令和8年度大阪市保育所等一斉入所の申込書配布や面接予約が始まっています。
【重要】令和8年度大阪市保育所等一斉入所 募集予定人数公表・面接予約開始(オンライン)
【重要】令和8年度(2026年度)大阪市保育所等一斉入所の申込書類が配布開始
こうしたスケジューリングに関係してか、周囲で「2箇所保育を解消したいけど、難しそう。」という悲痛にもにた声を何度も耳にしました。「2箇所保育」とは、きょうだいの保育先が複数箇所に渡っている現象です。中には「3箇所保育」という家庭もあります。
2箇所保育の弊害は言うまでもありません。特に送迎に掛かる保護者の心身に強い負荷がかかります。2箇所の保育先が共に近隣地域にあるならともかく、自宅から反対方向にあったり通勤経路から大きく外れていると精神的にも体力的にも極めて大きな負担となります。
周囲で頻発しているパターンは「第1子が保育園、第2子が地域型保育事業(小規模保育)」という組み合わせです。第1子は第1希望とした保育園に入園できたのですが、第2子は同じ保育園へ入れませんでした。結果として第2希望以下、もしくは2次調整で通園圏内にある地域型保育事業へ入所しています。
どうして第1子は入園できたにも関わらず、第2子は同じ保育園に入園できなかったのでしょうか。キーワードは「入園した年齢と生まれ月」です。多くの事例で第1子は0歳児で入園していますが、1歳児で入園しようとした第2子が難航しています。
保育所等の構造上、1歳児より0歳児の方が遙かに入園しやすくなっています。殆どの保育所等では、生後半年以降が入園要件となっています。生後3カ月から受入を行う保育所等は極一部に限られています。
その為、一斉入所にて0歳児クラスへ入所申込を行えるのは、その年の年度前半に産まれた0歳児に限られます。同年齢の人口の内、半数しか入所要件を得ていません。残り半数近くは未だ産まれていません。
年齢別の募集数は1歳児クラスの方がやや多いです。しかし、年度後半に産まれた乳児に加え、0歳児クラスへの入所申込を見送った年度前半生まれの0歳児も申し込みます。
2025年度大阪市保育所等一斉入所に於いて、3,362人の0歳児が申込を行いました。しかしながら、これを遙かに上回る6,936人の1歳児も申込を行いました。同じ点数でも0歳児なら悠々と入所出来るのに、1歳児だときょうだい加点があっても入所出来ない現象が多発する構造です。
意図的な定員問題も否定できません。一部の保育所等では作為的に1歳児募集定員を絞っている様に見えます。たとえば0歳児では10人を募集するにも関わらず、1歳児ではたった2人しか募集しません。これだけ定員が異なってしまうと、フルタイム共働き+きょうだい加点があっても1歳児クラスへ入所出来る可能性は高くありません。
しかも募集数が限られたクラスに保育士等優先枠がある申込があると、それ以外の希望者はほぼ入所出来ません。弾き出されてしまいます。
1歳児クラスで入所出来なくても、2歳児から入所出来れば良いと考える方もいるでしょう。しかし、2歳児クラスは更なる茨の道です。保育所等によって違いはありますが、2歳児クラスの募集予定数は1歳児クラスの1/3程度です。募集予定がない保育所等も少なくありません。
きょうだいと同じ保育所等の1歳児クラスに入所出来なかった家庭は一つではないでしょう。複数の家庭が入所出来なかったのであれば、同じ様に2歳児クラスへの入所を申し込むでしょう。募集数が少なければ、2年連続で入所出来ない事態となります。
問題が深刻化するのは3歳児クラスです。地域型保育事業での保育は原則として満3歳を迎える年度末までです。つまり2歳児クラスまでしかありません。卒園時にはきょうだい加点に加えて卒園加点も得られるので、それ以外の入所希望者より転所しやすくなっています。が、募集枠や保護者の勤務時間等によっては、きょうだいと同じ保育所等へ転所できない可能性もあります。
ここで希望する保育所等へ転所できなければより離れた別の保育所等や幼稚園へ入園する等、何らかの選択を迫られてしまいます。
こうした事態を避ける方法にはどうしれば良いのでしょうか。意図せぬ2箇所保育となってしまう典型的な理由は、(1)第2子が年度後半生まれ、(2)他の入所希望者より入所点数が相対的に低い、(3)1歳児入所枠が著しく少ない、と考えられます。これらを極力避けるのが望ましいのです。
具体的には(1)年度前半に出産して0歳児入所を希望する、(2)入所点数を引き上げる(できる限り200点が欲しい)、(3)0歳児入所枠より1歳児入所枠が少ない保育所等を避ける、のが要諦です。
ただ、(1)については複雑な心情があります。保育所等へ入所しやすいのを目的として、生まれ月を調整するのは非常に不自然です。人口構成等にも影響しかねません。
(3)は政策的な対応が可能です。0歳児の倍程度の1歳児入所希望者がいる以上、募集枠をより1歳児に手厚くするのが望ましいでしょう。特に1歳児募集枠が0歳児より少ない保育所等に対しては、自治体が指導を行うべきです。
反対に年度後半に産まれた第1子が辛うじて1歳児クラスへ入園した方にとっては、第2子が0歳児クラスへ入園すると雰囲気の違いに驚くでしょう。入所するのに必要な点数が異なるので、保護者(特に母親)の職業や就業時間も違います。
2箇所保育は本当に大変です。我が家は経験していませんが、話を聞くだけでその慌ただしさにゾッとします。日々の生活での負担感が重く、様々な支障が生じかねません。行事等が被った日には目も当てられません。
