2026年度保育所等一斉入所申込状況分析、第10回は西区です。
※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。
昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。
保育所等に恵まれている西区、1歳児・3歳児が申込減
ここ数年の西区では大きな変動はありません。新設された保育所等がない為か、募集数は概ね横ばいです。大型マンションの竣工も一段落したのでしょうか、申込数にも大きな変化はありません。
西区の子育て世帯にとって、保育所等への入所より小中学校の狭隘化問題の方が深刻ではないかと感じています。1人あたりの学校面積が余りに狭く、身体を動かすのにすら制約があるぐらいです。
全年齢を通じた申込数は前年より34人減の545人、募集数は5人増の686人でした。入所倍率は0.85倍から0.79倍へと微減しました。入所倍率は市内平均より大幅に低く、都心部の中では保育所等へ入所しやすい区の一つです。
年齢毎の数字では、1歳児と3歳児の申込減が目立ちます。1歳児は19人、3歳児は35人も減少しました。
3歳児の申込減はそもそもこの年齢の児童が少なく、しかも0-2歳児の内に入所出来た児童が多かったのではないかと考えています。
この年齢の児童が生まれたのは2022年度でした。新型コロナが猛威を奮い、婚姻数や出生数に急ブレーキが掛かっていた年代です。0歳児申込数が前年より大きく減り、翌年の1歳児申込数等も減ったままでした。
加えて、西区は10年ほど前に非常に多くの保育所等を新設し、過剰気味となってしまいました。0歳児入所倍率0.62倍は市内で下から2番目です(最も低いのは大正区0.59倍)。子育て世帯にとっては非常に有り難い状況です。他区でも同程度の整備が必要です。
こうした整備を積み重ねた結果、3歳児の申込減という形に表れました。
1歳児に関しても、2025年度一斉入所に於ける0歳児申込数の少なさから導けます。2024年度生まれが少なく、一定の入所希望者は1歳児一斉入所までに入所出来たのでしょう。
3歳児では申込数が減少したのに対し、募集数は31人も増加しました。入所倍率も急落しています。
募集数を増やしたのは、主に2025年度一斉入所にて3歳児申込がありながらも十分に受け入れられなかった保育所等です。しかし、そうした動きは子育て世帯からは分かりません。中間発表の数字を見て、初めて3歳児募集数が増えているのに気づきます。
0歳児は大半が第1希望へ入所、1歳児は西長堀駅南部に注意
年齢別・保育所等毎に見ていきます。
0歳児入所倍率が3倍を超えたのは、鈴の音保育園と北堀江せせらぎ保育園でした。恐らくはきょうだい加点がある児童で充足します。西区全体の0歳児入所倍率は0.62倍と低い事から、希望するいずれかの保育所等に内定するでしょう。他の保育所等を希望している方も同じです。
1歳児は第1希望が集中する保育所等もある反面、それ以外は申込数と募集数が概ね均衡しています。
入所倍率が3倍を超えたのは、にしながほり保育園・太陽南堀江保育園・あけぼのほりえこども園・おひさまルーム(地域型)・こでまりこども園あわざでした。
前3園は地下鉄西長堀駅~桜川駅の沿線沿いにあります。区役所等も近く、西区の中心的な地域です。地下鉄駅の近くにある保育所等には、やや離れた地域から自転車で登園し、駅を利用して通勤する世帯からの申込もあります。広い地域から申込者が集まりやすい構造です。
おひさまルームは西六保育園と連携しており、卒園児の受け入れも行っています。運営法人も同じです。西六保育園と迷い、おひさまルームを第1希望とした方もいるでしょう。
こでまりこども園あわざは地下鉄阿波座駅と本町駅に歩いて行ける場所にあります。子育て世帯の目線としては、明治小学校に隣接しているのを強く評価します。小学校と保育所等が近い場所にあると、お迎えが本当に楽です。反対に離れていると、異動するだけで一苦労します。
2歳児はYMCAとさぼり保育園への申込者や倍率が突出しています。西船場小学校や地下鉄肥後橋駅に近く、梅田や淀屋橋へも歩いて通勤できる地域です(やや時間は掛かりますが)。
あくまで推測となりますが、同園は北区中之島地域からも登園できる場所にあります。中之島西部地域では再開発が積極的に行われており、タワーマンションも建設されています。しかしながら、これに見合う保育所等は整備されていません。
こうした地域からは北上して福島区の保育所等を利用するか、南下して西区の保育所等を利用するのが合理的です。北区内では保育所等を見つけにくいです。
とは言え、2025年度一斉入所で第1希望0人だった2歳児が、2026年度で10人に増えるのは首を捻ります。他の年齢に目立った変化はありません。
ここまでで触れてられていなかったのが、木津川の西岸地区です。東岸地区と比べ、保育所等への入所状況は落ち着いています。第1希望が募集数を大きく上回っているのは、鈴の音保育園の0歳児やアイグラン保育園川口の1歳児等です。
西岸地区は少子化が急激に進んでいます。保育所等の設置場所も疎らです。第1希望とした自宅近くの保育所等で内定せず、離れた場所にある保育所等へ内定する方も少なくないでしょう。
救いは地形です。市内他区や他地域と比べ、この地区は道路の整備状況が整っています。高低差も殆どありません。自転車で非常に移動しやすく、やや離れた場所にある保育所等へも登園しやすいです。
どの程度の距離や登園時館を許容するかは、各家庭によって様々です。希望した保育所等を見学した際に登園時間は計測済だと思いますが、改めてご確認下さい。
今後の予定&運営支援のお願い
今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。次回は住吉区・福島区・中央区を予定しています。
「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。
皆様に運営支援へのご協力もお願いしています。必要な育児・生活・事務用品等がありましたら、


