インバウンド需要が急増し、更には大阪・関西万博が開幕した大阪では、保育所等を利用している外国人が増加しています。

我が家がお世話になっている保育園でも、東南アジア系と思われる外国人の子供を見掛けました。3月までは見なかったので、恐らくは今年4月から入所したのでしょう。

親は保育室の場所や準備に手間取り、小さな子供は泣いてばかりでした。言葉の壁があっても、こうした風景は日本人親子と同じです。

第1子が入所した10年以上前は、保育園で見掛ける外国人は欧米系や韓国人が中心でした。コロナ禍前頃から中国人が増え始め、最近は東南アジアや中東方面から来日したと思われる外国人が増えています。欧米系や韓国・中国は言葉を聞けば出身国・地域が大凡分かるのですが、東南アジア・中東は全く分かりません。

保育士も対応に工夫を重ねています。日本語での日常会話が可能な保護者もいる一方、祖父母世代や来日して日が浅い(と思われる)保護者は日本語での意思疎通が難しい様子です。

先日、日本語が殆ど話せない保護者が保育士にスマホの画面を見せながら話をし、保育士は身振り手振りで対応している現場を見掛けました。スマホアプリを利用し、母国語と日本語とを翻訳をしていました。

大阪市は令和6年度に公立保育所へ外国語通訳を派遣する事業を実施しました。

令和6年度 外国語通訳派遣業務委託実施仕様書(単価契約)
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000145/145999/2_s2470024.pdf

対象となる言語は中国語・韓国語(ハングル)・英語・ベトナム語・タガログ語(フィリピン語)です。

英語・韓国語・中国語・ベトナム語で作成した「保育所ガイドブック」も公開しています。

「保育所ガイドブック」(日本語・英語・韓国語・中国語・ベトナム語)について
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000497100.html

日本語版をそのまま外国語に翻訳したハンドブックです。日本語版と同じくイラスト等も多用されており、日本の保育制度に詳しくない外国人世帯でも理解しやすいと感じました。

課題もあります。その一つは入所手続です。

とある手続の為に区役所の保育担当窓口に訪れた所、数グループの外国人が窓口にて担当者と相談していました。日本語を話している方もいれば、外国語ばかりを話す方もいました。机の上には入所申込書が置かれており、長時間に渡って担当者と話し込んでいました。

保育所等への申込手続は複雑です。日本語の読み書きに滞りがない日本人でも複雑に感じるぐらいですが、日本語に不慣れな外国人では尚更でしょう。申込書の作成や添付資料の取り寄せに加え、保育所等への見学申込にも難儀している筈です。

ただ、個別の保育所等に外国語への対応を求めるのは酷です。通常保育ですら余裕がなく、学生時代に専門的に外国語を学んだ保育士は例外的な存在です。

令和6年度 第4回こども・子育て支援会議教育・保育・子育て支援部会では、出席委員から「公設公営の保育所には通訳派遣がある。通訳派遣の拡充をぜひ考えていただきたい。また外国人の多い地域(区)での先進的な取組が他区に拡充されるようにして欲しい。」との意見がありました。全面的に賛成です。

今後も大阪市に住み、保育所等を利用する外国人世帯は増加の一途を辿ります。中には既に利用者の半数近くが外国人や外国にルーツがある世帯という保育所等もあります。

外国人世帯が保育所等と円滑にコミュニケーションを行える仕組み作りは急務です。個々の保育所等の善意や自助努力に頼るには限界があります。

外国語を耳にする機会が増える度に、もう一度外国語をしっかりと勉強したい気持ちが強くなります。空き時間にアプリで勉強したいのですが、子供関係で多忙を極めており、そもそも空き時間がありませんでした。