【ニュース】阿倍野区の新設認可保育所の定員減、地元自民市議の事務所で協議の続報です。
阿倍野区の新設保育所「あい保育園昭和町」の定員減&閉所時間短縮について、市会で質疑が行われました。
この質疑により、協議に至る経緯や内容等が明らかになりました。
教育こども委員会(動画)から、市長・議員・市職員の発言をメモ書きで記します。
なお、この質疑に関しては朝日新聞でも報じられています(こちら)。
【杉村幸太郎議員(維新)】
閉園時間を20時30分から19時に短縮した
阿倍野区内の待機児童は?
【市職員】
26年4月1日で27人、入所保留の内、転所希望・保育ママ・一時保育除いた児童数は146人
【杉村議員】
待機児童は4月よりも10月・11月の方が明らかに多い
阿倍野区役所には1日4-5件の問い合わせがある
【市職員】
6月17日
既設・新設保育所が意見交換
新設保育所事業者から開設当初は80人とするが、来年4月からは受け入れたい
入所時間は開所当初は7-19時、利用者の状況を見て変えていきたい、との再提案
市が了承した
1回目(5月8日)の話し合いでは結論が出ずに社内へ持ち帰り
社内で再検討した結果、定員を120名から80名にすると再提案があった
再提案の理由
もともと80名定員で公募した所、事業者から120名で提案され、選定委員会で認められた
既存の民間保育所から「よく分からない、どうしてだ」と、他の保育所と仲良くやっていく様にとの要望があった
株式会社が再考した
【杉村議員】
定数減は市民目線から理解出来ない
閉所時間短縮も同様
本事業者が運営する保育所20カ所中、19時閉所は3園
同社が福島区で運営する認可保育所も閉所は20時半
ここだけ異質な閉所時間
自主的にではなく、周囲の既存の保育施設に配慮した
意見交換会に至った経緯は?
【市職員】
○○議員(議員名は市長が後述)
話し合いの場を議員事務所でもうけたので、オブザーバーとして出席依頼があった
5月8日と6月17日の2回
阿倍野区内の既設保育所の園長、新設園の役員と園長、市職員
【杉村議員】
5月8日の話し合いの出席者
阿倍野区内の既設の保育所9法人9名
新設事業者2名
市職員
6月17日14時の話し合いの出席者
阿倍野区内の既設の保育所10法人12名
新設事業者2名
市職員
【市職員】
阿倍野区に対して会議場所の提供依頼はなかった
議員からの出席依頼に断る理由はなかった
議員事務所での事業者間での意見交換会に参加したことは、市民からの疑念を招く恐れがあった
適切ではなかった
経緯と決定は阿倍野区役所の頭ごなしに行われた
【杉村議員】
3月28日
「新規事業者の11月開園では新しい園に子供が流れてしまうので、既設園は困っている」との当該議員の発言に対し、局長が「ご迷惑をお掛けして申し訳ない」と発言
【市職員】
議員に対して「説明が遅くなってご迷惑をお掛けして申し訳ない」と
市長から定員・閉所時間を元通りにする様に指示を受けた
それを受けて新規事業者に指示をした
【杉村議員】
意見交換会参加者の方が、とある職員の方にした発言
「保育園業界として勿論努力をしていかないといけないが、あんなに大規模な保育施設が昭和町に出来ると、
既存の園は保育士をギリギリの状況で雇っているし、年度途中で園児が流出してしまうし、迷惑する
今回、新規参入保育所は当初の計画は120名の受入で午後8時までのオープンだったが、
当面の間は80名の受入で午後7時までになった
当該議員の手柄である
既存の保育所としてはありがたい話である」
6月17日より前の発言だった
既設保育所との裏約束ではないか?
