにくい状態となっています。きょうだい以外の入所は極めて困難ではないでしょうか。

両保育所へ入所できない場合、神崎川の対岸にある保育所等が候補となります。しかし大和田保育所・よどっこ保育園・光の園幼稚園(こども園)の1歳児クラスはいずれも申込数が多く、入所できない児童が多数生じる見通しです。

みどり保育園の1歳児は入れない

大阪市の保育所等入所選考にて、H29から保育士優先枠が導入されています。全区・全年齢で唯一、保育士優先枠で募集が全て埋まった保育所・年齢があります。みどり保育園の1歳児です。

募集数1人に対して、第1希望申込は3人(内、保育士1人)となりました。辞退等が行われない限り、入所するのは保育士優先枠の児童のみです。きょうだい加点・他の第1希望者はもとより、第2希望以下で記入しても確実に入所できません。

1歳児はどこなら入れるの?

これまで指摘した保育所の大半で「1歳児が極めて厳しい」という内容となってしまいました。区全体の1歳児入所倍率が1.37倍と決して高くないにも関わらず、こうした結果となったのは想定外です。

では、どの保育所の1歳児は募集数が多く、かつ申込数が少ないのでしょうか。

それは青空保育園(中島)とレイモンドみてじま保育園(御幣島)でした。西淀川区の西の端と北東の端です。交通利便性は決して高くなく、かつ登園できる地域に住んでいる児童は限られます。

そこで、両保育所・地域型保育事業を除いた1歳児の申込数・募集数を算出してみました。結果、申込数は170人・募集数は103人となりました。入所倍率1.65倍、区全体の1歳児を大きく上回る厳しさとなりました。

事態を深刻にしているのが認可外保育所の少なさです。同区内の認可外保育施設は塚本駅前にあるドリームトライ塚本園のみです。

では西淀川区の1歳児には、他にどういった選択肢があるのでしょうか。有力なのは区外の保育所です。

たとえば阪神なんば線で渡った先にある此花区の伝法駅・千鳥橋駅の南・西方面にある保育所は、1歳児クラスでもやや入りやすい状態となっています。此花区の1歳児入所倍率は市内で最も低い水準です。

また、淀川区の十三駅周辺には多くの認可外保育施設があります。淀川通沿いに走れば、自転車でもすぐにたどり着きます。十三駅周辺には駐輪場も多く設置されています。

西淀川区で1歳児入所を検討されている方(特にフルタイム共働きに満たない点数)は、こうした選択肢もご検討下さい。

今後の予定&お願い

今後は住吉区、港区(特に波除地域)、東住吉区に関する内容を掲載する予定としています。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。

頂いたお問い合わせを見落としている可能性もあります。返事が未だ届いていない方は、お問い合わせから再送信して頂けると助かります。

同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。

ウェブサイト上にamazonリンク・サーチボックス等を掲載しています。ご家庭で使われる育児・生活用品・家電製品・消耗品等がありましたら、サイト上のamazonリンク等を経由して購入して頂ければ幸いです。