(4)西区
選ばれたのは社会福祉法人大阪愛保会です。
本部は同じく西区新町にあります。
同所にて新町保育園を運営しています。
新設保育所と同じ地域にあり、母体園となるのでしょう。
選定結果詳細には、下記の様な意見等が掲載されています。
指摘項目が少々多いのが気がかりです。
・ 待機児童が多く、保育需要が非常に高いエリアでの整備計画であり評価できる。
・ 既存の保育園との連携によって、より質の高い保育を期待したい。
・ 施設長予定者のこれまで経歴を活かして、新設される園での手腕に期待したい。
・ 既存園も含めた人事交流などにより、新設園において経験ある保育士の配置に努められたい。
・ 苦情処理、こどもの虐待防止、食育やアレルギー児対応などについて、実用性の高いマニュアルの整備を図ること。
・ 今後の資金繰りについて、事前に十分に余裕を持った手当てを図ること。
・ 第三者評価を早期に受審されたい。
・ 歳児ごとの定員に応じた適切なトイレの数の確保を図ること。
新たな保育所は西区新町四丁目に設置される予定です。
新町保育園と同じ地域です。
他にはメリーガーデン保育園があります。
地域内に西区役所・中央急病診療所・西長堀駅が、徒歩圏に中央図書館・日生病院・松島公園があり、子育て世帯が必要とする施設が全て揃っています。
天王寺区と並び、西区は大阪市内で保育所へ入所するのが最も困難な区です。
昔から保育所が少なく、むしろ公立幼稚園が主だった地域だと感じています。
ここ数年は毎年の様に保育所を新設していますが、それを遙かに上回る勢いでタワーマンションが建設され、子育て世帯が転入しています。
西区で保育所へ入所するには0歳児なら少なくともフルタイム共働き(200点)が、1-2歳児は更に高い点数が必要です。
当面はこの状況に変化はないでしょう。
(5)淀川区
選ばれたのは株式会社アイグランです。
本部は広島市にあります。
大阪市内ではあい保育園海老江・あい保育園昭和町を運営しています。
あい保育園昭和町の定員・開園時間については市会で取り上げられた事があります。
「あい保育園昭和町(阿倍野区)」の定員減&閉所時間短縮につき、市会で質疑が行われました
選定結果詳細には、下記の様な意見等が掲載されています。
「労働条件、特に給与面を強く意識してほしい」と指摘されているのが気になります。
・ 保育士不足の折、人材確保に力を注いでおられ現状は一定の評価に値する。今後は、施設長による丁寧な各保育士への指導を期待する。
・ また、職員の継続的な雇用に向けて、労働条件、特に給与面を強く意識してほしい。
・ アンケート結果を常に保育所運営に反映していることを評価する。
・ 地域の実情に学び、地域に根差した保育に取り組むよう切に願う。
新たな保育所は淀川区西三国一丁目に設置される予定です。
宮原中学校の北、府営住宅・マンションや一戸建てが混在する地区で、幹線道路を拡張するための区画整理も行われています。
周辺地区にはポラリスこども園・三国保育所・みくにひじり保育園・明の守保育園・つくしんぼ西保育園等、数多くの保育所等があります。
いずれの保育所も入所に必要な点数が高く、淀川区内では待機児童が集中しているエリアとなります。
また、区画整理事業に伴って大型マンションが建設されており、今後はまずます保育所への需要が増加すると予想されます。
淀川区の三国・宮原地域は保育所へ入所するのが年々厳しくなっている印象を持っています。
平成27年4月にクオリスキッズ三国本町保育園が開所しましたが、増加する子育て世帯に追いついていないのでしょう。
大阪市内では子育て世帯が増加している一部の地区とそうではない大多数の地区、二極化が進行しています。
(6)鶴見区
選ばれたのは株式会社セリオです。
本社は大阪市北区にあります。
大阪市内でトレジャーキッズともぶち保育園(都島区)・エンジェルキッズ(小規模保育)を運営するほか、一部地域で小学校の学童保育(いきいき)事業を受託しています。
選定結果詳細には、下記の様な意見等が掲載されています。
園独自の保育課程・マニュアルの準備が不十分だったのでしょうか。
・ 食育に対する取り組みの考え方が評価できる。
・ 自園にあった保育課程を編成し、保育所保育指針に基づく保育を行う必要がある。
・ 園の実情に合わせた独自のマニュアルを作成する必要がある。
・ 保護者や子どもと職員の信頼関係を重視した職員配置を心がけ、地域に根差した保育を行っていただきたい。
新たな保育所は鶴見区横堤五丁目に設置される予定です。
地下鉄横堤駅の北、鶴見区役所等もある区の中心地域です。
地区内には鶴見はとぽっぽ保育園が、西には茨田第2保育所があります。
利便性が高い地区であり、十分な保育需要が見込めると判断したのでしょう。
鶴見緑地公園へすぐに遊びに行けるのは高ポイントです。
鶴見区は子育て世帯が本当に多い区です。
これでもかと言うぐらいに、子どもを乗せた自転車と出会います。
保育所は比較的多く、市内中心部から離れているためか、入所するのに必要な点数は決して高くありません(一部保育所を除く)。
今後は保育所毎の競争が強まる可能性が考えられます。
(7)天王寺区
(7/22修正)
選ばれたのは株式会社ポピンズです。
本社は東京都渋谷区にあります。
保育所・ベビーシッター・キッズルームの運営や介護支援サービスの提供等、社会福祉に関する幅広い事業を展開しています。
大阪府内での認可保育所の運営実績はない模様ですが、神戸市や兵庫県内で5箇所の保育所を運営しています(詳細はこちら)。
入所前には見学もできそうですね。
選定結果詳細には、下記の様な意見等が掲載されています。
単独の園舎ではなく、何らかの施設内にテナントとして入居するのでしょうか。
・ 多数の保育施設を運営している実績から、研修体制が整っており人材育成環境が充実している。
・ 保育士が継続的に安心して保育に従事できるよう今後も職場環境やバックアップ体制の充実化をお願いしたい。
・ 準備段階から地元調整を行うなど利用者だけでなく地元貢献を意識した事業計画となっている。
・ 虐待対応をはじめとした各種マニュアルの実効性を確保するため、定期的に研修を実施するなど職員へ周知を徹底して頂きたい。
・ 複合施設での保育所運営となるため、安全確保のほか利用者同士のトラブル等がおこらないよう他施設と十分に連携を図ること。
新たな保育所は天王寺区石ヶ辻町に設置されます。
近鉄上本町駅のすぐ南、清風中学・高校がある地域です。
駅前で利便性が高い一方、単独の園舎を整備するには難しそうな場所です。
同じ地区内には蓮美幼児学園石ヶ辻プリメールやTOTKIDS(両方とも小規模保育)があります。
天王寺区では平成26年4月に天王寺駅前おおぞら保育園が開所して以来の新設保育所となります。
同区は大阪市内で保育所へ入所するのが最も困難な区の一つです。
入所を希望する割合は決して高くないのですが、希望者の選考点数が極めて高く、結果として入所するのに極めて高い点数が必要とされてしまっています。
区内にある保育所の殆どの入所基準点は195点、平均点は200点を超えています。
0歳児はフルタイム共働きが、1-2歳児入所では何らかの加算点が必要となるでしょう。
更なる保育所等の新設が不可欠であると同時に、保育所への入所を前提として天王寺区内で子育てを行うのはリスクが高いと言わざると得ません。
天王寺区内での保育所を利用した子育てには慎重な判断が求められるでしょう。
入所できなかったら大変です。