【市職員】
裏約束はありません
6月17日以前に社内でこうした結論が出たという話は聞いていた
【杉村議員】
会派としては100条委員会も視野に入れている
局が新規事業者に対し、公平公正な自由競争を妨害したのではないか
待機児童解消への遅延行為
不特定多数の市民に対する背信行為
【市職員】
3月28日
既設保育所の要望
議員を介して局長に伝わった
2回の会議、契約・仕様変更に至る
要望通り
【杉村議員】
大きな問題がある
(1)こども青少年局ぐるみでの待機児童対策の遅延行為・市民への背信行為
(2)新規保育事業者への不当・不公正な競争妨害
(3)とある議員の不当・不適切な要望に応じた可能性がある
結果的に、既存保育所関係者を局ぐるみで守ろうとしていた
不特定多数の市民よりも特定の既得権者を守ろうとした
【橋下市長】
阿倍野区の木下議員
議員同士でやり合って頂きたい
外形的には問題はあると言わざるを得ない
局がその場で言うべきだった
ダメですよ、木下議員
政策判断として、市議会から積極的に定員を増やす様に言うべきだった
待機児童ゼロに対する局の意識が薄かった
【木下吉信議員(自民)】
昨年の12月にアイグランが入札によって決まった
局も区役所も何の説明も行わなかった
3月25日
既存の民間保育園への新設保育所に関する経過説明
その後に相談有り
11月に開所、4月30日までに産まれた子供が0歳児として入所できる
来年4月の募集の段階では、5月1日から9月30日までに生まれた子供しか0歳児として受け入れることが出来なくなる
保育士の手当ての問題から段取りを手当てしなければならない
そういった苦情・陳情を受けた
局も区役所も説明もしてくれない
定員割れしたら補助金がカットされて運営そのものが危なくなる
これまでの子育て支援を支えてくれた既存の保育園に対して何の説明もない
そんな状況で銭儲けを目的とする株式会社を参入させることに対して何の説明もない
4月の中頃
アイグランから問い合わせ
福島区の保育園の関係で、太田議員を通じてオファーがあった
一度、地元の既存の保育園の方と話し合いを調整して頂けませんか
局も役所も何もしてくれない
議員から保育園連盟の倉光先生にお願いした
場所はアイグランが探します
場所を探したけどアテがない、事務所を提供した
事前登録をしていないアイグランが区役所が場所提供を要請しても、規則で区役所は借りれなかった
5月8日
話し合いを開催するにあたって、現場の当事者同士で言った言わないを避ける為、こども青少年局の理事者の出席を要請された
議員から出席をお願いした
話し合いの経緯を説明した後は、私は発言していない
1回目はオブザーバー
2回目は局は主催者
年度途中の入園児の取扱い
人数が減ることによって、社会福祉法人の対応が存亡に関わる
激変緩和措置として4-5ヶ月間は募集当初の80名でお願いできないかと倉光先生からお願い
<会議におけるアイグランのはしもと部長>
「私の一存では申し上げられない」
「大阪さんがその様に申し上げるなら、社に持ち帰って検討する」
<会議における市職員>
「80人は最低限収容して欲しいと考えて公募しました」
「施設規模を考えて、120人まで可能としている、ご理解を頂きたい」
「局に持ち帰って検討したい」
6月17日
日時調整はこども青少年局
局からの要望に応じて場所を提供しただけ
12月に公募して、年度途中の開所について何のアナウンスもされていない
来年4月、既存の保育園が0歳児が受け入れられなくなったら保育士の手当てとか全部変わる
行政サイドに政治的配慮が全くない
11月にオープンする前例がない
4月30日生まれまでの子供が0歳児になると言うことは、4月1日現在で待機児童になっている子供以上に増えてくる
本来は4月1日が基準日
11月に開所するが為に、4月30日生まれの子供までを持っていかれたら既存の保育園は維持できなくなる
この窮状を局に訴えているのに、何もしてくれない
と相談を受けて、場所を提供しただけ
【市職員】
5月8日はオブザーバー
議員は中立的な立場
あくまで進行的な面、最後のまとめ
それ以外はお話をされていない
【木下議員】
3月25日に説明会
ここまでほったらかし
新年度の人の手当も考えていかないといけない
窮状を陳情として受け取った
私に非があるとは思っていない
場所は提供した、場所がないから
【橋下市長】
問題点は場所
アイグランが区役所会議室を使えないのが問題だった
局主催の説明会に切り替えるべきだった
追加説明の要求は議員の仕事
ニーズがある地域
認可保育所の主張に合理性は感じられない
0歳児の問題は後で確認する
200人、潜在的ニーズはもっと多い
認可保育所がすぐに倒れるのは飛躍的した議論
【木下議員】
年度途中開所に伴う0歳児の取扱いなど、来年4月の対応が問題
説明責任を局が果たしていない、区のフォローもしていない
【杉村議員】
なぜ閉所時間を19時にしたのか
【市職員】
新設の保育事業者と既設事業者との話し合いでそうなった
午後8時半を午後7時で同意した内容を了承した
極めて興味深い質疑でした。
特に阿倍野区で子育て中の方、是非動画を見てみて下さい。