2026年度保育所等一斉入所申込状況分析、第13回は住吉区です。

※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

0歳児募集数=1歳児募集数

住吉区は申込者が前年より54人も増え、854人となりました。増加幅は市内2位(1位は淀川区)でした。区内では保育を必要とする子供が著しく増加しています。落ち着いた住宅街や大阪メトロ・JR・南海・阪堺電車の4路線が利用出来る交通利便性・が評価されているのでしょう。

年齢別の申込数は0歳児が35人、1歳児が18人、2歳児が19人と大きく増加しています。募集数は0-1歳児が微増、2歳児が微減でした。結果として0歳児と2歳児は昨年よりやや入所し難くなり、1歳児はほぼ同程度だったと考えられます。

全年齢を通じた入所倍率が2倍を超えたのは、まんだい保育園とゆり保育園でした。両園はいずれも区北部にあり、周囲には住宅街が広がっています。交通利便性も良好です。

住吉区は1歳児募集数が相対的に少ない区です。0歳児募集数は264人ですが、1歳児は273人しかありません。0歳児募集数と1歳児募集数がほぼ同じです。しかしながら1歳児申込数は0歳児の約2倍もあります。

区全体の1歳児入所倍率は1.49倍と高く、何より申込数が募集数を130人以上も上回っています。今年も100人~150人程度の入所保留児童が発生する見通しです。1歳児申込者の内、1/3が入所出来ません。

他区でも同様の傾向があるものの、住吉区で特に強く表れているのは「公立保育所の低倍率」です。

区全体の1歳児入所倍率は1.49倍と高い数字です。しかしながら万領保育所・苅田南保育所・住吉乳児保育所の3公立保育所はいずれも1歳児入所倍率が1倍を下回っています。

市内の新設保育所等の建設状況を見に行く際、周辺他園の様子も見る様にしています。新設園が新しいのは当然として、公立保育所は園舎や設備の古さを痛感します。築40年以上を過ぎた園舎が少なくなく、甚だしい老朽化が進んでいます。

古い園舎と新しい園舎の双方を見学した保護者はどう考えるのでしょうか。新しく、設備が整った園舎に魅力を感じるのは当然です。

同じ住吉区内にある浅香東こども園は、旧浅香東保育所が民間移管して建て替えられたこども園です。

周囲を大和川・地域墓所・スポーツセンター・あびこ筋に囲まれ、最寄駅(あびこ駅)から600メートルほど離れています。同一街区に住宅は無く、住宅街からは距離があります。立地環境が決してよくない場所に公立園が設置されたという、歴史的経緯があります。

されど、1歳児は募集数を上回る第1希望がありました。新しい園舎に加え、民間移管によって保育内容にも変化があったのでしょう。一定数の保護者がそれらを魅力に感じました。

園児の少なさを逆手に取り、住吉乳児保育所は誰でも通園制度を実施しています。ただ、「公立保育所の魅力向上」という、根本的な問題から目を背けている様に見えます。

大阪市こども誰でも通園制度に8施設を追加、夜間保育を行う保育所も 10月実施

1歳児募集数が少ない保育所等が目立つ、

年齢別・保育所等別に見ていきます。

0歳児入所倍率が2倍を超えたのは、苅田南保育所(公立保育所)・KIDSROOMBaby-bee(地域型)・ゆり保育園の3施設でした(「公立保育所の低入所倍率」を指摘したにも関わらず、早々に矛盾しているのは見逃して下さい)。

区全体の0歳児入所倍率が0.80倍と落ち着いており、0歳児申込者の大半は第1希望で入所出来る見通しです。入所保留となってしまう方は殆どいないでしょう。

入所倍率が3倍を超えたのは、長居保育園(9倍!)・まんだい保育園・東よさみ幼稚園・みとう保育ルーム(地域型)・ゆり保育園でした。

実はまんだい保育園以外の4保育所等は、募集人数が10人未満しかありません。長居保育園は2人のみです。募集数が少ない保育所等に非常に多くの第1希望が集まりました。他園も同様の傾向です。募集数が少ない保育所等が目立ちます。

保育士等優先入所制度を利用した申込者が多いのも特徴的です。1歳児で13人、全年齢で25人が利用しています。実質的な入所倍率は更に上がります。

1歳児の入所難が影響しているのか、地域型保育事業を第1希望としている方が他区より多いと感じています。第1希望が募集予定数を上回る地域型保育も珍しくありません。

保護者としては卒園後の入園先が心配となります。一部は幼稚園へ入園しているのでしょう。区内には非常に多くの幼稚園があります。一部の幼稚園型認定こども園は地域型保育事業の連携施設となり、3歳児の受け入れ等も行っています。

2歳児も厳しいです。募集予定数が1-2名と少ない保育所等が多く、入所倍率が極めて高くなっています。まんだい保育園とほわいと保育園住吉は募集予定数1人ですが、保育士等優先制度を利用した申込者があります。事実上、入所者は決定しました。

反対に10名以上の募集を行う施設もあります。幼稚園を母体とする認定こども園です。主に3歳児以上を対象とした園舎や設備が導入されており、プレ幼稚園として2歳児を受け入れた経験がある園もあります。0-1歳児と比べ、2歳児を受け入れるハードルが低いのでしょう。

相対的に1歳児入所が難しい住吉区では、できれば0歳児で入所するのが理想的です。そもそも保育所等の設置数が全く足りていません。都心部での保育所等の新設に注力するあまり、その周辺にある区での整備が後手に回っています。

3歳児以降に幼稚園へ入園する意向があるのでしたら、地域型保育事業へ入所するのも一つの選択肢です。幼稚園の選択肢は豊富です。

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。

皆様に運営支援へのご協力もお願いしています。必要な育児・生活・事務用品等がありましたら、ウェブサイト上に設置している楽天リンクらご購入頂けると幸いです。